GRヤリス、“激戦区”の群馬ラリーシリーズを制す!
2021年8月20日

関東中から強者が集まる伝統の群馬ラリーシリーズは、7月24~25日にシリーズ第3戦が行われた。
JMRC関東ラリーカップ 群馬ラリーシリーズ第3戦
あさま隠山岳ラリー2021
開催日: 2021年7月24~25日
開催場所: 群馬
主催: ASCA
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、1年延期を余儀なくされた東京五輪が7月23日に開会式を迎えた翌日の7月24日、群馬ラリーシリーズ第3戦の「あさま隠山岳ラリー2021」が開催された(~25日まで2日間)。
ラリーは例年と同じく、群馬県の東吾妻町民体育館をHQ(ヘッドクォーター)&サービスパークとし、主催クラブ(オートスポーツクラブあさま隠)の名前の由来ともなっている浅間隠山の北側に位置する、東吾妻町、長野原町、中之条町をフィールドとする約180kmのラリールートで競われた。SSは3本の林道を2ループする形で計6本が設定された。24日はレッキが行われ、競技は25日1DAYでの開催となった。
約9kmのSS1と、約5kmのSS3はあさま隠のラリーではお馴染みのステージだが、SS1とSS3を繋ぐ形となるNEWステージのSS2は、舗装される前のグラベル時代に使われたという、久々に復活したコースだ。八ッ場ダムの生活再建事業として整備されていたトンネルが開通したことから、ラリールートの設定がしやすくなったことで、ラリーステージとして復活したのだろう。
6SSトータル約32kmのステージが用意された今回のラリーには、1クラス(2,500ccを超える4WD車両)に18台、2クラス(1,500ccを超える2WD車両及び1,500ccを超え2,500ccまでの4WD車両)に12台、3クラス(1,500ccまでの車両及び1,600㏄以下のRPN車両)に25台がエントリー。エキスパートクラス&チャレンジクラスの6台を合わせて、合計61台のラリーカーが集結した。

ラリーカーは真夏の日差しが降り注ぎ始める9時01分にサービスパークを後にした。前日のレッキはカンカン照りの中で行われたが、その晩には雷を伴う激しい雨がラリー開催地域に降ったことで、ステージの状況は一変。1クラスはSS1から大きく動くことになったが、そのSS1は、「思いっ切り路面が濡れていたのでビックリしましたが(笑)、ラリータイヤだったので、多少の泥やウェット部分があっても問題ないだろう、とプッシュしました。結構アンダーが出て怖かったですけどね(笑)」と振り返ったGRヤリスを持ち込んだAki HATANO/小倉輝組がベストタイムをマーク。続くSS2、SS3も連続ベストをマークして、トップでサービスに戻ってきた。
一方、前戦で優勝を飾った嶋村徳之/和氣嵩暁組は、「(ステージ上に)苔も多かったので、若干様子を見てしまった」とスタートダッシュに失敗し、9秒差で濱井義郎/本橋貴司組とともに、2番手で折り返すこととなった。嶋村組はその後完全ドライとなったSS1のリピートステージでは20秒以上のタイムアップを果たしてベストを奪ったが、最終的には2位にとどまりHATANO組が優勝を手にした。「現状はノーマルの部分も多いんですけど、慌てずドライブしたらタイムが出ていた感じですね。クルマのパッケージが凄くイイんだと思います。まだまだこれから速くなると思いますね」と、HATANO選手はNEWマシンの手応えを感じていた。






2クラスも、前夜の荒天が伏兵達の走りを呼び覚ました。MR-Sをドライブする渡部弘樹/前川富哉組が、「路面の汚い道は速いんです(笑)」とSS1でベストを出せば、ベテランの福田賢司/鳥塚靖典組も道が荒れていることを予想して、「ユーズドのタイヤでスタートしました」と、1秒差の2番手でSS1を走り切った。ショートステージのSS2では大きなタイム差は出なかったが、SS3では福田組がベストタイムで駆け抜けてトップでセクション1を折り返した。
しかしセクション2に入ると、開幕戦3位、前戦2位と調子を上げていた伊藤隆晃/大高徹也組がスパート。「セクション1は、日なたと日陰で路面コンディションの変化が激しかったので、滑ってリズムを崩してしまいました。サービスでセクション1のタイムをチェックしたら、思った以上に負けている感じはしたんですが、セクション2は、ステージに向かう途中の林道が思いのほか乾いていたので、気持ちを切り替えてアタックしました」という伊藤組が、最初のSS4でベストタイムを奪って猛追を開始。最終SSで再びベストをマークした伊藤組は、逃げる福田組を逆転して今シーズン初優勝を手にした。






3クラスはチームメイト同士の、細谷裕一/東駿吾組と藤田勝正/宮腰祐季生組がSS1から1-2を決め、3番手以降を10秒以上も引き離してスタートダッシュに成功する。SS2では開幕戦優勝の田辺紘一/八巻慎太郎組が盛り返し、一矢を報いるものの、優勝争いは細谷組と藤田組に絞られた。
勝負の行方は、SS3でこの日2本目のベストタイムでリードを広げた細谷組が、セクション2に入っても手綱を緩めず、さらにリードを広げて完勝。前戦で大きなリードを築きながらもリタイアを喫してしまった藤田組は、今回も惜しくも2位に終わった。「チーム内にライバルがいる環境は、切磋琢磨で走りを磨いていける」と、細谷選手と藤田選手は口を揃える。田辺組を含めた三つ巴のバトルは、シリーズ後半戦でも白熱しそうだ。










フォト/佐久間健、山中知之 レポート/山中知之
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