GT500はMOTUL AUTECH GT-Rが逆転で鈴鹿3連勝、GT300は参戦2年目のたかのこの湯 GR Supra GT が初優勝!

レポート レース

2021年9月1日

スーパーGTの今季4戦目となる第3戦が8月21~22日に鈴鹿サーキットにおいて開催され、GT500クラスは予選3番手の23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が逆転して優勝し、鈴鹿で3連勝。松田選手は自身の持つ最多勝記録を「23」に伸ばし、GT-R勢が表彰台を独占した。またGT300クラスも予選3番手の244号車たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威組)が、こちらも逆転でGT参戦2年目での初優勝を遂げた。

2021 SUPER GT Round3 FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE
開催日:2021年8月21~22日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:KSCC、SMSC、株式会社モビリティランド

 5月29~30日から順延されていたスーパーGT第3戦の鈴鹿が、かつての鈴鹿1000kmの日程に組み込まれて開催となった。例年、残暑が厳しいこの時期だが、今年は8月半ばから長雨による天候不順となり、このレースウィークも天気がぐずついた。

 21日の公式予選は、64号車Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)の伊沢選手がポールポジションを獲得し、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組)が2番手と、NSX&ダンロップタイヤがフロントローを独占。これに23号車GT-R、24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹組)が続いた。

5月末に開催される予定だった鈴鹿の第3戦は、まん延防止等重点措置が適用されたことで順延となり、もてぎの第4戦を経てようやく開催された。

 曇りで気温31度と蒸し暑い22日の14時48分に決勝がスタート。フロントローを獲得した2台のNSXが後続を引き離して快調な走り出しを見せたが、トップを走る64号車NSXの伊沢選手が5周目にブレーキトラブルのためにシケインを直進し、スポンジバリアにクラッシュ。直後にフルコースイエロー(FCY)が出され、消火活動のためにセーフティカー(SC)が導入されるという波乱の幕開けとなった。

 11周完了でSCが隊列から離れてリスタート。ここでトップとなった16号車NSXの大湯選手に、23号車GT-Rのクインタレッリ選手、24号車GT-Rの佐々木選手、そして3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)の千代選手が続いた。

 52周レースの1/3を経過した早めの18周でルーティンのピットインをする車両が出始め、16号車NSXと3号車GT-Rは20周でピットインしたが、16号車NSXはアウトラップでタイヤが発熱せず3号車GT-Rに先行を許した。23号車GT-Rは24周で、24号車GT-Rは25周でピットアウトすると、3号車GT-Rの平手選手が先頭に立っていた。

 30周目に23号車GT-Rの松田選手が2番手に上がった時点で、トップの平手選手との差は4.7秒。同じGT-R&ミシュランタイヤというパッケージだが、3号車GT-Rの方がサクセスウエイトが重く、タイヤに負担が掛かっていたのか、39周目には松田選手が平手選手に追いつき、41周目のヘアピンでは松田選手がトップに躍り出た。

 松田選手はその後も後続を引き離し、2位に11秒の大差をつけて今季初優勝。昨年の鈴鹿ラウンド2戦も制しており、これで鈴鹿3連勝という新記録を達成。また松田選手は自身の持つGT最多勝記録を「23」に伸ばし、”地元で23号車で23勝”を達成した。2位は3号車GT-R、3位は24号車GT-R。GT-Rは2014年オートポリス以来の表彰台独占を達成した。

 前回優勝の1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)は4位フィニッシュでポイントリーダーに浮上。5位はスープラ勢最上位となる36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組)だった。

1-2-3と鈴鹿の表彰台を独占したGT-R勢。その頂を獲得したのはMOTUL AUTECH GT-Rの松田次生/ロニー・クインタレッリ組だった。
GT500クラスの表彰式。左から2位のCRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)、1位のMOTUL AUTECH GT-R(松田/クインタレッリ組)、3位のリアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹組)。

 GT300クラスはポールスタートの61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)の山内選手に、予選3番手の244号車スープラの三宅選手が迫り、さらに5番手スタートの9号車PACIFIC NAC CARGUY Ferrari(ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝組)のコッツォリーノ選手が続いた。

 予選2番手の5号車マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号(平木湧也/平木玲次組)はタイヤ無交換作戦を予定しており、平木湧也選手は序盤に無理なバトルを避けて4番手キープの走行となった。

 GT500車両のクラッシュによるSC導入で12周目にリスタートとなると、244号車スープラの三宅選手がダンロップコーナーでトップを奪い、9号車フェラーリのコッツォリーノ選手もデグナーまでに2番手へ。

 21周で61号車BRZと5号車86がピットインし、5号車86は予定どおりタイヤ無交換で平木兄弟の弟・玲次選手がコースへ。244号車スープラは24周、9号車フェラーリは27周でピットインしてドライバー交代を済ませた。

 34周で全車両がピットインを済ませると、5号車86がトップで、これに244号車スープラの堤選手、88号車JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)の小暮選手が続き、3台による優勝争いとなった。

 5号車86の平木玲次選手は熱中症を発症し、38周目のデグナーカーブでバランスを崩した際に244号車スープラがトップを奪取。39周目のヘアピンでは88号車ランボルギーニが2番手に立った。

 5号車86は43周目のデグナーカーブでスピンを喫し、ここで4号車グッドスマイル初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)の谷口選手が3番手を奪い、トップ3台はそのままの順位でゴール。244号車スープラは、スーパーGT参戦2年目で初優勝。三宅選手、堤選手も共に嬉しいGT初優勝となった。

悲願の初優勝を遂げたのは、スーパーGT参戦2年目となる三宅淳詞/堤優威組のたかのこの湯 GR Supra GT。
GT300クラスの表彰式。左から2位のJLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)、1位のたかのこの湯 GR Supra GT(三宅/堤組)、3位のグッドスマイル初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)。

フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ