地方選手権FS-125の黒川史哉選手、最終戦でうれしい初優勝を飾る!

レポート カート

2021年9月9日

地方カート選手権・瑞浪シリーズ(FS-125)の今季最終戦が、岐阜県・フェスティカサーキット瑞浪で9月5日に開催。黒川史哉選手(Ash)が初優勝を飾った。

2021年JAF地方カート選手権 瑞浪シリーズ FS-125 第5戦
2021 SLカートミーティング フェスティカサーキット瑞浪シリーズ第5戦

開催日:2021年9月5日
開催地:フェスティカサーキット瑞浪(岐阜県瑞浪市)
主催:株式会社フェスティカ

 全5戦で行われる地方カート選手権の2021瑞浪シリーズは、今回が最終戦。このサーキットの主力シリーズ戦のひとつ、SL カートミーティングの第5戦の中での開催だ。7月4日開催の第4戦では18歳の大谷拓幹選手(Team REGOLITH)が今季3勝目を挙げて戴冠を確定させ、早くもチャンピオン争いを終結させている。

大会終了後にFS-125の年間表彰が行われた。「昨年のシリーズは振り返りたくないような年でした……。資金面でも余裕がない中、今年からフレームを変えたことが功を奏して、今年はイケるなと感じました。“継続は力なり”で、チャンピオンを確定でき、それを結果として周りに示せたのがうれしかったです」と大谷拓幹選手。2位に酒井畝那選手、3位に今井雅慶選手が確定。

 FS-125のエントリーは10台。今季、3度のトップチェッカーで速さを見せつけながら2度も無念の車検失格に泣いている落合蓮音選手は、同日のFIAカーティングアカデミートロフィー・スウェーデン大会参戦のため、こちらのレースは欠場となった。

 前日から降り続いた雨は朝方に止み、大会当日は快晴。サーキットは夏の名残りの強い日差しに照らされ、レースは全セッション、ドライコンディションで行われた。

 5分間の公式練習(フリー走行)につなげて実施された3分間のタイムトライアルでは、スポット参戦の柴原耀介選手(Team REGOLITH)が45秒535のトップタイムを記録。0.2秒強の差で大谷選手が2番手に続き、チームメイトのふたりがフロントローに並んで予選ヒートを発進することとなった。

 10周の予選ヒートが始まると、黒川選手が3番グリッドから大谷選手をかわして2番手に上がり、レースはやがて柴原選手と黒川選手の一騎討ちに。ここは柴原選手がトップの座を守り切って決勝のポールを手に入れた。2番手の黒川選手に続いてゴールしたのは、9番グリッドからファステストラップをマークしながら猛追を演じた宮本颯斗選手(T.ぶるーと)。大谷選手は4番手でゴールした。

 決勝は16周の戦いだ。2周目に黒川選手がトップの柴原選手の前に出ると、それに続いて宮本選手が2番手に浮上。さらに宮本選手は予選6台抜きの勢いのまま、黒川選手も抜き去って先頭に立った。

 だが、予選で無理を避けて決勝に備えていた黒川選手は、3周目に宮本選手を抜き返してトップに戻ると、じわじわと後続を引き離していく。そしてレースが中盤戦に入ると、黒川選手のアドバンテージは急拡大。7周目にはリードを1秒に広げ、以降は独走でゴールまで突っ走った。

 ピットロードで待ち受ける仲間たちに拳を突き上げてチェッカーをくぐった17歳の黒川選手は、これが待望の初優勝。1週間後に控えた全日本選手権・西地域第5戦中山大会に向けて勢いをつける快勝だった。

 黒川選手の後方では、宮本選手、柴原選手、大谷選手、さらに8番グリッドから浮上の成宮柊磨選手(Team REGOLITH)が一団となって2位争いを展開。ここは柴原選手のチャージを退けた宮本選手が2位を獲得した。柴原選手は3番手でレースを終えたが、フロントフェアリングのペナルティで7位に後退。代わって大谷選手が3位、成宮選手が4位となった。

「一昨年の冬にこのクラスに上がってから1年ちょっと苦労してきて、2位止まりのレースもあったので、ようやく優勝することができて非常にうれしいです。予選では決勝に備えようと思って、無理にトップを獲りに行くことは控えました。(翌週の全日本)中山大会に向けていい流れをつくれたので、そこでも勝ちたいと思います」と優勝の黒川史哉選手。
FS-125の表彰式。左から2位の宮本颯斗選手、1位の黒川選手、3位の大谷選手。

 同時開催のSLカートミーティングは5クラス。今大会最多の24台が参加したYAMAHA SSでは、西山魁選手(team Farina)が12番グリッドからひとり50秒台のラップタイムを叩き出しながらポジションを上げ、残り3周でトップを奪って優勝。鈴田隼士選手(Hayamon Racing)が、やはり9番グリッドからの猛追で2位を手に入れた。

YAMAHA SS優勝は西山魁選手。
YAMAHA SSの表彰式。左から2位の鈴田隼士選手、1位の西山選手、3位の津田充輝選手。

 瑞浪オリジナルの規定で行われるMAX Lightsには、このサーキットで1カ月後に行われるMAXフェスティバルに備えてビッグネームたちのスポット参戦もあり、参加22台とこちらも盛況だ。そのウィナーは、ポールから序盤で独走態勢を固めた熊谷憲太選手(KP BUZZ)。タイムトライアル最下位から挽回した久保誠選手(ランドクリエイト)が2位に、3ポジションアップの高橋将矢選手(NEXT-ONE Racing)が3位となった。

MAX Lights優勝は熊谷憲太選手。
MAX Lightsの表彰式。左から2位の久保誠選手、1位の熊谷選手、3位の髙橋将矢選手。

 KT-Mastersは決勝2ヒート制。第1ヒートでは、安達慶真選手(T.HIRANO)がバトルを制して勝利を果たした。第1レースの上位8台をリバースグリッドにして行われる第2レースでは、澤部朝男選手(TACC・HIGUCHI RT)が6台抜きで優勝。当クラス最年長の森朴繁樹選手(T.HIRANO)が序盤のトップ快走で場内を沸かせて2位でフィニッシュ。小原正三選手(T.HIRANO)が3位争いに競り勝ち、表彰台には65歳・71歳・61歳の元気なシニアドライバーたち3名が並び立った。

KT-Masters第1ヒート優勝は安達慶真選手。
KT-Masters第1ヒートの表彰式。左から2位の澤部朝男選手、1位の安達選手、3位の山口正樹選手。
KT-Masters第2ヒート優勝は澤部選手。
KT-Masters第2ヒートの表彰式。左から2位の森朴繁樹選手、1位の澤部選手、3位の小原正三選手。

 変速機付きカートで競い合うYZ85でも、68歳の深津尊司選手(チームスイング)のトップ快走劇に歓声が上がる。勝者はポールの葛西佑紀選手(JACKAL HKC)だった。2位は中川賢太選手(LAM Racing)、3位は岡田泰典選手(チームスイング)。

YZ85優勝は葛西佑紀選手。
YZ85の表彰式。左から2位の中川賢太選手、1位の葛西選手、3位の岡田泰典選手。

 当シリーズの最年少クラスであるCadet OPENでは、鈴木春風選手(Team EMATY)が全セッション1位のパーフェクトウィンを飾っている。2位は常川将太郎選手(T-Style with ぶるーと)、3位は前田蒼介選手(Team REGORITH)が獲得。

Cadet OPEN優勝は鈴木春風選手。
Cadet OPENの表彰式。左から2位の常川将太郎選手、1位の鈴木選手、3位の前田蒼介選手。

フォト/遠藤樹弥、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ