鈴鹿ラウンド中止の時点で6クラスのタイトルが確定。残る3クラスは恋の浦ラウンドで最終戦につなぐ熾烈な戦いを繰り広げた

レポート ジムカーナ

2021年9月22日

全日本ジムカーナ選手権第7戦「オールジャパンジムカーナ in 九州」が、9月11~12日に福岡県のスピードパーク恋の浦で開催された。福岡県に新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言が発令される中での開催だが、マスク着用や手指の消毒、検温、ソーシャルディスタンスの確保、問診票の提出など、ガイドラインに沿った感染対策が採られた。

2021年JAF全日本ジムカーナ選手権第7戦「オールジャパンジムカーナ in 九州」
開催日:2021年9月11~12日
開催地:スピードパーク恋の浦(福岡県福津市)
主催:TOBIUME、RTCR

 全日本ジムカーナ選手権第7戦が開催される前に、第9戦鈴鹿ラウンドが開催中止を発表。そのため、有効戦数が6戦から5戦となり、この恋の浦ラウンドの開催を待たずして6つのクラスでシリーズチャンピオンが確定する幕開けとなった。

 1分50秒前後のロングコースとして設定された今回の決勝は、天候にも恵まれ、各クラスで第1ヒート、第2ヒートとも0.1秒を競う熾烈な争いが繰り広げられた。

前半はサーキットコースを周回するハイスピードレイアウト、後半は広場セクションのパイロン区間を走るテクニカルレイアウトで構成されている。

 箕輪雄介選手が2勝、斉藤邦夫選手と川北忠選手と小林キュウテン選手が1勝ずつ挙げているJG8クラス。その中でコンスタントに表彰台を獲得している川北選手がシリーズランキングトップに立ち、このラウンドの結果次第ではタイトルが確定するという状況だ。

 出走前に「最後まであがいて、意地の悪いベテランになってみせましょうか(笑)」と語っていた小林キュウテン選手が、第1ヒートでベストタイムをマーク。川北選手も第2ヒートで小林キュウテン選手に0.036秒差まで迫るものの、わずかに届かず2位。小林キュウテン選手が今季2勝目を獲得し、最終戦に逆転チャンピオンの望みをつないだ。

 なお小林キュウテン選手が最終戦となるエビスで優勝すれば、有効ポイントでは川北選手と同点となるものの、高得点を得た回数が川北選手を上回り、逆転チャンピオンが可能となる。一方の川北選手も、有効得点を加算するためには優勝以外ない状況だ。最終戦エビスは、どちらか勝った方がチャンピオンの栄冠を掴むことになる。

JG8クラス優勝は小林キュウテン選手(YH共栄K-oneロードスター)。
JG8クラスの表彰式。左から4位の小林規敏選手、2位の川北忠選手、1位の小林キュウテン選手、3位の斉藤邦夫選手、5位のSHUN選手、6位の箕輪雄介選手。

 今シーズン4勝を挙げている織田拓也選手がシリーズチャンピオンを確定させて臨んだJG10クラスは、その織田選手が両ヒートでベストタイムをマークする走りで、有効得点で満点となる今季5勝目を獲得。

「前戦の久万高原ラウンドがぬるい走りだったので、今回はしっかり集中して走りました」という織田選手。今シーズンから新たなクラスとして設定されたJG10クラスの初代チャンピオンを確定させた貫禄ある走りを見せた。

JG10クラス優勝は織田拓也選手(リジットDLレイズeTスイフト)。
JG10クラスの表彰式。左から4位の砂田光恵選手、2位の角岡隆志選手、1位の織田選手、3位の樋口智哉選手。

 今季4勝を挙げた山野哲也選手が、鈴鹿ラウンド開催中止によって21回目のチャンピオンを確定させたJG7クラス。小俣洋平選手が両ヒートでベストタイムをたたき出す走りで今季2勝目を獲得した。

「今回は約1分50秒近いロングコースになったことが、僕たちのパッケージに有利になったのかもしれませんね。今シーズンは、自滅して負けてしまうラウンドが多かったのが大きな反省です」と小俣選手。すでにタイトル争いは決着してしまったが、価値ある2勝目を獲得した。

JG7クラス優勝は小俣洋平選手(DLWMコサリ1mCrt124 )。
JG7クラスの表彰式。左から4位の仲川雅樹選手、2位の山野哲也選手、1位の小俣選手、3位の河本晃一選手、5位の大橋政哉選手、6位の中根卓也選手。

 5人のドライバーにチャンピオンの可能性があるJG6クラスは、シリーズランキング2番手の西野洋平選手が緊急事態宣言発令によりこのラウンドをキャンセル。同3番手の松本敏選手、同4番手の天満清選手の結果次第では、野島孝宏選手にこのラウンドでチャンピオン確定のチャンスがあった。

 結果はユウ選手が第1ヒートのタイムで今季3勝目を獲得。天満選手が2位、野島選手が3位、松本選手が4位となったことで、実質的な最終戦となるエビスラウンドは、この野島選手、天満選手、松本選手、ユウ選手、西野選手の5人によってタイトルが争われる形となる。

JG6クラス優勝はユウ選手(BSitzzNTLロードスター)。
JG6クラスの表彰式。左から4位の松本敏選手、2位の天満清選手、1位のユウ選手、3位の野島孝宏選手、5位の内田敦選手、6位の磯野剛治選手。

 シリーズランキングトップの奥井優介選手が、緊急事態宣言発令を受け欠場となったJG5クラスは、同2番手の茅野成樹選手が両ヒートを制する走りで今季3勝目を獲得。シリーズランキングでも奥井選手を抜きトップに立ち、最終戦は奥井選手が優勝しても茅野選手が2位入賞でタイトル獲得という逆転王手をかけた。

JG5クラス優勝は茅野成樹選手(EXEDY☆SCTAヤリスDL)。
JG5クラスの表彰式。左から4位の折茂紀彦選手、2位の石原昌行選手、1位の茅野選手、3位の朝山崇選手、5位のいながわひろゆき選手。

 今季3勝を挙げた小武拓矢選手が2年連続のチャンピオンをすでに確定させているJG4クラスは、「第1ヒートはトップタイムでしたが、自分的に攻め切れていない部分があったので、第2ヒートはしっかりと攻めて走りました。自分の中では100点満点の走りができたと思います」という小武選手が、両ヒートでベストタイムをマークする走りで圧勝。今季4勝目を挙げ、タイトルに華を添えた。

JG4クラス優勝は小武拓矢選手(シンシアYHワコーズCRX艶々)。
JG4クラスの表彰式。左から4位の島田昌典選手、2位の合田尚司選手、1位の小武選手、3位の安木美徳選手。

 JG3クラスは、鈴鹿ラウンド開催中止でチャンピオンが確定した若林拳人選手が、両ヒートでパイロンタッチペナルティを受けるミスで5位に低迷。優勝は、第1ヒートでベストタイムをマークした西井将宏選手が逃げ切り、全日本参戦4年目で待望の初優勝を獲得した。2位には昨年の恋の浦ラウンドでも2位に入賞した井上洋選手が入賞、3位には昨年の恋の浦ラウンドで3位に入賞した野田太一選手がそれぞれ入賞した。

JG3クラス優勝は西井将宏選手(アイスペックインテグラDL)。
JG3クラスの表彰式。左から4位の楠瀬浩之選手、2位の井上洋選手、1位の西井選手、3位の野田太一選手。

 恋の浦ラウンド開催前に自身初となるシリーズチャンピオンが確定している広瀬献選手が欠場となったJG2クラス。久保真吾選手が第1ヒートのタイムで優勝し、「シリーズ争いは広瀬選手に負けてしまいましたが、今シーズンは自分を出し切るということをテーマにやってきたので、その部分は今日も出し切れたと思います」とコメント。納得の走りで今季2勝目を獲得した。

JG2クラス優勝は久保真吾選手(DLエリアS・阪神EXIGE)。
JG2クラスの表彰式。左から4位の町田和雄選手、2位の藤井雅裕選手、1位の久保選手、3位の東毅選手。

 津川信次選手が昨年に続き2年連続のチャンピオンをすでに確定させているJG1クラス。「今回はハードコンパウンドを選択したことが勝因」という津川選手が、ソフトコンパウンドを選択した菱井将文選手に0.834秒差をつけ優勝。シリーズの有効得点でも満点となる今季5勝目を獲得した。

JG1クラス優勝は津川信次選手(DL☆itzz☆URGランサー)。
JG1クラスの表彰式。左から4位の尾崎誠治選手、2位の菱井将文選手、1位の津川選手、3位の髙橋和浩選手、5位の大橋渡選手。

フォト/CINQ、加藤和由、西野キヨシ、JAFスポーツ編集部 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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