関東地区戦さるくらラウンドで、山口晃一ロードスターがシーズン4勝目を獲得!
2021年9月24日
JAF関東ジムカーナ選手権はラス前の一戦となるシリーズ7戦目の大会が、9月5日、長野県のさるくらモータースポーツランドで開催された。
2021 年JAF関東ジムカーナ選手権第9戦
JMRC関東オールスターシリーズ第9戦
JMRC 全国オ ールスター選抜第9戦
N.C.S.C.スーパージムカーナinさるくら
開催日 : 2021年9月5日
開催場所:さるくらモータースポーツランド(長野県飯田市)
主催: N.C.S.C.
JAF関東ジムカーナ選手権第9戦が、9月5日、長野県のさるくらモータースポーツランドで開催された。同選手権は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、第1戦と第8戦が開催中止となっており、今回は実質的には今シーズンの7戦目となる。シリーズも終盤戦ということで、チャンピオン争いも佳境に入っているが、2戦が中止になったことにより、現時点では今季の有効ポイントは6戦となっている。これがポイント争いにどういった影響を及ぼすのかも気になる所だ。
前日からの雨で、ウェット路面のさるくらモータースポーツランド。当日も朝の受付や慣熟歩行時には、時折、小雨が降る状況だったが、第1ヒートが始まる頃に天気は急激に回復。照りつける日差しで気温も一気に上昇し、路面もウェットからセミウェット、そしてドライと徐々に変化。特に前半のクラスは第1ヒートと第2ヒートでは全く異なるコンディションでの走行となり、第2ヒートのドライ路面に如何に対応できるかが、勝負の分かれ目となった。
JG8クラスは、今季既に3勝を上げているポイントリーダーの山口晃一選手が、シリーズチャンピオンに王手をかけて今回の一戦を迎えた。それを阻止できるのは、シリーズ2番手につける三上将寛選手。しかし三上選手がチャンピオン争いを最終戦まで持ち越すことができる条件は優勝のみ。2位以下になった時点で山口選手のチャンピオンが確定する。
第1ヒート、まだウェット区間が大半を占める路面で、暫定トップに立ったのは山口選手。三上選手はパイロンペナルティで大きく出遅れるが、勝負はドライ路面になった第2ヒートだ。やはり、各車、第1ヒートから約6秒ものタイムアップで、完全に仕切り直しとなった中、三上選手は、それまでの暫定トップ、上野山肇選手の1分16秒台を上回る1分15秒台の好タイムをマーク。しかし三上選手は、第2ヒートも痛恨のパイロンペナルティとなってしまい、万事休す。悔やまれる一戦となった。
そして優勝争いは、ラストゼッケン山口選手が上野山選手を5/100秒上回ってトップを奪回、優勝でチャンピオンを決めた。「今回はウェットとドライの切り替えが難しかったですね。タイム的には三上選手に負けてしまいましたが(笑)、結果には満足しています」という山口選手は、今年還暦を迎えたドライバー。人生の節目でチャンピオン獲得となった。
ポイントリーダー大橋政哉選手が休戦となった今回のJG7クラス。僅差でシリーズ2番手につける梅澤高志選手は、ここで優勝ポイントを取り、有利な展開に持ち込みたいところだが、第1ヒートはトップタイムを刻むも、パイロンペナルティとなってしまい3番手に留まる。「第1ヒートはタイムを残せなかったし、ドライ路面になってセッティングを変えたのも裏目に出て、第2ヒートは『置いた』走りになってしまいました」と振り返った梅澤選手だったが、その第2ヒートではトップタイムを奪い、逆転優勝を果たした。
シリーズ中盤から怒濤の3連勝で波に乗るのはJG6クラスの徳武銀河選手だ。前半戦のポイントがない分、シリーズは2番手に留まっているが、ポイントリーダーの掛札雄一選手を脅かす存在であることは間違いない。前日の練習でも好タイムを連発しており、これには掛札選手も、「奇跡でも起きない限りは敵いませんね」と苦笑いするしかない状況だ。
そして迎えた当日の第1ヒート。このクラスになると中盤ゼッケン以降は、第1ヒートから、ほぼドライ路面での走行となったが、ここで暫定トップに立ったのはシリーズ5番手につける井上良選手。唯一1分16秒台をマークし、今季初優勝へ向けて折り返す。続く2番手に徳武選手、掛札選手は4番手で第1ヒートが終了したが、第2ヒートになると、前半ゼッケンから軒並みタイムアップ傾向となり、上位陣は1分16秒台の戦いに突入した。
井上選手も自己タイムを0.6更新し、アドバンテージを得るが、ラス前の徳武選手は自己タイムを1秒以上も上回り、井上選手のタイムを0.2秒更新してトップに躍り出る。注目のラストゼッケン掛札選手も16秒台に突入するが、0.3秒届かず3位止まり。徳武選手が逆転で優勝し、今季4連勝を飾った。「第1ヒートは新品タイヤの皮が剥けてなくて、グリップしなかったのですが、第2ヒートはしっかりグリップしてくれたのでタイムアップできました」と徳武選手。一方の掛札選手は「やはり奇跡は起きませんでした(笑)」と完敗。これで徳武選手は掛札選手に3点差まで迫り、最終戦決戦に持ち込んだ。
JG13クラスは、第6戦、第7戦と連勝している大多和健人選手がポイントリーダー。今回優勝すればシリーズチャンピオンを決めることができるが、第1ヒートをトップで折り返したのは、シリーズ4番手の大江光輝選手だった。大江選手は開幕戦(第2戦)を制したものの、シリーズ中盤でやや失速気味となり、チャンピオンの望みはかなり薄くなってるが、今回勝てば最終戦まで可能性を残すことができる。
注目の第2ヒート。大江選手は自己タイムを1秒近く更新、1分16秒台に突入し、さらなるアドバンテージを確保。ラストゼッケンの大多和選手も16秒台に入れたが、0.3秒届かず2位となり、大江選手が今季2勝目を上げる結果となった。「今回は、順位では大多和選手に勝ちましたが、実力では負けていると感じました。チャンピオンの可能性は僅かに残ってますが、それは考えてないです」と大江選手はきっぱり。
「最終戦までに自分の走りをしっかり見直したいですね」と、優勝はしたものの、大江選手は課題が残る走りだったと振り返った。そして、惜しくも2位の大多和選手は、「第2ヒートは、ゴール直前で一瞬コースをロストしてしまいました。チャンピオンのプレッシャーがあったのかもしれません。詰めが甘いですね(笑)」と敗因を分析。チャンピオンは最終戦までお預けとなった。
JG3クラスは若手ドライバー石澤一哉選手が今季3勝目を上げる結果となった。「さるくらは初走行なのですが、奥が深いコースですね。コース幅は狭いのですが、きっちりラインを取らないとタイムが出せないと思い、入念に慣熟歩行を行いました」という石澤選手。第2ヒートでは唯一1分12秒台という好タイムをマークし、ベテラン勢を抑える走りで優勝を決めた。最終戦は出場できないとのことで、石澤選手の地区戦は今回で終了となるが、来シーズン以降の活躍に期待したい。
フォト&レポート/友田宏之
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