D'station Vantage GT3が2勝目でタイトル確定!

レポート レース

2021年9月28日

スーパー耐久シリーズ第5戦は、9月18~19日に鈴鹿サーキットにて5時間レースとして開催された。決勝日は台風一過の晴天に恵まれ、D'station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼組)が開幕戦に続き2勝目を挙げ、ST-Xクラスのタイトルが確定。また他の4クラスでも最終戦を待たずにチャンピオンが確定した。

スーパー耐久シリーズ2021 第5戦 鈴鹿スーパー耐久5時間レース
開催日:2021年9月18~19日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:NRC、SMSC、株式会社モビリティランド

 今回のスーパー耐久シリーズ鈴鹿ラウンドには、9つのクラスに46台の車両がエントリー。予選日の18日は台風14号の接近により、午前中の予定をキャンセルして午後から予選が行われた。

 決勝日の19日は朝から晴天となり、気温も上昇して残暑厳しい一日となった。気温30度の11時34分にシグナルがグリーンになり、5時間耐久レースがスタート。

 予選3番手のD'station Vantage GT3の藤井選手が、1周目に予選2番手のポルシェセンター岡崎 911GT3R(永井宏明/上村優太/中山雄一組)の永井選手、2周目にポールシッターのFloral UEMATSU FG 720S GT3(植松忠雄/澤圭太/川端伸太朗/井出有治組)の澤選手をかわしてトップに立つと、後続との距離を離して独走態勢となった。

 また予選5番手のDAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/青木孝行/藤波清斗/大八木龍一郎組)の青木選手も、6周目には2番手へ順位を上げた。予選4番手のLEXUS RCF GT3(永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗組)はスタート違反でドライブスルーのペナルティを受けて遅れてしまう。

 35周でD'station Vantage GT3と、2番手のDAISHIN GT3 GT-Rがピットイン。2台の差は12秒あったが、ここからDAISHIN GT3 GT-Rの藤波選手が猛烈に追い上げ、58周目にはついにD'station Vantage GT3の近藤選手をかわしてトップへ浮上した。またD'station Vantage GT3には接触行為のためにドライブスルーのペナルティが課せられ、2台の差は34秒まで広がることになった。

 71周でDAISHIN GT3 GT-Rの藤井選手がピットインして再び青木選手がコースへ。72周にはD'station Vantage GT3がピットインして星野選手に交代した。2台の差が50秒近くにまで広がった80周目、バックストレートでバックマーカーを抜きにかかった青木選手は1台と接触。右リアのサスペンションを壊し、白煙を上げながら緊急ピットイン。優勝争いから脱落することになった。

 これでトップに立ったD'station Vantage GT3は103周で最後のピットインを済ませて再び近藤選手へバトンタッチ。しかしここにポルシェセンター岡崎 911GT3Rの上村選手が迫っていた。ポルシェカレラカップジャパンでもライバルであるふたりはしばらくテール・トゥ・ノーズのバトルを演じたが、徐々に近藤選手がリードを広げた。

 終盤の132周でポルシェセンター岡崎 911GT3Rは燃料補給のためにピットイン。これでD'station Vantage GT3は楽になり、2位に45秒の差をつけて137周でトップチェッカー。開幕戦以来となる今季2勝目を挙げ、今季のチャンピオンを確定した。2位はポルシェセンター岡崎 911GT3R、3位は終盤132周目にFloral UEMATSU FG 720S GT3をかわしたLEXUS RCF GT3だった。

#777 D'station RacingのD'station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼組)がST-Xクラスで優勝。
ST-Xクラスの表彰式。左から2位の#16 Porsche Center Okazaki、1位の#777 D'station Racing、3位の#31 apr。

 ST-Zクラス(11台)はD'station Vantage GT4(星野辰也/織戸学/篠原拓朗/浜健二組)がオートポリスに続き連勝。ST-TCRクラス(2台)はRacer Honda カーズ桶川 CIVIC(遠藤光博/中野信治/小出峻組)が3連勝し、2位のおとぎの国 CIVIC TCR(芳賀邦行/蘇武喜和/霜野誠友/和田慎吾組)がタイトルを獲得した。

 ST-1クラス(3台)はシンティアム アップル KTM(飯田太陽/加藤寛規/吉本大樹/高橋一穂組)が3連勝で4勝目を挙げ、クラスチャンピオンを確定した。ST-2クラス(5台)はDAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比東至/石坂瑞基組)が今季初優勝で、2位フィニッシュの新菱オート☆VARIS☆DXL☆EVO10(藤井芳樹/成澤正人/安斎景介/今井慎吾組)がタイトルを確定した。

 ST-3クラス(6台)はエアバスター Winmax RC350 TWS(冨林勇佑/大島和也/石井宏尚組)が終盤に逆転して連勝し、チャンピオンを確定した。ST-4クラス(2台)はGRGarage 水戸インター GR86(坪井翔/細川慎弥/堀尾風允)が連勝。ST-5クラス(10台)はodula TONE MOTULロードスター(武地孝幸/太田達也/大野尊久/猪股京介組)が開幕戦以来の2勝目を飾った。

 なお、水素エンジンで注目されたST-QクラスのORC ROOKIE Corolla H2 concept(井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO/松井孝允組)は、90周完走を果たした。

 5時間耐久レースではあったが、一度もセーフティカー、フルコースイエローが出されないという平和でオフィシャルに優しいレースだった。

ST-TCRクラスは#75 Team Noahのおとぎの国 CIVIC TCR(芳賀邦行/蘇武喜和/霜野誠友/和田慎吾組)がタイトルを確定。
ST-1クラスは#2 Ksフロンティア KTMカーズのシンティアム アップル KTM(飯田太陽/高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹組)がタイトルを確定
ST-2クラスは#7 シンリョウレーシングチームの新菱オート☆VARIS☆DXL☆EVO10(藤井芳樹/成澤正人/安斎景介/今井慎吾組)がタイトルを確定。
ST-3クラスは#39 TRACY SPORTS with DELTAのエアバスター Winmax RC350 TWS(冨林勇佑/大島和也/石井宏尚組)がタイトルを確定。

フォト/吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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