フォーミュラリージョナル第2大会で大草りき選手と古谷悠河選手のホットバトルが勃発!!ともに初優勝も達成!
2021年9月29日

フォーミュラリージョナル地方選手権(FRJ)の第2大会が「もてぎチャンピオンカップレース第4戦」と併せて、9月4〜5日にツインリンクもてぎで開催された。本来、第2大会はスポーツランドSUGOで開催されるはずだったが延期となり、第3大会からツインリンクもてぎが繰り上がって第2大会の舞台となった。
2021年フォーミュラリージョナル地方選手権 第2大会
(2021 もてぎチャンピオンカップレース第4戦内)
開催日:2021年9月4~5日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:株式会社モビリティランド、M.O.S.C.
猛暑続きだった8月から一転、9月になってからは降雨が続いて、時には肌寒さも感じるようになってきた。このレースウィークも土曜日まで、しとしとと雨が降り続いて、誰にも完全なドライコンディションでの練習走行を許さなかったほどだった。なお、今回のエントリーは10台。うちオーバーオールクラスはスポット参戦の大草りき選手を含め3人だけで、マスタークラスのドライバーの方が多くを占めていた。
第1大会に続き、決勝は3レース開催。予選は土曜日と日曜日に15分間の計測で、それぞれ1回ずつ行われ、土曜日の予選ではレース4のグリッドのみ決定し、日曜日の予選でベストタイムがレース5の、そしてセカンドベストタイムでレース6のグリッドを決することになっていた。なお、決勝はすべて17周で競われた。
土曜日、午前中のレース4予選は雨に見舞われ、全車ウェットタイヤを装着して走行。計測2周目から古谷悠河選手がトップにつけていたが、ファイナルラップに大草選手が逆転し、ポールポジション(PP)を獲得した。「走っていて、徐々に水しぶきが少なくなっていったので、序盤に行き過ぎないようにタイヤを温めていって、最後に行ければいいなって思っていてアタックしたので、ミスらなくて良かったです。狙ってはいたんですが、ちょっと焦っていました。古谷くんが速いので。しっかりと自分の中でプランを決めて、やっていたので成長した気がします」と大草選手はPP獲得を振り返った。
一方、古谷選手は「感触自体は悪くなかったので、最初から行き過ぎたのが良くなかったかもしれないですね」と2番手に甘んじた理由を分析していた。3番手は三浦愛選手が獲得し、4番手はマスタークラストップとなった植田正幸選手。畑享志選手、田中優暉選手が5番手、6番手で続き、「クルマもすごくいい感じで、エンジニアさん頑張ってくれました。でも後ろの畑さんと田中さんが速いので、決勝は油断できません」と植田選手は語っていた。


そして午後に開催されたレース4決勝は、雨こそ止んでいたが路面はまだ濡れたままで、予選に続いて全車ウェットタイヤでの走行となった。フォーメーションラップ中にスピンした車両があったため、改めてフォーメーションラップが行われるとともに、レースは1周減の16周とされた。
注目のスタートは、完全に大草選手が出遅れ、古谷選手のみならず、3番グリッドの三浦愛選手の先行も許す羽目に。一方、その後ろでは「前に突っかかってしまった」植田選手をかわし、畑選手が早くもクラストップに浮上していた。
1周目だけで後続に対して約2秒半も離した古谷選手は、そのままハイペースでの周回を重ねていき、5周目には5秒半のリードを確保。一方、大草選手は3周目の5コーナーで三浦愛選手をかわし、古谷選手を追った。
レース中盤に入り、大草選手のペースが古谷選手を上回るようになると差は徐々に縮まり、12周目には真後ろにまで迫った。いったんは抜きあぐねた大草選手だったが、14周目の3コーナーで前に出た後は、古谷選手を引き離していき、トップでフィニッシュ。
「明日からローリングスタートにしてほしいぐらいです(苦笑)。そのぐらい失敗しました。去年スポットで参戦した時も失敗していて、クセのあるクラッチで、クラッチミートが難しいのが分かっていたんですけど、本当にできませんでした。クルマ自体はまったく問題なかったので、前に追いつけて良かったです。見せ場も作れましたし(笑)」とFRJ初優勝の大草選手だったが、スタートの課題も語ってくれた。
マスタークラスは畑選手が、序盤こそ植田選手を背後に置いていたが、徐々に引き離していく展開となり、最後は7秒差の圧勝に。「雨はずっと速かったので自信を持って、ちょっと抑えながら走っていました。このカテゴリーでは初優勝です。SFライツでも雨の中、勝っているので、雨はなんかいいらしいです」と畑選手。3位は三浦勝選手だった。




日曜日になると天気は回復して路面はほぼ乾き、いよいよドライタイヤが装着できるようになった。午前中に行われた予選、ベストタイムで1番時計を叩き出したのは古谷選手。しかし、セカンドベストタイムでは大草選手の方が勝り、レース5とレース6のPPを分け合うこととなった。
「ピークはもっと前にあったんですが、前のクルマに詰まってしまいタイムが伸びなくて。なので、もっといいタイム出せたのかな、と思っています。昨日は天候の読みが外れて、序盤に内圧が上がりきって、本当に苦しいレースになったので、今日は2連勝できるように頑張ります」とレース5のPPを獲得した古谷選手。
そしてレース6でPPの大草選手は「初のドライのニュータイヤで、どれぐらいグリップするのか分からなくて、探り探りになってしまって。今週のドライはまだこんなものかな、と思っています。でも、レースは負けるわけにはいかないので、スタートさえ無難に決めれば、勝てると思います。自分の力を出し切るのみです」と力強く語っていた。また、マスタークラスでは第5戦のトップが田中選手で、第6戦のトップは三浦勝選手だった。



午後イチで開催されたレース5決勝は、ついに完全なドライコンディションに改まっていた。ここでも大草選手はスタートに出遅れ、三浦愛選手に再び先行を許すも、すぐ3コーナーでパス。トップの古谷選手は1秒2のリードを築いて1周目を終えるも、今度はそのまま逃がせてもらえず、2周目には大草選手がすぐ背後に。しかし、その直後に白煙を上げた車両がS字でストップ、2周にわたってセーフティカーが導入された。
リスタート後は三浦愛選手も含めて縦一列で並び、90度コーナーで大草選手は古谷選手をけん制するも、逆転するまでには至らず。次第に三浦愛選手は離れていったが、なおもふたりのバトルは続き、一触即発状態となっていく。だが、古谷選手もミスなく走り抜き、悲願の初優勝を挙げることとなった。
「やっと勝てました。本当に長かったです。スタートも決まりましたし、その後のペースも良かったですし。昨日のレースみたいに後半タレることもなかったので、本当に良かったと思います。素晴らしいクルマに仕上げてくれたチームに感謝しています」と古谷選手。
マスタークラスでは「スタートで前に出ました」と勝因を語ってくれた、三浦勝選手がトップに浮上。植田選手を徐々に引き離していって、こちらも初優勝を飾った。




レース6決勝は、再びドライコンディションでの戦いとなった。ここでの最大のポイントは、前2レースとも完全にスタートで出遅れていた大草選手が、PPから初めてホールショットを決めたことだ。しかし、古谷選手は少しも遅れることなく続き、いきなり激しくトップが競われる。背後から浴びる古谷選手のプレッシャーに、大草選手は少しも屈することなく17周を走り抜き、2勝目をマークした。
「やっとできました、普通のスタート。これで僕の目標達成です(笑)。普通のスタート切れれば、勝てるんだってことを見せられました。ワンメイクなんで、そんなにタイム差が生まれないので、ああいうレースになっちゃうのは仕方ないのと、自分のメンタルトレーニングになったな、っていうのをプラスにとらえようと思います。自分のミスにも気をつけました」と大草選手はいたって満足そう。
一方、「正直もう、大草選手が大きいミスをしてくれないと抜けないだろうな、と思っていたんですが、隙がありませんでしたね。でも、今週やっと1勝できたので、ちょっと肩の荷が下りたというか、リラックスして次戦に臨めそうです」とは古谷選手のコメント。ランキングでもトップに躍り出ることとなった。
マスタークラスでは追いすがろうとする田中選手を、じわじわと引き離していった三浦勝選手が2連勝。ランキングでもトップに立ち、「また勝てて良かったです。今回もスタートが決まりました。今年はフルでエントリーしているので、引き続き頑張っていきたいと思います」とにこやかに語っていた。



フォト/石原康 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部
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