参加14台の激戦区PN1クラスは、古田公保ロードスターが今季初勝利!
2021年10月28日

JAF近畿ジムカーナ選手権の今季2戦目となる大会が、約半年という長いインターバルを経て開催された。
2021年JAF近畿ジムカーナ選手権第6戦
2021年JMRC近畿ジムカーナチャンピオンシリーズ第6戦
2021年JMRC全国オールスター選抜第6戦
KSCCジムカーナin名阪
開催日: 2021年10月3日
開催場所: 名阪スポーツランドEコース(奈良県山添村)
主催: KSCC
2021年のJAF近畿ジムカーナ選手権は当初6戦が予定されていたが、第1戦がコロナ禍のため中止となり、4月4日の第2戦が事実上の開幕戦となった。しかし、その後もコロナ禍の影響で第3戦と第5戦が中止。そして最終戦として組まれていた今回の第6戦は、予定より1週間延期して、緊急事態宣言明けの10月3日に名阪スポーツランドEコースで開催された。実に開幕から半年を経てシリーズ第2戦目の大会が行われた形だ。
なお、第4戦は10月31日に延期となっており、これが事実上の最終戦となる。このため今年は全3戦の選手権となり、有効得点も3戦の合計となるので、シビアな争いが予想される。今回は日程が延期された関係から、開催場所も当初のCコースからEコースへと変更されており、久し振りのEコースとあってか、第1ヒートではミスコースする選手が続出した。
そんな中、今回の勝負所は270度ターンではなく、コントロールタワー前の外周から内周に入る所だったようだ。ここの縁石をうまく使うことで、大きくタイムに差が付くからだ。また前半区間の、裏ストレートから1コーナー側へ帰ってくる左コーナーもアウト側の縁石をうまく使うことでスピードに差が付く、とは元全日本チャンピオンの川脇一晃氏の見立てだった。




軽自動車勢の争いとなったBR1クラスは、第1ヒートでコースを間違えかけた廣瀬成章選手が第2ヒートで逆転優勝を飾った。「Eコースはコペンのミッションに合わないコースなんですが、タガを外して勢いでコーナーを攻め切れたのが良かったです(笑)」と廣瀬選手。逆転された川那辺学選手は「目いっぱい走ったし、実力です」とさばさばした表情で振り返っていた。




BR3クラスは間瀬戸勇樹選手が、両ヒートともベストタイムで2連勝。「1本目にミスした所を、集中してラインを修正したら、良い感じで回れました。細かい所もうまく詰められました」と快心の走りだったようで、次戦は3連勝そしてチャンピオンを狙う構えだ。BR4クラスは今回からタイヤを変えたという北村健選手が、「2本目の方が速く走れたと思ったのですが、タイムは落ちたので何で?って感じです」と戸惑いながらも優勝。2位に敗れた森橋和也選手は、約コンマ2秒差という結果に、「全力で走った結果ですが、悔しい。次はアクセル踏むだけです」と新たな闘志を燃やしていた。




L(レディース)クラスは第1ヒートで7台中5台がミスコースという異例の事態が勃発。しかし仕切り直しの勝負となった第2ヒートでは、“女王”辰己知佳選手に死角はなかったようで、「第1ヒートは脱輪したので、そこでハマらないように大回りしたんですが、完走したら勝てました」と今回も優勝。2位に入った平野信子選手も、「久し振りの2位なので良かったです」と喜んでいた。


14台のロードスターで争われたPN1クラスは、第1ヒートで前戦2位の古田公保選手が前戦ウイナーの小野圭一選手を抑えてベストタイムを叩き出す。第2ヒートはさらにタイムアップして、最終走者の小野選手の走りを待ったが、小野選手は「1本目は行き過ぎていたので、2本目は抑え過ぎました」とタイムダウン。この結果、古田選手が優勝となり、小野選手と同ポイントで最終戦、一騎打ちの勝負となった。


PN2クラスは第1ヒートで武田あきひと選手がベストタイムを奪ったが、“逆転の山本”の異名を持つ山本貴嗣選手がやはり逆転を飾って優勝。「この前の中部の地区戦では新品タイヤを投入せずに負けたので、今回は2本目に新品タイヤを使ったのが勝因です」とひとこと。敗れた武田選手は「ターンで引っかかってしまって…。未熟です」と無念の表情を見せた。


PN3クラスは「前回ファイナルギヤを低くしたらエンジンが吹かなくて負けてしまったので、今回は戻してきました」という陰地哲雄選手がリベンジの優勝。「今年出られる最後のジムカーナだったので勝てて終われて良かったです」と締め括りの勝利を喜んだ。PN4クラスでは、田北一賀選手が絶対王者の小玉知司選手を破る金星をあげ、「前回は0.3秒差だったので、勝負できるかもしれないとは思ってましたが、今日は1本目でミスした所を集中して走れたので勝てたと思います。次回も絶対勝ちたいです」と、意欲を見せていた。




SB3クラスは、第1ヒートのパイロンタッチからリカバリーした前田忍選手が優勝したが、「半年ぶりの地元で気負うところなく走れて、気持ち良かったです。ファイナルギヤを変えて速くなったけど、2PDクラスの織田選手にタイムで負けたのは悔しいですね」と反省の弁。「4輪をロックさせたのが…」と悔やんだ野田太一選手が2位に続いた。


SB4クラスは絶対王者の辰己浩之選手が君臨しているが、大波乱が。第2ヒートをトップで走り終えた辰己選手だったが、前走車のトラブルで再出走となった最終走者の石田忠義選手にまさかの逆転を許した。「実際は3本目の走行となったので、タイヤがタレてだめだろうと思った分、逆に冷静に走れました。タイヤの限界が良く分かり、ギリギリの所を使えました。次戦に向けて凄く勉強になった一戦でした」とは石田選手。次回は辰己選手も気合いが入るはず。熱いバトルが期待できそうだ。







フォト&レポート/山口貴利
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