モーターランド野沢を舞台とするダートトライアルシリーズが最終戦決戦で白熱!
2021年10月29日

長野県のモーターランド野沢を舞台とする長野県ダートトライアルチャンピオンシリーズが10月3日、最終戦を迎え、各クラスでチャンピオンが決定した。
2021長野県ダートトライアルチャンピオンシリーズ第5戦
野沢ダートトライアル
開催日: 2021年10月3日
開催場所: モーターランド野沢(長野県野沢温泉村)
主催: RTはと車
長野県の野沢温泉村にあるモーターランド野沢を舞台とする2021長野県ダートトライアルチャンピオンシリーズは、5月16日に今年の開幕戦を迎えた。その後、約1か月のインターバルを挟んで第2戦、第3戦が行われたが、9月19日に開催予定だった第4戦は、8月に長野県に新型コロナウィルス特別警報が出されたことから、オーガナイザーは中止を決断。しかし今回の最終戦は当初の予定通り、10月3日に無事、開催された。昨年は全戦、開催が見送られた一年となったため、今年は2年ぶりにシリーズが計4戦により、成立した。
モーターランド野沢は栃木の丸和オートランド那須と並ぶ、関東を代表するダートトライアルコース。複数の車両が同時に競うオートクロスの国内唯一の公認コースということもあって、コース幅が広いのが特徴だ。山の斜面を利用して作られたコースであるため、高低差もあり、スリリングなコースとなっている。オートクロスは数年前まで開催されていただけに、復活を期待したいところだ。



クラス1は、第1ヒートでフィットを駆る望月善雄選手がただ一人、1分33秒台にタイムを乗せ、トップに立つ。しかし第2ヒートに入るとスイフトの大野栄治選手が1分32秒71をマークして逆転。続く望月選手は再逆転を狙うも、0.08秒届かない。これで勝負あったかと思われたが、最終走者の櫻井章博選手が32秒台をギリギリで突破する1分31秒99をマーク。第1ヒートの3番手から見事な打っちゃりを見せた。
望月選手と同じくフィットをドライブする櫻井選手は、「2本目は望月選手と同じタイヤで勝負しようと思ってドライタイヤで行きましたけど、内周はキツかったので、何とか、タイム上がってくれ、と祈りながら走りました。これ以上の走りはできない、というくらい踏んだので、報われて良かったです」とチャンピオンも決めた一戦を振り返った。今回の勝負所については、「1本目は内周の最後の上りのクランクの入り方をミスって、その後、失速させてしまったので2本目は修正しました。お陰で何とかドライタイヤでもしっかりトラクションをかけて上れたと思います」とひとこと。やはり上り勾配をいかに速度を維持したまま走れるか、が野沢攻略法のポイントのようだ。





一方、クラス2は17台が参加と激戦区となった。注目は小山健一選手がスポット参戦してきた。全日本チャンピオン経験者でもあるFFスペシャリストとして、その走りは関東はもちろん全国のFFドライバーからいつも熱い注目を集めるトップドライバーだ。今年は地区戦をメインに活動しているが、参戦の理由を聞くと、「前回のここの地区戦でミスコースしてしまったので、もう一度しっかりコースを覚えに来ました(笑)」と冗談めかして話してくれた。今季の関東地区戦は今回の大会の後、野沢が2戦続いてシリーズが終わるため、きっちりと最後を勝ち切りたい想いがあるようだ。
しかしその小山選手に第1ヒートで2秒近い差をつけるトップタイムを奪ったのは、ラストゼッケンの“野沢スペシャリスト”、飯田清明選手だった。飯田選手のシビックはインテグラのエンジンを積むSC車両という、このクラスでは破格のスペックを持つ一台だが、そのシビックが叩き出した圧巻のタイムに会場は大きくどよめく。だが第2ヒートでは、小山選手が意地を見せ、飯田選手と同じ1分29秒台にタイムを乗せて首位を奪回。これに対して、注目の飯田選手は1分28秒57までタイムを詰めて再逆転。3連勝でチャンピオンも決めてシリーズを締め括った。
第2ヒートでは地区戦での走行を想定してドライタイヤを選択した小山選手に対して、飯田選手はウェットタイヤで走った。「タイムを上げられたのは路面のお陰です。ラインの上は掃けていたので、しっかりそこを外さずに踏んで行けば上げられると思っていました。やっぱり2本目もウェットの路面だったと思います。小山さんと同じタイヤで走りたかったんですが、履き替える時間がなかったのでウェットのまま行きました。小山さんがウェットを履いていたら、自分は勝てなかったでしょうね」と、飯田選手は最後まで盛り上がった異次元バトルを振り返った。





過去3戦すべてウィナーが入れ替わる激戦が続いているクラス3は、第2戦のウィナーであるSam Iijima選手が2本ともベストを奪う走りで盤石の2勝目をあげ、シリーズチャンピオンも決めた。昨年、仕事の関係で赴任していた米国から帰国し、今年から本格的に活動を再開したIijima選手は野沢でキャリアを磨いた一人。今年はかつて活躍していた関東地区戦でも完全復活を告げる優勝をさらうなど、長いブランクを埋め合わす走りを見せている。
「今日は、色んなところにタイムを置いてきましたが(笑)、ギリギリ破綻せずに走れたという感じですね。やっぱり内周の上りがポイントだったと思いますが、そこはしっかり前にクルマを進ませる大人の走り(笑)ができたと思います。長野県戦のチャンピオンは十何年振りだと思いますが、ここは毎回違うコースになるので、いつ走っても本当に楽しいです」とIijima選手。走り込んだホームコースの感触も、しっかりと取り戻した様子だった。






フォト&レポート/JAFスポーツ編集部
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