すべてのクラスで今シーズンのタイトル確定、JG6クラスはユウ選手が逆転チャンピオン!

レポート ジムカーナ

2021年11月2日

4月から延期となっていた全日本ジムカーナ選手権第2戦「オールジャパンジムカーナ イン エビス」が、11月23~24日に福島県二本松市のエビスサーキット西コースを舞台に開催された。

2021年JAF全日本ジムカーナ選手権第2戦「オールジャパンジムカーナ イン エビス」
開催日:2021年10月23~24日
開催場所:エビスサーキット西コース(福島県二本松市)
主催:奥州VICIC

 昨年は新型コロナウイルス感染拡大のために中止となったこの大会、2021年は当初の予定では4月17~18日に開催する予定だったが、2月13日に福島県沖で発生した地震の影響により、サーキット内に大規模な土砂崩れが発生。複数のコースと周辺の設備に甚大な被害を受けたために4月の開催を断念し、10月に延期して開催されることとなった。今シーズン最後のラウンドとなるため、この第2戦が実質的な最終戦となる。

 これまでに、JG1、JG2、JG3、JG4、JG7、JG10クラスでタイトルが確定となり、このラウンドまでチャンピオン争いが持ち越しとなったのは、JG5、JG6、JG8の3クラスとなっている。

 復旧したエビスサーキット西コースには、前半に高低差のあるパイロンセクションと540度ターンなど6か所のターンセクションを設定。サーキットコースの2本のストレートをショートカットで繋いだ後半セクションには、2か所のターンセクションを配置し、さまざまなパイロンターンが織り成すテクニカルなコースとして設定された。

 路面コンディションはドライ。午前中の気温は10~15度程度だったが、午後には18度付近まで上がり、路面温度も30度付近まで上昇。両ヒートとも、0.1秒を争う好バトルが展開された。

被災により全面復旧には時間を要するとアナウンスされた西コースだが、サーキット職員の尽力により今回の10月開催に間に合った。高低差のあるテクニカルなレイアウトとなっているのが特徴だ。

 野島孝宏選手、天満清選手、松本敏選手、ユウ選手、西野洋平選手という5人のチャンピオン経験者によるタイトル争いとなったJG6クラス。第1ヒートは野島選手がトップタイムをマークし、0.153秒差で西野選手、さらに0.154秒差で天満選手、0.115秒差で松本選手と、チャンピオン候補者たちがそれぞれ約0.1秒差で並ぶという緊迫した争いとなる。

 第2ヒートに入ると、西野選手がしっかりとベストタイムを更新してくる。そこに第1ヒートでパイロンタッチのために幻のベストタイムに終わったユウ選手が、西野選手を約0.9秒引き離す走りを披露。第1ヒートトップの野島選手は約0.8秒届かず2位に終わり、有効ポイント戦数の5戦には1戦足りないながらも、4戦4勝を挙げたユウ選手がシリーズ逆転チャンピオンを確定させた。

JG6クラス優勝はユウ選手(BSitzzNTLロードスター)。
JG6クラスの表彰式。左から4位の天満清選手、2位の野島孝宏選手、1位のユウ選手、3位の西野洋平選手、5位の松本敏選手、6位の佐藤宏明選手。またユウ選手がチャンピオンを確定させた。

 チャンピオン候補が川北忠選手と小林キュウテン選手に絞られたJG8クラスは、箕輪雄介選手が両ヒートを制する鉄壁の走りで今季3勝目を獲得。第1ヒートはパイロンタッチに泣いた米澤匠選手と斉藤邦夫選手が、それぞれ第2ヒートでタイムアップを果たし、米澤選手が2位、斉藤選手が3位に入賞した。

 注目のチャンピオン争いは、小林選手が第2ヒートでパイロンタッチとなり7位に。その瞬間をスタートの直前に見た川北選手が「少し集中力に欠け、最後のパイロンセクションで失敗しましたが、第1ヒートからジリジリとした戦いを楽しむことができました」と、2016年以来5年ぶりに全日本チャンピオンを確定させた。

JG8クラス優勝は箕輪雄介選手(YHペトロナスEロードスター)。
JG8クラスの表彰式。左から4位の一色健太郎選手、2位の米澤匠選手、1位の箕輪選手、3位の斉藤邦夫選手、5位の川北忠選手、6位のSHUN選手。また川北選手がチャンピオンを確定させた。

 ベテランの茅野成樹選手と若手の奥井優介選手がチャンピオンを争うJG5クラスは、第1ヒートで茅野選手がベストタイムをマークするものの、奥井選手も茅野選手に0.067秒差の僅差に付ける。第2ヒートは、クラス先頭ゼッケンの朝山崇選手がベストタイムを更新してくる中、後続はパイロンタッチが続出。

 タイトル争いの渦中にある茅野選手と奥井選手もパイロンタッチの餌食となり、朝山選手が今季初優勝を獲得した。シリーズチャンピオンは、第1ヒートのタイムで2位に入賞した茅野選手に確定となった。

JG5クラス優勝は朝山崇選手(DLBPF速心RSKヤリスLF)。
JG5クラスの表彰式。左から4位の上本昌彦選手、2位の茅野成樹選手、1位の朝山選手、3位の奥井優介選手、5位の石原昌行選手。また茅野選手がチャンピオンを確定させた。

 織田拓也選手が自身初となる全日本チャンピオンをすでに確定させたJG10クラスは、その織田選手が第1ヒートでマークしたタイムで優勝。今シーズンは7戦中6勝という圧倒的な強さを発揮した。

JG10クラス優勝は織田拓也選手(リジットDLレイズeTスイフト)。
JG10クラスの表彰式。左から4位の木村文哉選手、2位の角岡隆志選手、1位の織田選手、3位の砂田光恵選手。

 山野哲也選手が21回目の全日本チャンピオンをすでに確定させているJG7クラスは、第2ヒートで山野選手と今季2勝を挙げている小俣洋平選手が、0.001秒を争う激戦を展開。

「124スパイダーで走るのは今季限り。最終戦で最高の戦いができました」という山野選手が、小俣選手に0.003秒差という僅差でかわし、有終の美を飾った。

JG7クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY 12D 124)。
JG7クラスの表彰式。左から稲木亨選手、2位の小俣洋平選手、1位の山野選手、3位の河本晃一選手、5位の大橋政哉選手、6位の工藤典史選手。

 橋本克紀選手が第1ヒートのトップタイムを奪ったJG4クラスは、その橋本選手が第2ヒートでもベストタイムを縮めてくるものの、第1ヒートをパイロンタッチで終えた小武拓矢選手が橋本選手を約0.5秒以上引き離す走りで逆転優勝。今季5勝目を飾った。

JG4クラス優勝は小武拓矢選手(シンシアYHワコーズCRX艶々)。
JG4クラスの表彰式。左から4位の富田悟選手、2位の橋本克紀選手、1位の小武選手、3位の安井洋介選手、5位の安木美徳選手、6位の坂中真一郎選手。

 JG3クラスは、第1ヒートで山本太郎選手がベストタイムをマークするものの、第2ヒートはすでに今シーズンのタイトルを決めている若林拳人選手がベストタイムを更新し、逆転優勝。今季5勝目を獲得した。2位に佐野光之選手、3位には第2ヒートでパイロンタッチに泣いた山本選手が入賞した。

JG3クラス優勝は若林拳人選手(YH若林自ITO速心インテグラ)。
JG3クラスの表彰式。左から4位の石澤一哉選手、2位の佐野光之選手、1位の若林選手、3位の山本太郎選手、5位の西井将宏選手。

 JG2クラスは、第1ヒートで渡辺公選手がトップタイムを刻み、さらに第2ヒートでもベストタイムを約0.3秒縮めてくるものの、第1ヒートはWエントリーのドライバーのトラブルによりスタートできなかった広瀬献選手が渡辺選手のタイムを約0.4秒上回り逆転。今季5勝目を獲得した。

JG2クラス優勝は広瀬献選手(マロヤトレーラーS二千亜舎YH)。
JG2クラスの表彰式。左から4位の野原博司選手、2位の渡辺公選手、1位の広瀬選手、3位の久保田尊治選手、6位の藤井雅裕選手。5位は久保真吾選手。

 JG1クラスは、第1ヒートでトーヨータイヤを装着する野中信宏選手がトップタイムをマーク。第2ヒートは、高橋和浩選手が1分を切る59秒988のタイムをマークしてくる中、菱井将文選手が高橋選手のタイムをさらに1秒更新。すでにタイトルが確定している津川信次選手は1分00秒台のタイムに終わり、菱井選手が今季2勝目を獲得した。

JG1クラス優勝は菱井将文選手(BS・レイズクスコランサー)。
JG1クラスの表彰式。左から4位の野中信宏選手、2位の髙橋和浩選手、1位の菱井選手(代理)、3位の津川信次選手、5位の佐藤英樹選手。
箱Dクラス優勝は大井貴之選手(YSSK1箱DSPサニー)。
箱Dクラスの表彰式。左から2位の川脇一晃選手(代理)、1位の大井選手、3位の山梨俊二選手。

フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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