ARTA NSX-GTが今季初優勝、そして31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは5年ぶりの優勝
2021年11月1日
10月23~24日、スーパーGT第6戦がオートポリスにて開催され、GT500クラスは予選4番手の8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)が独走で今季初優勝。GT300クラスは31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴組)が、こちらも独走で5年ぶりの優勝を飾った。
2021 SUPER GT Round6 AUTOPOLIS GT 300km RACE
開催日:2021年10月23~24日
開催地:オートポリス(大分県日田市)
主催:株式会社GTアソシエイション、APC、株式会社オートポリス
前戦のSUGO同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で昨年大会が開催されなかったオートポリスに、スーパーGTが2年ぶりに帰って来た。九州を中心とした熱心なファンは予選日の前日からゲート前に行列をつくり、予選日6,500人、決勝日1万300人がサーキットに集まった。
好天のもと行われた22日の公式予選でポールポジションを獲得したのは、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組)の笹原選手。Q1では大湯選手が1分31秒389のコースレコードをマークした。これに14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)、64号車Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組)、8号車NSX、23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が続いた。
GT300クラスでは31号車プリウスがチームとして5年ぶり、嵯峨選手本人は6年ぶりのポールを獲得。これにポイントリーダーの61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)が続いた。
決勝日の24日は曇天。気温14度、路面温度19度の13時36分に65周300kmのレースがスタートした。オープニングラップの日立Astemoコーナーで、14号車スープラの山下選手が16号車NSXの大湯選手のインを突いてトップを奪う。しかし14号車スープラを含めたスープラ3台は今回規定を超えた3基目のエンジンに換装しており、レース序盤に5秒間のピットストップが科せられることになっており、大湯選手は無理をせず2番手をキープした。
3台のスープラがペナルティストップを受けた直後の9周目に第2ヘアピン手前で1台のGT300車両がクラッシュ。フルコースイエロー(FCY)からセーフティカー(SC)導入となった。隊列を整えた後、16周完了でリスタート。
しかし18周目の2コーナー先でトップを走る16号車NSXの右リアホイールが脱落し、スローダウン&ストップ。これで64号車NSXの伊沢選手がトップに立った。さらに19周目の3コーナーで2台のGT300車両が接触し、1台がクラッシュしたことで2回目のSC導入。レースは序盤から荒れるレース展開となった。
24周完了でリスタート。ここで5台の車両がルーティンピットイン。トップの64号車NSXは29周でピットイン。作業を終えてコースに戻るが、先にピット作業を済ませてタイヤが暖まっている8号車NSXの野尻選手が1コーナーで逆転してトップに立った。しばらくこの2台は僅差で周回を重ねていたが、39周あたりから64号車のペースが鈍り、8号車NSXが独走状態となった。
64号車NSXの大津選手はペースダウンして3番手争いのグループに追いつかれ、54周目には一気に6番手までポジションダウン。これで2番手は39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組)の中山選手となり、23号車GT-Rの松田選手、13番手スタートだった1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)の山本選手、序盤にペナルティストップを受けた38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)の石浦選手が続いた。
38号車スープラの石浦選手は54周目に2台をかわし、翌周の1コーナーで39号車スープラも抜き去り2番手へ。58周目の第2ヘアピンでは23号車GT-Rが3番手に順位を上げた。さらにファイナルラップでは最後尾スタートだった3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組)が4位に順位を上げてチェッカー。
8号車NSXは前戦SUGOでトップを走行中にペナルティやピットワークのミスで優勝を逃していたが、今回ようやく今季初勝利を得た。2位は38号車スープラ、3位は23号車GT-Rと、3メーカーが表彰台を分ける結果となった。
GT300クラスは終始31号車プリウスの中山選手がレースをリード。ルーティンピットでは5番手スタートの96号車K-tune RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)の阪口選手が2番手に一気に順位を上げることに成功した。3番手となった61号車BRZの山内選手に52号車スープラの吉田選手が迫り、激しい表彰台争いを繰り広げる。
終盤にはさらに11号車GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)の平中選手が追いついたが、チェッカーまで順位が変わることはなかった。31号車プリウスの嵯峨選手は独走で5年ぶりの優勝。3位ゴールの61号車BRZはポイントリーダーの座を守った。
フォト/遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部