山梨のショッピングモールで、オートテスト開催!

レポート オートテスト

2021年11月9日

山梨県甲斐市にある大型ショッピングモール、LAZA WALK(ラザウォーク)で、オートテストが開催された。

2021 オートテストin甲斐双葉
開催日: 2021年10月10日
開催場所: ラザウォーク甲斐双葉店特設会場(山梨県甲斐市)
主催: HORMS

 山梨県では昨年、今回の主催者であるHORMSが山梨初のオートテストを開催したが、今年は会場を変えて再びオートテストを開催した。新たな会場となったのは国道20号双葉バイパスに沿って立つショッピングモールであるラザウォーク甲斐双葉。オートテストは屋上の駐車場にコースを設定して行われた。

 レイアウトはスタート後、スラロームをこなした後に、まず前進で進入するラインまたぎをクリア。そこからバックでガレージに進入した後、大きく右に回るターンの後にタイトなスラロームをクリアしてゴールという設定。ラインまたぎ、ガレージというオートテストの主要なセクションに挑みつつ、ジムカーナ的な走行も味わえるチャレンジングなコースとなった。

 天候は朝のうちは少し日差しがあったが、全般的に曇りの一日となった。ただ一日を通して降雨はなく、路面は練習走行から第2ヒートまで計3本のトライの間は終日ドライが保たれた。競技は走行タイムを小数点以下3桁まで計測してそのままポイントに換算し、決勝の2ヒートの内、ペナルティを含めたポイントが少なかった方のタイムで順位を競うという形が採られた。クラスはAT車、MT車ともにビギナー/レギュラーの2クラスを設定。さらにL(レディス)クラスが設定され、計5クラスで競われた。

会場となったのは山梨県甲斐市にあるショッピングモール、ラザウォーク甲斐双葉。屋上の駐車場にコースが設定された。
新型コロナウイルス感染症拡大も収束の動きが見え始めたとは言え、万全な感染防止対策が採られた。
当日のコース図。ラインまたぎやガレージ等のセクションについての走行に関しては、詳細な解説が付け加えられた。

 4台が出走したATビギナークラスは、第1ヒートで宇夫方革選手がライバル選手に大差をつけるベストポイントをマーク。第2ヒートでさらなるベストポイントを狙った宇夫方選手だったが、ガレージでバックギアに入らずロス。しかし第1ヒートのベストポイントで逃げ切って優勝を果たした。

ATビギナークラスは、2ヒートとも最速のタイムで走り切った宇夫方革選手が優勝した。
ATビギナークラスの宇夫方革選手は今回がオートテスト初参加ながら、見事なデビューウィンを飾った。「若い頃からモータースポーツは好きで、自分でもやってみたいと思っていたんですが機会がなくて。この歳になって、“一度、モータースポーツの世界を覗いてみようか”ということで参加しました。やはり自分の運転技術がどれくらいのものかを、思い切り走れる場所で試したかったんですよね。でも今回の大会で1番最初の出走だったので、最初はどれくらいで走ったらいいか分からなくて(笑)。練習走行は7~8割、1本目と2本目は9割くらいで走れたと思います。走り終えてみると、やっぱり皆さん、うまいな、上には上がいるもんだなと感じました。機会があればまた出たいですけど、カミさんのクルマなので、自分がのめり込んでしまうのが怖いです(笑)。サーキットもいつかは走りたいですね」。
ATビギナークラス表彰の各選手。

 11台が参加したATレギュラークラスでは、ゴルフの富田啓介選手が、第1ヒートをトップで折り返すが、カローラの米山陽選手が0.25秒差で2位につけるという接戦となる。注目の第2ヒートでは、先に走った富田選手は痛恨のパイロンタッチを取られてポイントを詰めることはできず。対する米山選手は0.7秒ほど、自らのポイント短縮に成功。見事な逆転勝ちを収めた。

ATレギュラークラスでは、第2ヒートでベストタイム奪取の米山陽選手が逆転で優勝。
ATレギュラークラスは昭和57年式のカローラをドライブした米山選手が制した。「昨年の山梨の大会がオートテスト初参加で、ATビギナークラスで2位でした。モータースポーツは大学の自動車部でちょっとジムカーナをやった程度で競技には出てないです。今日は最初のスラロームとバックの処理が難しかったですね。パワーのないクルマなので(笑)、車速を殺さないように走ったのが良かったと思います。総じて難しかったけど、楽しかった。改めて、“オートテストって、いいなぁ”と思いました。また地元でやってくれるなら、出たいですね」。
ATレギュラークラス表彰の各選手。

 ATレギュラークラスと同じく11台によるバトルとなったMTビギナークラスは、練習走行でも好タイを叩き出していたルノー・トゥインゴの三浦秀男選手が第1ヒートで首位に立つ。第2ヒートでは第1ヒートの自らのポイントを0.7ほどさらに詰めてライバル選手を寄せ付けず、快勝を飾った。

MTビギナークラスは第2ヒートでもしっかりとタイムを詰めた三浦秀男選手が優勝。
MTビギナークラスで優勝の三浦選手はこれまで愛車のジムニーでオートテストに何回か出場歴がある。「勝因はクルマを変えたことですね(笑)。格安の値段で買った遊びグルマです。ただまだ乗り慣れていないので特にバックが難しかった。普段、あんな走り方しませんからね(笑)。ただタイムについては、MTレギュラークラスの方々と比べるとかなり遅いので、何とも言えない、というところです。練習する場所ないけど、練習したいです(笑)。でも楽しいのでオートテストはこれからも出続けたいですね」。
MTビギナークラス表彰の各選手。

 出走27台と、今回、断トツの激戦区となったMTレギュラークラスは予想通り、僅差のバトルが展開され、盛り上がった。第1ヒートのトップはロードスターで参戦の日紫喜俊夫選手。オートテストの国内導入時から参戦を続けてきた実力派の一人だ。2位にエッセの加藤正夫選手が続き、ゴールタイムでは3位に篠原賢爾選手がつけたと思われたが、パイロンペナルティを取られて大きく順位を落とす。

 しかしこの3人は練習走行でもライバル選手から頭ひとつ抜け出たタイムをマーク。しかもまったく同じオーダーで練習走行を終えていたため、第2ヒートでは三つ巴のバトルになると思われた。そして注目の第2ヒート。3人の中で一番最初に走った日紫喜選手はタイムダウンに終わるが、加藤選手も自らの第1ヒートのタイムは更新するも逆転は果たせず。篠原選手もトップ2を凌ぐタイムは残せず、練習走行と同じく、日紫喜、加藤、篠原のオーダーで競技は終了。日紫喜選手が優勝をさらった。

予想通りの接戦となったMTレギュラークラスではヒート1でベストタイムをマークした日紫喜俊夫選手がそのまま逃げ切った。
MTレギュラークラスは、すでに100戦以上のオートテスト参戦歴を誇る“ベテラン”日紫喜俊夫選手が優勝。「クルマは元々は運転免許取り立ての息子の練習用に中古で買ったクルマなんですが、本番用によく使わせてもらっています(笑)。オートテストに沢山、参加していると、例えばガレージの前にラインを規制するパイロンを置いたりとか、最近は難しい設定も増えている気もしますが、今日は比較的オーソドックスな設定だったと思います。オートテストはやはりバックギアでの走りがポイントだと思うので、自分はそこでタイムを稼いでいるのかもしれません。感覚が合うと速くバックできますが、でも、それがズレるとダメな時もありますね。今後もできる限り、オートテストは参加したいと思います」
MTレギュラークラス表彰の各選手。

 6台で競われたLクラスは、練習走行でもトップだった尾林明子選手が、決勝でも走る度にタイムアップを遂げて、3本ともトップを堅守。白熱した2位争いは、ミゼットⅡで参戦した蓬茨夕美選手が、古賀亜希子選手のアクセラを0.012ポイントという超僅差で振り切った。

Lクラスは、尾林明子選手が頭ひとつ抜きん出た速さを見せて優勝。
Lクラスは、ジムカーナに参加しているダンナさんとダブルエントリーした尾林選手が優勝。「オートテストは国内で始まった当初から出ていて、今まで10回以上は参加していると思います。やっぱり自分のクルマを普段とは違う走らせ方ができるのがオートテストの魅力ですね。今日も街乗りではやらないような、思い切りハンドルを切るような所があって楽しかったですけど、体がちょっと痛くなりました(笑)。夫がジムカーナに出る時はよく同行しているのでジムカーナの世界も知っていますが、そういう競技の要素も強いコースだったと思います。バックギアを使うというのはオートテストならではですが、今日は割と素直な設定で助かりました(笑)」。
Lクラス表彰の各選手。

フォト/友田宏之 レポート/JAFスポーツ編集部

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