秋晴れの岩手・一関市で今シーズン2回目のオートテスト開催! 今回は「JAF WOMEN IN MOTORSPORT共催」でにぎやかに!!

レポート オートテスト

2021年11月8日

鮮やかに紅葉した山々を背景にして、岩手県一関市で今季2回目のオートテストが開催された。今大会では「JAF WOMEN IN MOTORSPORT共催」で女性限定クラスが設定され、当日エントリーを合わせた57名の参加者がちょっと長めのコース攻略にチャレンジした。

2021年JAFオートテストチャレンジ in 岩手・一関
開催日:2021年11月3日(祝)
開催地:一関市総合体育館・ユードーム(岩手県一関市)
主催:ブレストモータースポーツ

 11月3日(祝)、岩手県一関(いちのせき)市にある一関市総合体育館・ユードームにて「2021年JAFオートテストチャレンジ in 岩手・一関」が開催された。この大会は岩手県奥州市のブレストモータースポーツが主催するクローズド競技会で、「文化の日」の祝日にユードームに隣接する一関水泳プール駐車場で行われた。

 東北地区におけるオートテストは、宮城県のスポーツランドSUGOではサーキット入口にある駐車場「Mパーク」でシリーズ戦が開催されており、それ以外にもJMRC東北の協力の元、東北各県でのスポット開催も盛んに行われている。この一関市では5月にも同じ会場で開催されており、大型商業施設も隣接している好立地でもある。そのため、ユードームにおけるオートテストは、初心者にも親しみやすい大会であると言えるだろう。

 今大会は参加者が各自の愛車で走るイベントで、車両特性と経験値によって6クラスを設定。オートマ車を対象としたATクラスとマニュアル車のMTクラス、女性限定のウィメンクラスが用意された。今回は女性のモータースポーツ活動を推進するJAF WOMEN IN MOTORSPORTとのコラボレーションイベントでもあるため、女性限定クラスは参加費の半額割引が行われ、女性限定のホスピタリティエリアも完備されていた。

 そして、各クラスをモータースポーツ経験者を「A」、モータースポーツ参加経験の少ない初心者を「B」と分割。当日受け付けの体験クラスも設定されており、事前受け付けでは46名のエントリーを集め、当日受付を含めて57名の出走となった。木々も色づき始めた秋晴れの会場では、久々の再会を確認し合う和気あいあいとした雰囲気が流れていた。

 開会式では、JAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会の飯田裕子座長を始め、福島佳苗委員、レーシングドライバーの三浦愛委員が参加者の前で挨拶。続くドライバーズミーティングではフラッグやルールの説明が丁寧に行われ、続く慣熟歩行では、経験の少ない初心者のためにインストラクター同行による走行説明も行われていた。

 今回のコースレイアウトは、スタート直後に3本パイロンのスラローム、4本パイロンの島回りに6本パイロンの島回りセクションが続く。その後は2本パイロンに前進で入るラインまたぎ、そこから左後方に後退するガレージが連続し、直進でガレージから出庫してフィニッシュラインで停止するという構成となった。会場は広めのスペースが確保できていたため、オートテストとしてはやや長めのコースレイアウトが採用されていた。

 今大会では午前中に1本、午後に1本(合計2本)の走行となり、第1ヒートから気の抜けない状況となった。会場は晴天に恵まれて気温も高かったが、普段は駐車場として使われる場所だけに、舗装の目地には細かな砂も多くグリップレベルは未知数だ。さらに、タイヤのブラックマーク付着やスキール音を抑制するため、島回り周辺には散水が行われていたこともあり、第1ヒートは慣熟走行状態で、勝負は第2ヒートという図式になった。

 AT-Aクラスは接戦が展開された。第1ヒート首位の小野寺大輔選手を始め、佐藤孝志選手や國寄隆祐選手、金持一成選手までが第2ヒートでは同ポイントで並んだが、第1ヒートで大量ペナルティを喫した五十嵐靖智選手が1点差の大逆転優勝を果たした。AT-Bクラスは第1ヒートで快走した佐々木洋一選手が第2ヒートも後続を引き離して完全勝利した。

 MT-Aクラスは、第1ヒートで最小ポイントを獲得した村上清賢選手が第2ヒートも好走。後続を大きく引き離しつつ、自己の獲得ポイントも更新して、今大会の最小ポイント獲得でオーバーオール優勝を果たした。今大会最多の20台が出走したMT-Bクラスでは、第1ヒート首位の佐藤政也選手が、第2ヒートでも最小得点を更新する勢いを見せたがまさかのペナルティ。そして、第1ヒートで大量ペナルティをもらってしまった橋場渉選手は、第2ヒートで佐藤選手を上回る走りを見せて同点に並んだが、第1ヒートの大量減点に泣いて2位に留まり、佐藤選手が第1ヒートの獲得ポイントで逃げ切って優勝した。

 2台参加のウィメン-Aクラスは、吉川直美選手と熊谷香選手の戦い。熊谷選手は第1ヒートから好走して、第2ヒートも獲得ポイントを更新する勢いを見せたもののペナルティに泣き、熊谷選手が第1ヒートのポイントで優勝した。

 こちらも2台参加のウィメン-Bクラスは大接戦となった。第1ヒートでは岩渕佐保里選手がミスコースを喫し、佐々木美幸選手がトップで折り返したものの、第2ヒートの走行タイムは佐々木選手が1分3秒518、岩渕選手は1分3秒964でコンマ差となり、共に獲得ポイントは63点で並んだ。しかし、第1ヒートのミスコースが響いて岩渕選手は敗退。佐々木選手が優勝となった。

会場は、岩手県一関市にある一関市総合体育館「ユードーム」に内包する一関水泳プール駐車場。同所では今季2回目の開催だ。
会場にはマスク着用や手指消毒などの注意喚起がなされ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を徹底して行われた。
開会式ではブレストモータースポーツの岩渕幸弘競技長や、審査委員長として訪れたJMRC東北の小野守平運営委員長らが挨拶。ブリーフィングでは信号旗の説明などが行われた。
慣熟歩行はモータースポーツ経験の少ない初心者のために、インストラクターが同行して走り方を指導するサポートもあった。
走行コースは、パイロンスラロームや大小の島回り、ラインまたぎからの後退ガレージ入庫など、盛りだくさんの構成となった。
今回の勝負処は、コース終盤のラインまたぎから後退で入庫するガレージセクション。1本の規制パイロンが曲者だった。コースの一部には散水も行われた。
場内実況の担当はフリーアナウンサーの千葉真樹子さん。丁寧な走りの描写が好評だった。また、大会の模様はSNSを利用してライブ配信されていた。
7台出走のAT-Aクラス表彰式。優勝は「通勤快速・バモス号」を駆る五十嵐靖智選手。2位は佐藤孝志選手、3位は小野寺大輔選手、4位は國寄隆祐選手。
12台出走のAT-Bクラス表彰式。優勝は「ランサーエボリューションX」を駆る佐々木洋人選手。2位は小原義幸選手、3位は及川晃選手、4位は佐々木昭英選手、5位は佐藤善明選手、6位は及川定男選手。
14台出走のMT-Aクラス表彰式。優勝は「今冬スノトラ仕様アルトワークス」を駆る村上清賢選手。2位は遠山敏之選手、3位は村田永一選手、4位は久保田浩之選手、5位は森信彦選手、6位は菅野博基選手、7位は柏木朋雄選手。
20台出走のMT-Bクラス表彰式。優勝は「息子に借りたエボ7」を駆る佐藤政也選手。2位は橋場渉選手、3位は菊池亮選手、4位は佐々木剛志選手、5位は大久保孟選手、6位は佐々木佳輝選手、7位は田澤拓実選手、8位は高橋潤選手、9位は佐藤真選手、10位は菊池豪紀選手。
2台出走のウィメン-Aクラス表彰式。優勝は「女子力爆発!? S660」を駆る熊谷香選手。2位は吉川直美選手。そしてJAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会委員の皆さん。
2台出走のウィメン-Bクラス表彰式。優勝は「ハス」を駆る佐々木美幸選手。2位は岩渕佐保里選手。そしてJAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会委員の皆さん。
会場には学生フォーミュラに参戦する一関工業高等専門学校がブース出展。フォーミュラドライバーである三浦委員も興味津々。
新旧ロードスターで参戦した菅野博基選手、阿部和久(水色のパッションロードスター)選手、佐藤正隆選手の三人組。「ガレージカンノ RD ロードスター(赤)」で参加した菅野博基選手はジムカーナ競技経験者。走行前にハンドルを右に左にフルロックまで素早く何度もグルグルグル……。“ヤル気”なウオームアップをしていたのがとにかく印象的で、オートテストは日本導入、岩手開催初回から参戦(4年目)している。その魅力は車種を問わずに自分の技術を出せるところと装備が要らない敷居の低さだそうで、おかげで今日も会社の仲間や知り合いを連れてくることができたそう。「NC ロードスター」で参加した佐藤正隆選手は初参加。2か月前にNCロードスターを購入。NCロードスターを20代、30代で二度オーナー経験あり。その後手放すもロードスターの馬力と軽量さのバランスが気に入って再び購入。三浦愛さんの同乗走行を体験し、スムーズなドライビングを参考に第2ヒートにチャレンジ。日頃味わえない緊張も味わうことができ、しばらくはオートテストを追いかけたいという。
会場で声をかけた若手五人衆は高校時代の同級生。「へたっぴスイフト」で参加した田澤拓実選手がまず父親に誘われて参加したところ、面白かったので「他にも走りたい人いるかなぁ」と誘ったところ応援者も含めて集まったという。「見た目だけ速そうなシビック」で参加した本田聖人選手は二度目の参加。応援に駆け付けた古内駿汰さんと相澤洋徳さん、五十嵐郁登さんは、参加してみたいけれど、ご自身たちの現在の愛車がちょっとスポーティでないことがネックになっているらしい。先ずは参加してみたらいいのに……とは言え、日がな一日ワイワイやっていて、とても楽しそうだった。

フォト/宇留野潤、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部、飯田裕子

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