オールスターラリーが2年振りに復活! 地元の山田健一WRXがライバルを圧倒する走りで優勝
2021年11月11日
地方ラリースト達にとっての“甲子園”とも言えるJMRC全国オールスターラリーフェスティバルが、10月9~10日に北海道十勝地方で開催された
第15回JMRC全国オールスターラリーフェスティバルIN北海道
2021年JAF北海道ラリー選手権第6戦
2021年JMRC北海道TEINラリーシリーズ第6戦
TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 2021 joint cup 北海道シリーズ第6戦
とかち2021
地方ラリーシリーズのトップランカー達が集うJMRC全国オールスターラリーフェスティバルは今年で15回目の開催を迎えた。毎年、開催地区を変えて行うのが恒例となっており、今年は北海道地区がその主催を担った。帯広のJAF加盟クラブ、RTCが秋に主催するとかちラリーは、陸別町をホームタウンとして、グラベルをたっぷり走り込むラリーとして、地元北海道ではすっかりお馴染みのラリーだが、今年はそのJAF北海道ラリー選手権と2021年JMRC北海道TEINラリーシリーズも併催する形で、オールスターラリーを開催した。実は昨年も本来は、とかちラリーがJMRCオールスター戦を主催する予定だったが、コロナ禍のため断念(JAF地区戦とJMRC戦は開催)。2年越しのオールスターラリー開催が実現という形になった。
SSは3本のコースが用意され、2020年のラリー北海道でも使用されたYayoi 6.72kmと、Kunnebetsu 5.20kmそしてRikubetsu 2.73kmの3本のステージを2回のサービスを挟んで3回ずつ走るという設定だ。Rikubetsuはラリー北海道では前半の舗装区間を経てグラベルへ入るのが通例になっているが、今回は舗装区間はリエゾンとして距離を短縮している。参加クルーは9日土曜にレッキを行い、10日早朝からアタックに臨んだ。
16台が参加したR-1クラスは、完走9台とサバイバルラリーの様相を呈した。SS1 Yayoiでベストを奪ったのは地元北海道在住の元全日本チャンピオン、関根正人/松川萌子組のランサー。関根選手は、今年も北海道地区戦チャンピオン確定の“弟子”に当たる山田健一/竹下紀子組を1.1秒、抑え込む。関根組から1.4秒差の3番手につけたのは四国から参戦の堀川竜二/池田茂組。過去、ラリージャパンやラリー北海道で日本人トップクラスの速さを見せつけたベテランが速さ健在をアピールした。
しかしSS2 Kunnebetsu、SS3 Rikubetsuは山田組が連続ベストで巻き返し、SS3では3.4秒も関根組に先行してセクション1をトップで終える。山田組の快走はセクション2に入っても止まらず、3本のSSすべてでベストを奪取。一方、関根組はマシントラブルのためペースダウンを強いられ、セクション3 を前にしてリタイヤとなってしまう。その最初のSSとなったSS7では、堀川組や4番手につけていた藤澤和弘/岩淵亜子組がコースオフで戦線離脱し、山田組の優勢が動かないものになる。
山田組は最終的に2番手の近畿代表のマクリン大地/大橋正典組に40秒以上ものマージンを築いてフィニッシュ。ここ数年、北海道のラリーに積極的に参加している元九州チャンピオンの吉谷久俊/井上大幾組が、最終SSでぶっちぎりのベストをマークして3位に入った。
R-2クラスも参加8台中3台がリタイヤと、サバイバル戦となったが、青森から遠征の小舘優貴/福田智治組のミラージュが、全SSベスト奪取とライバルを寄せ付けない速さを披露して完勝した。かつては2リッター4WDターボを駆ってJAF東日本ラリー選手権でも活躍した小舘選手だが、ここ数年はCJ4Aミラージュを自らの手で煮詰めてスポットで参戦している。2年ぶりとなったラリーながら、変わらぬスピードを見せて、ライバルの度肝を抜く形になった。九州から遠征のベテラン星野元/引間知広組が、最終SSで大きくペースを落とした地元の牛田啓太/原田拓弥組をかわして2位を獲得。牛田組は3位に下がったが、北海道地区戦では見事に優勝を飾っている。
R-3クラスでも、今年の全日本ARKラリーカムイで絶対王者、天野智之ヴィッツに迫るスピードを見せて2位入賞を果たした地元北海道の松倉拓郎/尼子祥一組が、SS1から5連続ベストと、優勝候補No.1の前評判通りの速さでラリーを大きくリード。2WD車総合ベストのタイムでラリーを終えた。2位には関東栃木から遠征の藤田幸弘/藤田彩子組が入り、ラリー北海道で2位に入賞し、今回は3位獲得の笠原彰人/宗片さおり組は、SS6で松倉組の連続ベストを阻止して意地を見せた。
ワンサイドゲーム的な趣を呈した上記の3クラスに対して、R-4クラスは息詰まる接戦が展開された。北海道のグラベルラリーを得意とする関東の室田仁/鎌田雅樹組と、ラリー北海道で初の全日本チャンピオンを決めた吉原將大選手のヤリスをドライブするチームメイトの山本雄紀/橋本美咲組が、SS1からベストを奪い合うデッドヒートとなり、セクション2が終わった段階では室田組が1.9秒差で山本組を従えてサービスに戻ってくる。
しかし続くSS7で、室田選手が走行中にペダルの下に足が挟み込まれてしまうアクシデントで大きくタイムロス。最終のSS9では3.7秒差で山本組を下す激走を見せた室田組だったが、このアクシデントが最後まで響いて逆転はならず。ラリーを進めるに連れてチャンピオンマシンを手なづけた山本組が見事に優勝を飾った。
フォト/加藤和由、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部
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