遊園地をバックに走る姫路シリーズ第2戦は、前田光彦カローラレビンがオーバーオールウィン!

レポート ジムカーナ

2021年11月11日

姫路セントラルパークを舞台とするジムカーナシリーズの第2戦が、約3カ月のインターバルを経て10月17日に開催された。

2021姫路セントラルパークジムカーナシリーズ第2戦
KSCCジムカーナNo.5

開催日: 2021年10月17日
開催場所: 姫路セントラルパーク第5駐車場(兵庫県姫路市)
主催: KSCC

 姫路セントラルパークはサファリパーク、遊園地、プール/アイススケート場等を持つレジャー施設で、山陽姫路東ICから約5分とアクセスにも優れる。ジムカーナの会場となるのは第5駐車場で、姫路セントラルパークの繁忙期となる夏場を挟んでのシリーズ戦が毎年、行われている。

 今年は7月11日に第1戦が行われ、10月17日に今回の第2戦が開催。11月14日に最終戦となる第3戦が組まれている。主催は鈴鹿サーキットで開催のスーパーGTシリーズの一戦を主催するJAF公認クラブのKSCCで、このグラスルーツイベントを長年に渡って開催を続けている。

 駐車場を使用するとあって、姫路シリーズの最大の特徴はフルパイロンジムカーナであることだ。近畿以西の地区でのフルパイロンジムカーナは実は多くはなく、姫路のほかは大阪の舞洲スポーツアイランドと、愛媛のハイランドパークみかわ、熊本のHSR九州がある程度だ。サイドブレーキターン等のジムカーナの基本テクニックをじっくり磨くには最適のコースと言えるだろう。

 今回のコースは前半でスラロームや速度の乗るターン等をこなした後に、タイトなパイロンセクションをクリアしてゴールという設定。路面コンディションは大半の選手が第2ヒートでタイムアップする傾向を見せたが、少なからぬ選手がパイロンペナルティを喫して、せっかくのタイムを棒に振っており、やはり最後の連続するパイロンワークの成否が今回も大きな勝負所となったようだ。

サファリパーク、遊園地等を持つ総合レジャーランドである姫路セントラルパーク第5駐車場がシリーズの舞台となる。
当日のプログラムの表紙は、7月末にサファリパークで生まれたホワイトライオンの赤ちゃんの写真。お名前募集中となっているが、晴れてこの11月に命名式が行われた模様(!!)。
今回のコース図。ゴール手前にタイトなパイロンセクションが待ち構える姫路の定番レイアウトとなった。
新型コロナウイルス感染症対策も施された上で開催された今回の一戦。選手達の意識も高かった。

 B1クラスは第1戦優勝の吉村治利選手のデミオが第1ヒートでベストタイムを奪取する。好タイムを刻んだ吉村選手はパイロンペナルティ2秒を加算されるも、他の選手も大きくタイムを落としたため、トップで折り返した形だ。しかし第2ヒートに入ると、今回、スポット参戦した1番ゼッケンの藤林伸吉選手のアルトが吉村選手の第1ヒートのゴールタイムを上回る1分23秒544をマークして首位に立つ。最終ゼッケンで再逆転を期した吉村選手だったが、1分23秒575と僅かに及ばず。藤林選手が大接戦を制した。

B1クラスは、第1ヒートはミスコースに沈んだ藤林伸吉選手が優勝。
B1クラス優勝の藤林選手。普段はJAF近畿ジムカーナ選手権等に参戦する軽自動車のスペシャリストだ。「このシリーズは時々、練習を兼ねて出ています。今年は自分としては自粛の一年だったので、1本目は勘が戻らず、ミスコースしてしまって、自分でも、“何やってんのやろう”と、がっくりでした(笑)。やっぱり練習と本番は違う、というのを実感しましたね。でも今日は結果を出せたので、ちょっとずつこれから調子を戻していこうかな、と思っています」。
B1クラス2位には吉村治利選手が入賞。連勝は果たせなかった。
B1クラス表彰の各選手。

 参加11台と今回最大の激戦区となったのはRT2クラス。第1戦のウィナー前田光彦選手がその勢いを持ち込んで、ライバルを大きく引き離すタイムを第1ヒートから叩き出す。前田選手は第2ヒートでは、「1本目うまく行った270度ターンでミスしてしまった」とタイムダウンするも、再び首位をキープ。第1ヒートのタイムで優勝を決め、その1分21秒001が今回のオーバーオールウィン・タイムとなった。

RT2クラスは今季絶好調の前田光彦選手が開幕2連勝を飾った。
RT2クラス優勝の前田選手は姫路シリーズの常連の一人。2018年にチャンピオンを獲得している。「今日は最後のパイロンセクションを決められたことが勝因だと思いますが、オーバーオールウィンは、たまたまです(笑)。ここはやっぱり“パイロン命”のコースだと思いますが、コースの中でもグリップが違うので、グリップ差が激しい所を通るレイアウトになると、経験の差が多少はものを言う感じにはなると思いますね。ここはジムカーナを始めた場所でもあるので、これからもシリーズを追い続けるつもりです」。
RT2クラス2位にはスターレットを駆った石田睦雄選手が入賞した。
RT2クラス表彰の各選手。

 RT3クラスは、第1戦は2位に終わった柴谷匡彦選手が1分22秒774をマークしてトップに立つ。第2ヒートでは柴谷選手と同じく、ロードスターを駆る中村寛選手が1分23秒048までタイムを詰めるが逆転はならず。第1戦優勝のラストゼッケン、平井善英選手も柴谷選手を脅かすタイムを出すことなくゴールとなり、結果、柴谷選手が第1ヒートのタイムで逃げ切って今季初優勝を決めた。

RT3クラスは柴谷匡彦選手が第1ヒートのタイムで逃げ切った。
RT3クラス優勝の柴谷選手は近畿地区戦を主戦場とする選手。「1本目はスムーズに走れましたが、2本目は最初のパイロンからアンダーを出してしまってダメでした。でも今日の1本目は、先輩達から言われてきたパイロンの攻め方のセオリー通りに走れたというか、“こういうことだったんだな”、と腑に落ちる所があったので、この勝利はささやかな自信になりそうです。これからも地区戦がメインになるとは思いますが、地元のイベントも大事にしたいので、スポット参戦は続けていきたいと思います」。
ロードスターが1-2だったRT3クラスは、中村寛選手が2位に入った。
RT3クラス入賞の各選手。

 4WD車両を対象としたRT4クラスは、第1戦では5台の2リッター4WDターボ車が集い、コンマ差の優勝争いが展開されたが、参加2台にとどまった今回は規定により残念ながらクラスは不成立に。優勝は第1戦のデッドヒートを制した田中忍選手だったが、今回は不成立となったため、通常履く決勝用タイヤは温存。練習用タイヤでトライしたことも響き、2戦連続のオーバーオールウィンはならなかった。しかし最終戦は成立の見込みであり、クラス優勝とオーバーオールウィン、そしてチャンピオンを巡る戦いがヒートアップするのはまず間違いないだろう。

RT4クラスは田中忍選手が開幕戦に続いて優勝を飾った。
RT4クラス優勝の田中選手も、このシリーズではお馴染みの選手だ。「京都の北の方に住んでいるので、姫路は意外と通いやすいコースなんです。ここは自分の走りのリズムとコースが合っているので、いつも楽しく走っています。ただグリップはそんなに高いわけではないので、レイアウトによっては僕らのクラスは、滑りを見越した走りがポイントになったりしますね。でもいつもアクセルを踏めるし、パイロンもどんな車種でも走りやすい設定にしてくれるので、4WDのドライバーにもオススメです」。
RT4クラスで2位獲得は吉川健二選手。

フォト/谷内寿隆 レポート/JAFスポーツ編集部

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