雨の浅間台で最終決戦の千葉・東京シリーズ。野口尚正Zが優勝で王座獲得!
2021年11月12日

10月17日、JMRC千葉・東京ジムカーナシリーズの第6戦が、千葉県の浅間台スポーツランドで開催された。
2021JMRC千葉・東京ジムカーナシリーズ第6戦
SPHERE・ターマックアタックin浅間台
開催日: 2021年10月17日
開催場所: 浅間台スポーツランド(千葉県香取市)
主催: SPHERE
千葉・東京シリーズは、浅間台スポーツランドを舞台に開催されており、今回の一戦が今シーズンの最終戦となった。ビギナーからベテランまで、選手層は幅広く、参加車両も、改造範囲の狭いPN車両から、より改造範囲の広いSA車両やB車両、更にナンバー無しのSC/D車両までも走れるクラス区分となっている。
今年は、10月に入っても最高気温が25℃を超える陽気が続いていたが、当日は朝からあいにくの雨模様。季節の変わり目となる雨により、肌寒さも感じる天候の中での開催となった。こと浅間台スポーツランドの路面は、ウェットになると極端にグリップが低下することで知られており、「雨の浅間台」は、その路面ならではのセッティングや、限られた走行ラインを見極めることもポイントになる、いわばドライバーの腕の見せ所の一戦となる。


ポイントリーダーの深沢希選手とシリーズ2番手の真塩正裕選手のチャンピオン争いとなったPN5クラス。両選手ともに今季2勝ずつを分け合い、最終戦を迎えた。有効ポイントでは深沢選手が7ポイント、リードしているが、真塩選手が優勝すれば、逆転チャンピオンとなる。しかし第1ヒートをトップで折り返したのは深沢選手。真塩選手は深沢選手から1.8秒遅れの3番手に着けるが、実は深沢選手のタイムは、パイロンペナルティの5秒が加算されたタイムだった。
ペナルティ無しのタイムを考慮すると、第2ヒートで約7秒ものタイムアップを果たさなければならない苦しい展開となった真塩選手だったが、まずは深沢選手の第1ヒートのタイムを更新してチャンピオンの可能性を残したいところだ。しかし第2ヒート、中間タイムは自己のタイムから遅れること0.6秒で、ゴールタイムも自己タイムを更新することができずタイムダウン。第1ヒートのタイムで3位に留まってしまい、この時点で深沢選手のチャンピオンが確定した。
そしてラストゼッケン深沢選手は、既に優勝は決まっているが、なんと第2ヒートでもパイロンペナルティとなってしまう。しかし、それでも自己タイムを0.3秒更新し、タイムアップを果たした。「今年は雨に助けられました。雨は得意なので、今回を含め優勝したのは全てウェット路面です。ペナルティはありましたが、攻め切った走りができたと思います」と深沢選手。Wパイロンタッチで優勝、そしてシリーズチャンピオン獲得という快挙を成し遂げた。


開幕戰から前回の第5戦まで、唯一2勝を上げた野口尚正選手以外、毎戦、優勝者が変わる激戦となった NTR2クラス。その中で最終戦のチャンピオン争いに残ったのが、ポイントリーダー野口選手と安部強選手の2名。両選手のポイント差は僅か2点と、まさに接戦となっているが、安部選手が優勝を逃した時点で野口選手のチャンピオンが決定する。
まず第1ヒートをトップで折り返したのは野口選手。安部選手はミスコースを喫してしまい、ノータイムとなってしまう。第2ヒートになると、スポット参戦の大塚健二選手が野口選手のタイムを約0.6秒更新し、暫定トップに立つ。これで優勝タイムのハードルが上がってしまった安部選手は第2ヒートを果敢に攻めるも、第1ヒートのミスコースが影響したか、中間では大きく遅れをとり、さらに後半区間でもタイムロスとなるミスが目立ち、順位は5番手に終わってしまう。
この時点で野口選手のチャンピオンが決まったが、その野口選手の第2ヒートは中間では大塚選手を0.8秒上回り、大きなアドバンテージを確保して後半のテクニカル区間へ突入。重量級のZを巧みに操り、大塚選手のタイムを0.3秒更新し、トップタイムを叩き出した。「ウェットではZのパワーが活かせないので、グリップするラインを狙って走ったのが良かったと思います。Zに乗り換えてからは初のチャンピオンなので、とても嬉しいですね(笑)」と野口選手。浅間台スペシャリストならではの戦術で、優勝でチャンピオンを獲得した。


今回、完走すればシリーズチャンピオンが確定するNTF2クラスの徳富太一選手。今シーズンは3戦出場し、全て優勝ポイントを獲得しているだけに、最終戦も優勝で締めたいところだ。しかし、その行く手を阻んだのが、JMRC関東チャンピオンシリーズでライバルに当たる市川良平選手。今回スポットで参戦した市川選手は、第1ヒートで2番手の徳富選手に2秒の差をつけ、暫定トップに立つ。
さらに市川選手は第2ヒートでも自己タイムを0.4秒更新し、トップを保持。また、スイフトの野口武功選手が2番手に割って入り、徳富選手は3番手まで後退してしまう。逆転を懸けた徳富選手の第2ヒートは、中間では遅れること約1秒、さらにその後スピンを喫してしまい、タイムアップならず。第1ヒートのタイムで3位フィニッシュとなった。「インテグラは今年で最後なので、チャンピオンを獲ったことがなかった県シリーズで、思い出作りに参戦しました。最後は失敗してしまいましたが(笑)」と、徳富選手。
過去には関東地区戦のチャンピオンも獲得した徳富選手だが、今年は関東チャンピオンシリーズでもタイトルを収め、この千葉東京シリーズのチャンピオンを決めた。一方、優勝の市川選手は「雨の浅間台は久しぶりだったので、攻めきれない所がありました。ただ、チャンピオンシリーズでやられっ放しだった徳富選手に勝ったのは良かったです(笑)」と、やや課題はあったようだが、笑顔で勝負を振り返った。


既に満点チャンピオンを決めているのが、PN1クラスの井上茂選手と、PN6クラスの山口栄一選手。井上選手は第1ヒートから2位以下に大差をつけ、トップに立つ。「今回は雨で難しい路面でしたが、守りに入りたくなかったので、終始、攻めの走りに徹しました。第2ヒートは、ちょっと格好悪かったですが(笑)」と、第2ヒートはミスコースを喫したものの、第1ヒートのタイムは破られることなく、今季5勝目をあげた。


山口選手は第2戦目からヤリスで参戦し、今季全て優勝でチャンピオンを決めた。「やはり練習量ですね(笑)。浅間台は、ほぼ毎週通って走り込みました。その成果が出たのだと思います」という山口選手は、第2ヒートは僅かにタイムダウンしたものの、第1ヒートのトップタイムを守り切り、井上選手と同じく今季5勝目を上げ、シリーズを締め括った。


NTF1クラス、NTR1クラス、NT4クラスの3クラスは、残念ながら今季はシリーズとしては成立条件を満たさなかったため、不成立となってしまったが、最終戦の今回はクラス成立となった。NTF1クラスは、丸山塁選手のスイフトと石橋甫選手のデミオの対決となったが、第1ヒートは両選手ともにスピンを喫してしまい、不本意なタイムで終える。しかし第2ヒートになると、まずは石橋選手がきっちりタイムを刻み、暫定トップ。しかしその直後、丸山選手は石橋選手のタイムを0,3秒更新し、逆転で優勝を飾った。


3世代に渡る新旧ロードスターの戦いとなったNTR1クラスは、最新型を駆るベテランの大江光輝選手が第1ヒートでトップに立つ。第2ヒートでは2番手に着けていた山崎一也選手がタイムアップを果たすも、大江選手には届かず、貫禄の走りで大江選手が優勝となった。


今シーズンのNS(ノーサイド)クラスでヤリスを駆り、シリーズチャンピオンを獲得している横倉清治選手が、今回NSクラスが不成立になったため、NT4クラスに参戦、鎌田晃司選手のランサーと対決になった。第1ヒートではタイム的にはベストを刻んでいた鎌田選手だが、パイロンペナルティを喫して第2ヒートで逆転を狙う。しかし、第2ヒートでも脱輪ペナルティとなってしまい、万事休す。鎌田選手のペナルティに助けられた形となった横倉選手だが、第2ヒートでは普段使わないサイドターンを駆使し、きっちり自己のタイムアップを果たしての優勝となった。


フォト&レポート/友田宏之
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