福住仁嶺選手が鈴鹿初勝利! 第2戦の雪辱を果たす!!

レポート レース

2021年11月8日

全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦(最終戦)は「JAF鈴鹿グランプリ」の冠がかけられて鈴鹿サーキットで開催。第2戦でアクシデントに見舞われて勝利を逃した福住仁嶺選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、その雪辱を果たす勝利で2021シーズンを締めくくった。

2021年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦
第20回JAF鈴鹿グランプリ
2021 TCR JAPAN Series 第6戦 Saturday Series/Sunday Series
PORCHE CARRERA CUP JAPAN 2021 Series Round.11
N-ONE OWNER'S CUP FINAL

開催日:2021年10月29~31日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:NRC、SMSC、株式会社モビリティランド

 爽やかな秋晴れの空が広がった鈴鹿サーキットの予選日。ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得を目指す宮田莉朋選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)や、昨年この鈴鹿で初優勝を飾った大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)がQ1、Q2で速さを示す中、Q3でトップタイムをマークしたのは松下信治選手(B-Max Racing Team)だった。

 午前中の公式練習では14番手と下位に沈んだものの、見事なリカバリーで予選のセッションごとにペースアップ。最後は2番手の大湯選手に対し0.2秒近い差をつけて初ポールポジションを獲得した。2番手の大湯選手に続き、3番手には福住選手。シリーズチャンピオンを確定させて最終戦を迎えた野尻智紀選手(TEAM MUGEN)が5番手となった。

スーパーフォーミュラの一戦で行われるJAFグランプリレース。一年の締めくくりとなる鈴鹿の最終戦を盛り上げた。
シリーズチャンピオンに授与されるトロフィーの数々。左からチームチャンピオンに贈られる経済産業省の経済産業大臣杯、ドライバーズチャンピオンのトロフィー、観光庁の長官杯、自由民主党のモータースポーツ振興議員連盟杯。
若手ドライバーたちが速さを見せる中、予選を制したのは松下信治選手。自身初のポールポジションを獲得した。
スーパーフォーミュラ最終戦の決勝に先立ち、JAF藤井一裕会長による開会宣言で第20回JAF鈴鹿グランプリが幕を挙げた。

 決勝日は朝から雨が降っていたものの、昼には止んでコースコンディションも徐々に回復。全車がスリックタイヤを装着して30周の決勝レースがスタートした。

 ポールシッターの松下選手はオープニングラップを制したものの、ジャンプスタートの裁定が下り、ドライブスルーペナルティで後退。その後方では、予選5番手の野尻選手がスタートダッシュを決めて3番手に浮上すると、2周目のホームストレートで前を行く大湯選手に接近していった。

 2台はホイール・トゥ・ホイールの超接近戦を繰り広げた末、わずかに接触してしまい、大湯選手がバランスを崩してコースオフ。これで野尻選手が2番手に上がり、松下選手のペナルティもあってトップに躍り出たが、この接触に対して野尻選手にレース後のタイム加算ペナルティが科されることになった。

 2番手走行の福住選手はアンダーカットを狙い、11周を終えたところで早めにピットイン。対する野尻選手は翌12周終了時点でピットへ向かって福住選手の前でコース復帰に成功するが、すでにタイヤが温まっている福住選手は野尻選手に急接近して逆バンクで逆転。

 野尻選手のピットインで暫定トップになった平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)も14周を終えてピット作業に向かったが、福住選手を抑えきることができず、福住選手は実質トップの座をキープしてレース後半へと入っていった。

 レース後半で注目を集めたのは、最後までピット作業を引っ張った関口雄飛選手(carenex TEAM IMPUL)と、猛チャージを仕掛ける大津弘樹選手(TEAM MUGEN)との戦いだった。関口選手はレース距離の半分を走ったタイヤで、フレッシュタイヤ勢と遜色ないタイムを並べて後続とのマージンを築いていくと、27周を終えてピットイン。

 関口選手は暫定4番手で残り3周を迎えたものの、後方からぐんぐんと迫って猛プッシュしてきたのが大津選手だった。コールドタイヤの関口選手とハイペースの大津選手とのバトルは、シケインで最高潮に達する。オーバーテイクシステムを使った大津選手がアウト側から並びかけるが、関口選手も渾身のブレーキングで一歩も引かず、大津選手を退けて最終コーナーへ飛び込んで4位を確定させた。

 後方ではこのような熾烈な戦いが繰り広げられていたが、残り2周で名実ともにトップに浮上した福住選手は、後続との差を保ったままトップチェッカー。待望の鈴鹿初勝利を挙げた。2位は平川選手、3位は野尻選手となった。4位に関口選手が入ったことで、carenex TEAM IMPULが11年ぶりとなるチームタイトルを獲得した。

ドライバーズチャンピオンは前戦のもてぎ大会で野尻智紀選手に確定したが、残るチームチャンピオン獲得、ランキング上位をかけて最終戦の火蓋が切られた。
今季2勝目を挙げた福住仁嶺選手。第2戦の鈴鹿大会ではトップを走るもアクシデントでまさかのリタイアを喫したが、再び戻ってきた第7戦の鈴鹿大会でうれしい勝利。チェッカー後はチームに迎えられ、喜びをわかちあった。
平川亮選手は2位フィニッシュ。またチームメイトの関口選手の好走もあり、チームチャンピオン確定に貢献。
接触による5秒加算のペナルティーを科されながらも、攻めのレースを展開して3位入賞を果たした野尻選手。
JAF鈴鹿グランプリの表彰式。表彰台でトロフィーを高々と掲げる福住選手。プレゼンターはJAF藤井会長が務めた。
第7戦の表彰式。左からプレゼンターのJAF坂口正芳副会長、2位の平川選手、1位の福住選手、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの村岡潔代表、3位の野尻選手が登壇。
ルーキー・オブ・ザ・イヤーは第6戦で初優勝を遂げたTEAM MUGENの大津弘樹選手が選ばれた。
チームチャンピオンは接戦の末、carenex TEAM IMPULに確定。TEAM IMPULとしては11年ぶりのタイトル獲得となる。
ドライバーズチャンピオンの大きなトロフィーを持ち上げて満面の笑みをこぼす野尻選手。
レース終了後にTEAM MUGENのピット内で行われた記念写真。チーム関係者らが集まり、野尻選手のタイトル確定を祝った。

■TCR JAPAN Series 2021

TCRJサタデーシリーズ優勝は塩谷烈州選手(全薬工業 with TEAM G/MOTION')。
左から2位の猪爪杏奈選手、1位の塩谷選手、3位の加藤正将選手。
TCRJサンデーシリーズ優勝はHIROBON選手(バースレーシングプロジェクト【BRP】)。
左から2位の加藤選手、1位のHIROBON選手、3位の塩谷選手。

■PORCHE CARRERA CUP JAPAN 2021 Series

ポルシェカレラカップジャパンProクラス優勝は近藤翼選手(NIHON KIZAI PORSCHE)。
ポルシェカレラカップジャパンProクラスの表彰式。左から2位の上村優太選手、1位の近藤選手、3位の小河諒選手。

■N-ONE OWNER'S CUP

N-ONEオーナーズカップ優勝は谷川達也選手(HC東近江☆童夢☆N-ONE)。
N-ONEオーナーズカップの表彰式。左から2位の川福健太選手、1位の谷川選手、3位の吉田祐太選手。

フォト/石原康、遠藤樹弥、吉見幸夫 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部

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