最終周の波乱!? GT500はARTA NSX-GTが逆転で連勝、GT300はHitotsuyama Audi R8 LMSが今季初優勝!
2021年11月18日
スーパーGT第7戦が11月6~7日にツインリンクもてぎにて開催され、GT500クラスはファイナルラップにトップの車両がガス欠でスローダウンし、直後につけていた8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)が逆転で連勝。GT300クラスは今季ノーポイントだった21号車Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/篠原拓朗組)がこちらも逆転で今季初優勝を飾った。
2021 SUPER GT Round7 MOTEGI GT 300km RACE
開催日:2021年11月6~7日
開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)
主催:株式会社GTアソシエイション、M.O.S.C.、株式会社モビリティランド
7月の第4戦以来、今季2回目のGTレース開催となるツインリンクもてぎ。今回は最終戦のひとつ前のラウンドということで、サクセスウェイトが半減となり、各車の性能が接近。このレースで今年のタイトルが決まる可能性もある状況だ。
予選日は約6,100人、決勝日は約1万2,000人のファンがサーキットに駆けつけた。この週末は天候に恵まれ、朝晩は冷え込んだものの、日中は11月としては暖かくレース観戦日和となった。
6日の公式予選でポールポジションを獲得したのは19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)の宮田選手で、第2戦富士以来今季2度目。2番手には24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹組)の佐々木選手がつけ、ヨコハマタイヤユーザーがフロントローを独占した。
3番手以降は8号車NSX、12号車カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組)、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組)で、ポイントリーダーである1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)の山本選手は10番手に留まった。
GT300クラスでは、コースレコードをマークした18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平組)の名取選手が初のポールポジションを獲得。これに61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)、55号車ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮組)、88号車JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)、21号車アウディが続いた。
決勝日の7日も好天となったもてぎ。航空自衛隊松島基地より飛来した戦闘機F-2Bの歓迎フライトでスタンドが沸くと、ウォームアップ走行を経て各車がコースイン。気温19度、路面温度33度の13時6分に63周300kmレースがスタートした。
オープニングラップで4番手スタートの12号車GT-Rの松下選手が2番手に浮上すると、トップの19号車スープラとトップ争いを演じ、ここに8号車NSXも加わった。11周目と14周目にアクシデントが起きてフルコースイエロー(FCY)が導入されたが、大きな混乱はなかった。
21周目の3コーナーで12号車GT-Rがトップを奪うと、23周目に3番手の8号車NSXと同時に早めのピットインを行う。19号車スープラも次の周にピットインしたが、暫定トップは12号車GT-Rで変わらず、8号車NSXが2番手に浮上していた。
31周目に全車がルーティンピットを終えると、12号車GT-Rの平峰選手は2番手の8号車NSXに3秒近いリードを保っていた。そしてその差は37周目には4.4秒まで広がっていたが、8号車NSXの野尻選手が追い上げ、47周目には1.0秒差、そして終盤の58周目には0.140秒差と追い詰める。
2台のトップ争いはファイナルラップまで続いたが、2コーナーからの立ち上がりで12号車GT-Rが失速。ガス欠症状が出たところを8号車NSXがかわしてそのまま逆転でトップチェッカー。平峰選手は車両を左右に揺すりながらゴールを目指したが、ホームストレートで19号車スープラにかわされて3位フィニッシュとなった。
ポイントリーダーの1号車NSXは12位でノーポイントとなり、これでランキング2番手に浮上した8号車が5点差に追い詰めた。最終戦でタイトル獲得の権利を持つ車両は6台に絞られた。
GT300クラスはオープニングラップの2コーナーで、61号車BRZの山内選手がトップを奪って後続を引き離しにかかった。ポールスタートの18号車NSXは、6周目に55号車NSXにかわされて3番手に順位を落とすと、白煙を吐きスローダウン。わずか5周でリタイアとなってしまう。
13周目の90度コーナーで55号車NSXの高木選手が61号車BRZを捕らえてトップに立つと、徐々にその差を引き離しにかかり、61号車BRZの山内選手は88号車ランボルギーニの元嶋選手にピタリと背後につかれてしまった。
27周目に88号車ランボルギーニ、28周目に4番手の21号車アウディ、30周目に55号車NSX、そして31周目に61号車BRZがピットイン。21号車アウディと55号車NSXは後輪2輪だけの交換で時間を短縮したが、61号車BRZは燃費が悪く給油に時間を要した。また32周で56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)がピットインすると、タイヤ無交換作戦を採った。
上位陣のピット作業が落ち着くと、暫定トップが55号車NSXの佐藤選手で、直後に21号車アウディの篠原選手。やや離れて56号車GT-Rのオリベイラ選手、61号車BRZの井口選手、88号車ランボルギーニの小暮選手という順となった。
34周目の4コーナーで21号車アウディがトップの55号車NSXに並び、5コーナーでついに逆転トップを奪い、徐々に後続との差を開いていった。終盤の54周目、4番手の61号車BRZがV字コーナーでスピンを喫し6番手へ。レースはそのままの順位でチェッカー。今季ノーポイントだった21号車アウディがチーム3勝目となる今季初優勝。篠原選手はうれしいGT初優勝となった。
今回の結果で61号車BRZのポイントリーダーは変わらず、最終戦・富士のタイトル争いは6台の車両に絞られた。
フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部