2年ぶりに開催のJAFカップ&JMRCオールスタージムカーナ。全国各地から精鋭たちがイオックスに集結

レポート ジムカーナ

2021年11月19日

2021年JAFカップオールジャパンジムカーナ/JMRC全国オールスタージムカーナ IN 中部が、11月6~7日にかけて、富山県南砺市郊外のイオックスアローザスポーツランドで開催された。

2021年JAFカップオールジャパンジムカーナ
JMRC全国オールスタージムカーナ IN 中部

開催日:2021年11月6~7日
開催地:イオックスアローザスポーツランド(富山県南砺市)
主催:ABC

 地方選手権が開催されている全国8地区から猛者が一堂に介し、年に1回開催されるジムカーナの祭典「JAFカップオールジャパンジムカーナ」。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で鈴鹿サーキットを会場とする大会が中止。今年は昨年と同じく中部地区が開催地区となり、富山県のイオックスアローザスポーツランドで開催されることとなった。

 2日間に渡り好天に恵まれた今年のJAFカップオールジャパンジムカーナ&JMRC全国オールスタージムカーナには、併設されたFDクラスと箱Dクラスを合わせて143台がエントリー。今シーズンの全日本ラウンドを含め、今季最多の出場台数となった。

 広大なスキー場の駐車場スペースを二分化するフルパイロンコースは、最初のセクションにハイスピードから進入する450度ターンと、ふたつめのセクションのアウト側に規制パイロンが設置され、コンパクトなターンが要求される270度ターンが設定されている。高速パイロンセクションのライン取りはもちろん、このふたつのターンをミスなく攻めきれるかが、勝敗の大きな鍵を握った。

二分割されたレイアウトが特徴のコースは、ハイスピードとテクニカルが織り成す設定。また混在した舗装路面が選手たちを悩ませた。

 総勢29台が出走したJG8クラスは、前日の公開練習から決勝第1ヒートまで全日本で活躍する若手ドライバーのSHUN選手がトップをキープする。だが、決勝第2ヒートは「全日本の決勝ヒートはタイヤ1セットというレギュレーションですが、今回は2セット使えるということなので、第2ヒートも新品タイヤを投入しました」という斉藤邦夫選手がSHUN選手のベストタイムを更新。これまでJAFカップでは8回の優勝経験を持つ小林キュウテン選手は、斉藤選手のタイムに0.224秒届かなかったものの、SHUN選手のタイムを0.075秒上回り2位でフィニッシュ。斉藤選手が4回目のJAFカップ優勝を果たした。

JG8クラス優勝は斉藤邦夫選手(ADVAN ロードスター)。
JG8クラスの表彰式。左から4位の小野圭一選手、2位の小林キュウテン選手、1位の斉藤選手、3位のSHUN選手、5位の一色健太郎選手、6位の福田大輔選手。

 JG7クラスは、第1ヒートで仲川雅樹選手がトップタイムをマークし、今シーズンのJG10クラスでチャンピオンを獲得したAT車両の織田拓也選手が0.562秒差で2番手につける好走をみせる。第2ヒートは、トップの仲川選手がタイムダウン、織田選手がパイロンタッチに終わる中、「34Zで走るのはこれが最後。120%の走りをするにはどうしたらいいかということばかり考えていた。結果には満足しています」という河本晃一選手が、織田選手のタイムを抜いて2位に入賞。優勝は、「このクルマ(スイフトスポーツ)で優勝するのは初めてです」という仲川選手が、第1ヒートのタイムで逃げ切り獲得、AT車両の織田選手が3位に入賞した。

JG7クラス優勝は仲川雅樹選手(YHwako'sK1スイフト)。
JG7クラスの表彰式。左から4位の土手啓二朗選手、2位の河本晃一選手、1位の仲川選手、3位の織田拓也選手、5位の大橋政哉選手、6位の中根卓也選手。

 JG6クラスは、今年の関東ジムカーナ選手権に彗星のごとく現れ、JG6クラスのチャンピオンを獲得した若手の徳武銀河選手が、第1ヒートでベストタイムをマーク。徳武選手は第2ヒートで0.116秒タイムダウンするものの、第1ヒートにマークしたベストタイムを脅かす選手は現れず、そのまま第1ヒートのタイムで逃げ切り優勝を飾った。2位には、第1ヒートは電子制御のエラーに泣かされた佐藤宏明選手が、第2ヒートは復調して入賞。3位には「走りは悪くはなかったんだけど、そのわりにはタイムが思ったよりも伸びなかった」という大坪伸貴選手が入賞した。

JG6クラス優勝は徳武銀河選手(水芭蕉テックロードスターRF犬)。
JG6クラスの表彰式。左から4位の掛札雄一選手、2位の佐藤宏明選手、1位の徳武選手、3位の大坪伸貴選手、5位の森田国治選手、6位の井上良選手。

 JG5クラスは、かつて全日本で活躍し、現在は関東の地方選手権を主戦場とする岡野博史選手がベストタイムを奪うが、第2ヒートは「全日本の中盤戦あたりから360度ターンがうまく回れなくなったんですけど、今回はふたつのターンでサイドブレーキを死ぬ気で引いた!」という片山誠司選手が逆転。自身初となるJAFカップ優勝を果たした。2位には、第1ヒートでドライブシャフトを折損した若手筆頭株の奥井優介選手が、第2ヒートまでに修復して入賞。3位には第1ヒートトップの岡野選手が入賞した。

JG5クラス優勝は片山誠司選手(GR水戸インターYHWmヤリス)。
JG5クラスの表彰式。左から4位の上本昌彦選手、2位の奥井優介選手、1位の片山選手、3位の岡野博史選手。

 JG4クラスは、四国ジムカーナ選手権のNS1クラスでチャンピオンを獲得した田中康一選手が第1ヒートのトップタイムをマーク。全日本レギュラードライバーの安木美徳選手が0.038秒差の2番手、山越義昌選手が0.270秒差の3番手につける。第2ヒートは、上位3台ともわずかにタイムダウンに終わり、第1ヒートのタイムで逃げ切った田中選手が、JAFカップ初優勝を果たした。

JG4クラス優勝は田中康一選手(ADVAN☆RSK☆シビック)。
JG4クラスの表彰式。左から4位の近藤瑛貴選手、2位の安木美徳選手、1位の田中選手、3位の山越義昌選手、5位の表和之選手、6位の近藤岳士選手。

 JG3クラスは、第1ヒートで佐野光之選手がトップタイムをマーク、隅田敏昭選手が2番手につける。第2ヒートに入ると、前日の公開練習でトップタイムをたたき出していた“打倒! 若林隼人選手!”を誓う同世代の山本太郎選手が、「第1ヒートは最後のターンでそれまでのマージンを全部吐き出してしまいました。第2ヒートは、自分の走りをしっかりできれば勝てると信じて走りました」と佐野選手のタイムを0.102秒逆転。第2ヒートの逆転劇で自身初となるJAFカップ優勝を果たした。

JG3クラス優勝は山本太郎選手(AZR★MA★YHインテグラ陶)。
JG3クラスの表彰式。左から4位の隅田敏昭選手、2位の佐野光之選手、1位の山本選手、3位の西井将宏選手、5位の高江淳選手、6位の仲田大樹選手。

 JG2クラスは、「2022年の全日本ジムカーナJG2クラスに投入する予定です」というワイドフェンダーのRX-7を投入した藤井雅裕選手が第1ヒートでベストタイムをマーク。第2ヒートは金子進選手と永川悠太選手がタイムを上げてくるものの、藤井選手が第1ヒートでマークしたベストタイムには届かず。藤井選手が、2016年以来2度目となるJAFカップ優勝を果たした。

JG2クラス優勝は藤井雅裕選手(BPF☆TY☆RX7MAGIC)。
JG2クラスの表彰式。左から4位の町田和雄選手、2位の金子進選手、1位の藤井選手、3位の永川悠太選手、5位の田中匠選手、6位の飯野哲平選手。

 JG1クラスは、第1ヒートで中部チャンピオンを獲得した若手の堀隆成選手がトップタイムをマークするが、「第1ヒートは丁寧に走りすぎたので、第2ヒートは抑えすぎたところを修正しました。タイムを稼ぐのではなく、タイムを落とさない走りができるように集中して走りました」という飯坂忠司選手が堀選手を逆転。飯坂選手が逆転優勝、2位に堀選手、3位に中部のベテラン岡部隆市選手がそれぞれ入賞した。

JG1クラス優勝は飯坂忠司選手(BS高崎くす子PRSランサー)。
JG1クラスの表彰式。左から4位の野中信宏選手、2位の堀隆成選手、1位の飯坂選手、3位の岡部隆市選手、5位の松尾勝規選手、6位の西田哲弘選手。

 2019年から新設されたWomenクラスは、第1ヒートで多くの選手がパイロンタッチに苦しめられる中、両ヒートでベストタイムをたたき出した渡邉千尋選手が、2019年に続き2連覇を達成した。

Womenクラス優勝は渡邉千尋選手(RST86)。
Womenクラスの表彰式。左から2位の植松道巧選手、1位の渡邉選手、3位の武田朋子選手。

 併設されたFDクラスは、五十嵐豊光選手が、地方選手権ではシリーズチャンピオンを奪った佐藤宗嗣選手を抑えて優勝。全日本JG1クラスチャンピオンの津川信次選手も出場した箱Dクラスは、全日本のJG6クラスで活躍する松本敏選手が巧みなパイロンワークで優勝を飾った。

FDクラス1位は五十嵐豊光選手(塩岡SP 丸久 オスカー 91)。
箱Dクラス優勝は松本敏選手(YSS☆箱D☆86☆LEVIN)。
箱Dクラスの表彰式。左から4位の川脇一晃選手、2位の大井貴之選手、1位の松本選手、3位の山梨俊二選手。
JMRCオールスタージムカーナ IN 中部の地区対抗戦はJMRC東北が制した。2018年の関東・東北連合チームを含めると3連覇となる。

フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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