全クラスでタイトル争いが決着! そしてバイオディーゼル燃料車のデミオが初参戦
2021年12月1日

11月13~14日に岡山国際サーキットで行われたスーパー耐久シリーズ第6戦(最終戦)は、3時間レースとして開催。Gr.1のレースではPC Okazaki 911 GT3R(永井宏明/上村優太/中山雄一組)が独走で第2戦SUGO以来の2勝目を飾った。Gr.2のレースではGB クラウンRS(服部尚貴/吉田広樹/川合孝汰組)が優勝。また最終戦まで持ち越しとなっていたST-Z、ST-4、ST-5クラスのタイトルも確定した。
スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第6戦 スーパー耐久レースin岡山
開催日:2021年11月13~14日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC
今回はコース幅やランオフエリアの広さ、ピット数の観点から、第2戦同様にGr.1(ST-Xクラス、ST-Zクラス、ST-TCRクラス、ST-1クラス、ST-2クラス)、Gr.2(ST-3クラス、ST-4クラス、ST-5クラス、ST-Qクラスのカローラとデミオ)とふたつのグループに分け、それぞれで3時間の決勝が行われた。
午前中に行われたGr.2の決勝レースは、気温3度と冷え切った8時33分にスタートが切られた。
今年のST-3クラスチャンピオンをすでに確定させているポールポジションのエアバスター Winmax RC350 TWS (冨林勇佑/大島和也/石井宏尚組)を、GB クラウン RSとQUEEN EYES 34Z(田中哲也/三宅淳詞組)がかわしてトップ争いを展開。
しかし最初のピット作業でGB クラウン RSはタイヤ無交換作戦を採り、時間を短縮してQUEEN EYES 34Zとの差を広げ、そのまま逃げ切って今季2勝目。QUEEN EYES 34Zは2位フィニッシュでシリーズ2位となった。
ST-4クラスは、前日ポールポジションを獲得したことで2位フィニッシュで連覇が確定するGRGarage水戸インター GR86(坪井翔/細川慎弥/堀尾風允組)が、序盤から林テレンプ SHADERACING 86(国本雄資/石川京侍/清水英志郎組)を引き離して独走状態をつくった。
しかしGRGarage水戸インター GR86は最初のピット作業後、まさかのエンジントラブルが発生して緊急ピットイン。ガレージで30分の修復作業を行ってコースに戻ったが、規定周回数をクリアできず、林テレンプ SHADERACING 86が優勝。今季のタイトルを逆転で確定させた。
ST-5クラスはodula Star5 Roadster(橋本陸/貫戸幸星/大崎達也組)が今季3勝目を挙げ、前日の予選結果でタイトルが確定したodula TONE MOTULロードスター(武地孝幸/太田達也/大野尊久/猪股京介組)が2位でゴールした。
ST-Qクラスは、バイオマスを由来とした合成燃料を使用するMAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO(井尻薫/前田育男/寺川和紘/関豊組)の走りに注目が集まった。水素燃料エンジン車であるORC ROOKIE Corolla H2 concept(井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO/松井孝允組)と、MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIOは両車とも完走を果たす。耐久レースらしく2台並んでのゴールシーンとなった。









続いて気温15度ほどまで上がった13時33分にスタートが切られたGr.1の決勝。
ST-Xクラスは前回タイトルが確定したD'station Vantage GT3は、2週間前のWEC参戦もあり、このレースを欠場している。レースはポールポジションスタートのPC Okazaki 911 GT3Rの上村選手が速さを見せてトップを守った。そして42周でピットインすると、5番手スタートから2番手へ順位を上げていたDAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/青木孝行/藤波清斗/大八木龍一郎組)の青木選手がトップに立ち、48周にピットイン。
トップに戻ったPC Okazaki 911 GT3Rの中山選手は独走状態を築き、77周でピットインして永井選手に交代。3番手に順位を落としていたDAISHIN GT3 GT-Rは、77周でピットインすると大八木選手から藤波選手へ。そして終盤の97周目の1コーナーで、LEXUS RCF GT3(永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗組)から2位を奪い返した。PC Okazaki 911 GT3Rは大量44.8秒のリードで、今季第2戦以来の2勝目を挙げた。
タイトル争いが最終戦まで持ち越されていたST-Zクラスは、序盤はアスラーダ Ver. Supra(鈴木利男/松本武士組)の松本選手がトップを奪って独走状態へ持ち込む。2番手を走行していたFABULOUS GRMI GRSUPRA GT4(鈴木宏和/久保凛太郎/塩津佑介/佐藤公哉組)が、最初のピットインでタイヤ後輪のみの交換でピット滞在時間を短縮。
FABULOUS GRMI GRSUPRA GT4はこれが功を奏し、GT4スープラの初優勝を決めた。ENDLESS AMG GT4(内田優大/山内英輝/菅波冬悟組)は接触行為でドライブスルーのペナルティを科せられたが、山内選手から内田選手、菅沼選手とつないで4位フィニッシュし、クラス3連覇を達成した。
ST-TCRクラスは、ABSなどのマシントラブルを抱えながらもすでに今季タイトルを確定しているおとぎの国 CIVIC TCR(塚田利郎/蘇武喜和/霜野誠友/清瀧雄二組)が今季3勝目。
ST-QクラスはORC ROOKIE Racing GR SUPRA(蒲生尚弥/豊田大輔/山下健太/小倉康宏組)が、ST-Zクラス3位相当の順位で完走を果たす。
ST-1クラスはmuta Racing GR SUPRA(堤優威/阪口良平/堀田誠組)が2勝目を挙げた。
ST-2クラスは、KTMS GR YARIS(野中誠太/平良響/翁長実希組)と、今回デビュー戦であるENDLESS GR YARIS(小河諒/花里祐弥組)が終盤に超接近戦を展開したが、0.223秒差でKTMS GR YARISが逃げ切って4勝目を挙げた。











フォト/遠藤樹弥、吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部