全日本と地区戦のトップランカーが好勝負を展開! 2年ぶりに開催のJAFカップ&JMRCオールスターダートトライアル

レポート ダートトライアル

2021年12月8日

JAFカップオールジャパンダートトライアルとJMRC全国オールスターダートトライアルが、11月13~14日に石川県輪島市の輪島市門前モータースポーツ公園で開催された。

2021年JAFカップオールジャパンダートトライアル
2021年JMRC全国オールスターダートトライアル in 中部

開催日:2021年11月13~14日
開催場所:輪島市門前モータースポーツ公園(石川県輪島市)
主催:THREE-R

 全国各地のダートコースを1年ずつ転戦して開催されるJAFカップオールジャパンダートトライアル。2020年は長野県野沢温泉村のモーターランド野沢で同大会が開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、開催が中止。今年は中部地区の輪島市門前モータースポーツ公園に開催地を変え、2年ぶりに開催を迎えることとなった。

 全日本上位ランカーと各地方選手権で活躍した上位陣が優先的に参加できるこの大会、今年は全国各地から105台のエントリーを集めた。決勝のコースは、輪島市門前モータースポーツ公園の外周をたっぷりと使ったハイスピードレイアウトだ。

 全国の都道府県に発令されていた緊急事態宣言が解除されたことを受け、今回は検温や問診票の提出、手指のアルコール消毒、密にならないパーソナルスペースの確保など、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を行った上で、ギャラリーエリアを開放。会場を訪れた観客は、各マシンが全開でギャラリーコーナーを攻めるダイナミックな走りを堪能した。

 週末にかけてたっぷりと降った雨の影響により、決勝日のコースはウェットコンディション。決勝日の午前中は小雨が降ったり止んだりと不安定な天候だったが、第2ヒートが始まるころにはウェット路面ながらも泥が掃け、路面コンディションは好転。第2ヒートはベストラップ更新ラッシュとなり、全クラスとも第2ヒート勝負となった。

新型コロナウイルス感染症の感染対策として開会式とドライバーズブリーフィングはリモート形式で実施。選手はパドックで放送を聞いて参加した。
競技の模様を観客が視聴できるよう、会場の一角に設けられたモニター。今回はドローンを使ったライブ中継が行われた。
全日本選手権門前ラウンドではおなじみの「輪島塗カップ」が、オーバーオール最速の選手に贈呈される。JD1優勝の鎌田卓麻選手が1分17秒100のタイムで獲得した。
外周を思い切り走るハイスピードなレイアウト。降雨により一部では泥土が形成され、予想外に滑りやすい路面となった。

 JMRCオールスターのクラスとして併設されたRWDクラスは、全日本のJD11クラスで活躍するほか、中部地区のRWDクラスチャンピオンを獲得した寺田伸選手が両ヒートでベストタイムをマーク。中部地区3位の杉田聡選手に0.327秒差をつけ、RWDクラス優勝を果たした。3位には旧車のトヨタ・カリーナで中部地区2位を獲得した横山修二選手が入賞した。

RWDクラス優勝は寺田伸選手(TガレージDLベルテックス86)。
RWDクラスの表彰式。左から2位の杉田聡選手、1位の寺田選手、3位の横山修二選手。

 JD9クラスは、路面コンディションが好転した第2ヒートでこのコースを得意とする本道治成選手がトップに躍り出るが、今シーズンの全日本で初チャンピオンを獲得した太田智喜選手が逆転。全日本とJAFカップのダブルタイトルを獲得した。2位に本道選手、3位に全日本3位の工藤清美選手が入賞し、このクラスは1500ccマシンが表彰台1~3位を独占する結果となった。

JD9クラス優勝は太田智喜選手(DLMotysクスコデミオ)。
JD9クラスの表彰式。左から4位の上野倫広選手、2位の本道治成選手、1位の太田選手、3位の工藤清美選手、5位の渥美孝太郎選手、6位の川島靖史選手。

 JD8クラスは、第1ヒートでトップタイムをマークした全日本5位の中島孝恭選手が、第2ヒートもベストタイムを更新。2015年以来、二度目となるJAFカップ優勝を果たした。2位には、全日本2位の鳥居晴彦選手、3位には東北チャンピオンの竹村由彦選手がそれぞれ入賞した。

JD8クラス優勝は中島孝恭選手(TEINルブロスYHスイフト栗)。
JD8クラスの表彰式。左から4位の江崎和則選手、2位の鳥居晴彦選手、1位の中島選手、3位の武村由彦選手、5位の土井直子選手。

 全日本の上位3台が揃ったJD7クラスは、全日本最終戦でタイトルを取り逃した岡翔太選手が、両ヒートでベストタイムを刻み、全日本のリベンジとなるJAFカップ優勝。2位には全日本チャンピオンの山崎利博選手、3位には前日の公開練習では両ヒートを制する活躍を見せながらも、決勝はスピンに泣いた全日本3位の崎山晶選手が入賞した。

JD7クラス優勝は岡翔太選手(itzzオクヤマDLBRZ)。
JD7クラスの表彰式。左から4位の前田蔵人選手、2位の山崎利博選手、1位の岡選手、3位の崎山晶選手、5位の和泉泰至選手、6位の松岡剛志選手。

 JD6クラスは、門前を得意とする中部の伏見浩二選手が全日本チャンピオンを抑えて第1ヒートのトップタイムをマーク。第2ヒートもベストタイムを約3秒更新した伏見選手は、そのまま逃げ切りJAFカップ初優勝を果たした。2位には、伏見選手に0.734秒届かなかった北條選手が、3位には全日本レギュラードライバーの西田裕一選手がそれぞれ入賞を果たした。

JD6クラス優勝は伏見浩二選手(シロキヤDLランサー)。
JD6クラスの表彰式。左から4位の角皆昭久選手、2位の北條倫史選手、1位の伏見選手、3位の西田裕一選手、5位の馬場一裕選手、6位の河田富美男選手。

 JD5クラスは、第2ヒートでクラス2番目に出走した井之上優選手が、河石潤選手のマークした第1ヒートトップタイムを一気に約4秒上回るベストタイムをマーク。この井之上選手のタイムがクラス後半ゼッケンに入っても塗り替えられず、ウェットコースをダイナミックに攻めた井之上選手が、JAFカップ初優勝を果たした。2位には、門前のスペシャリスト的な存在で、2016年の門前ラウンドでは全日本優勝の経験を持つ石崎雄一選手が入賞。3位にはウェット路面でリア駆動のMR2を巧みに操った中部の横内由充選手が入賞した。

JD5クラス優勝は井之上優選手(DLクスコSMaSHインテグラ)。
JD5クラスの表彰式。左から4位の山田将崇選手、2位の石崎雄一選手、1位の井之上選手、3位の横内由充選手、5位の広上徹選手、6位の村瀬貴之選手。

 JD4クラスは、第1ヒートでトップタイムを奪ったマイケルティー選手が、第2ヒートもベストタイムを更新。トップを譲らない鉄壁の走りでJAFカップ優勝を果たした。2位には、今シーズンの全日本最終戦で優勝を飾った浜孝佳選手が、3位には中部地区3位の前田利幸選手が、第1ヒート9番手から大きくポジションを上げて入賞を果たした。

JD4クラス優勝はマイケルティー選手(DLブリッドitzzランサー)。
JD4クラスの表彰式。左から4位の加藤琢選手、2位の浜孝佳選手、1位のマイケルティー選手、3位の前田利幸選手、5位の岡本泰成選手、6位の鈴木信地郎選手。

 JD3クラスは、かつては全日本のN1クラスやPN1クラスで活躍していた中部の森大士選手が第2ヒートでベストタイムたたき出すが、中国の山下貴史選手がベストタイを塗り替え、第1ヒート6番手から大きくポジションアップしてトップに浮上してくる。だが、第1ヒートトップの山崎迅人選手が、山下選手のタイムを0.625秒更新。今シーズンは全日本の連覇を逃したが、JAFカップでそのリベンジとなる優勝を果たした。

JD3クラス優勝は山崎迅人選手(YHマックスゲンシンミラージュ)。
JD3クラスの表彰式。左から4位の佐藤史彦選手、2位の山下貴史選手、1位の山崎選手、3位の森大士選手、5位の坂井秀年選手、6位の則信重雄選手。

 全日本レギュラーで関東2位の熊川嘉則選手が第1ヒートトップを奪ったJD2クラスは、前日の公開練習で2ヒートともベストタイムを刻んだ吉村修選手が第2ヒートでベストタイムを更新。そのまま逃げ切り、約4年ぶりとなる優勝を果たした。2位には全日本2位の亀田幸弘選手が入賞、3位には第1ヒートトップの熊川選手がそれぞれ入賞した。

JD2クラス優勝は吉村修選手(FORTECナビクDLランサー)。
JD2クラスの表彰式。左から4位の岩下幸広選手、2位の亀田幸弘選手、1位の吉村選手、3位の熊川嘉則選手、5位の片貝佳之選手。

 今シーズンの全日本で熾烈なチャンピオン争いを展開した谷田川敏幸選手と鎌田卓麻選手が出場したJD1クラス。公開練習の第1ヒートは谷田川選手、コースレイアウトが変わった第2ヒートは鎌田選手がトップタイムと、両者一歩も引かない好勝負を展開した。決勝の第1ヒートも、0.046秒差という僅差で谷田川選手がトップタイムという、まさに0.01秒を争う緊迫した勝負を展開。

 だが、この第1ヒートの結果を受けて「普段は入ったことがないスイッチが入りました。第2ヒートはとにかくアクセルを踏める限り踏んで攻めました」と鎌田選手がベストタイムを更新。2019年のスナガワラウンド以来、実質的なJAFカップ2連覇を果たした。2位に谷田川選手、3位には九州の江川博選手がそれぞれ入賞した。

JD1クラス優勝は鎌田卓麻選手(itzzオクヤマDL栗原BRZ)。
JD1クラスの表彰式。左から4位の渡辺徹選手、2位の谷田川敏幸選手、1位の鎌田選手、3位の江川博選手、5位の蓮池量之選手、6位の山口幸男選手。
参加者を地区ごとのチームに振り分けて獲得ポイントを競うJMRC地区対抗戦は、中部1チームが優勝を果たした。

フォト/CINQ、JAFスポーツ編集部 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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