JAF認定イベント「JEGTグランプリ2021」、東京オートサロン2022で団体戦グランドファイナル開催!

レポート その他

2022年1月27日

2020年からシリーズ戦が始まったeスポーツ大会「JEGTグランプリ」2021年シーズンの団体戦グランドファイナルが東京オートサロン2022の会場で開催された。予選ラウンド3戦で上位得点を獲得した計10チームによる、オフラインのシーズン最終決戦が行われた。

AUTOBACS JEGT GRAND PRIX 2021 Series TEAM BATTLE(団体戦)GRAND FINAL
(JAF認定eスポーツイベント/東京オートサロン2022)

開催日:2022年1月15日(土)
開催地:幕張メッセ・イベントホール(千葉県美浜区)
主催:NGM株式会社(JAF加盟団体)

 2019年に発足して、2020年からAUTOBACSの冠スポンサーを獲得してシリーズ戦がスタートした「AUTOBACS JEGT GRAND PRIX」。このシリーズはモータースポーツをテーマとしたeスポーツとしては国内最大級の規模を誇り、INDIVIDUAL MATCH(個人戦)とTEAM BATTLE(団体戦)で構成されている。

 このうち団体戦は、プロレーシングチームを始め、プロゲーミングチームや自動車関連企業の支援を受けるチームなどが参戦していることが大きな特徴で、2021シーズンは19チームがエントリーして、予選ラウンドの獲得ポイント上位10チームがグランドファイナルに進出できるフォーマットとなっている。

 2021年11月には、団体戦のグランドファイナルが「東京オートサロン2022」で開催されることが明らかにされ、開催日の1月15日には、予選ラウンドで好成績を収めた上位10チームのメンバーが、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止策を徹底してイベントホールに集結。この大会と、2月6日に予定されている個人戦グランドファイナルは「JAF認定」イベントとして行われることも確定している。

 AUTOBACS JEGT GRAND PRIXは、PlayStation4用ソフト「グランツーリスモSPORT」を使用した、いわゆる「eモータースポーツ」として知られ、団体戦グランドファイナルは、予選3戦が「オンライン」で開催されてきたのに対して、プレイヤーがプレイヤーがチームメイトやライバルと一緒にステージ上で戦う「オフライン」開催となった。

 団体戦は3名1組で行われ、15周の決勝レースにおいて最低義務周回はアウトラップを含む4周とされている。つまり一つの筐体を3名でシェアする必要があるため、ステージ上ではオンライン開催では実現できなかった、リアルなドライバー交代が必要となる。

 グランツーリスモSPORTはリアルレースを追求したソフトで、スリップストリームを始めとしたリアルなレーステクニックも再現されている。プレイヤーの実力が拮抗していて、レースがシビアな展開になるほど、ソフトウェア上での競り合い「以外」の要素が勝負を左右する。今回はオフライン開催ということで不確定要素が加わっているため、オフライン対戦に慣れていないプレイヤーの挙動にも注目が集まっていた。

 予選3戦の結果から、ポイントリーダーは280号車NIWAKA RACING(井芹颯真選手/堤口直斗選手/古屋公暉選手)となっていたが、グランドファイナル前の2021年1月8日に行われた予選スーパーラップでは、TC CORSE SPK e-SPORT Racing(菅原達也選手/鍋谷奏輝選手/深谷諄選手)105号車が、鍋谷選手によりトップタイムを計測してグランドファイナル決勝レースのポールポジションを獲得することになった。

 EVANGELION e-RACING with HIROSHIMA MAZDA(宮園拓真選手/山中智瑛選手/龍翔太郎選手)01号車は宮園選手が2番手タイム、そしてARTA (杉守翔平選手/滝田歩夢選手/加藤達彦選手)55号車は杉守選手が3番手タイムを計測して、決勝レースの上位グリッドが確定した。しかし、ポイントリーダーのNIWAKA RACINGはトラックリミット違反の判定により予選スーパーラップはノータイム。10番グリッドから出走となった。

 決勝レースは、予選スーパーラップと同じ、快晴のスパ・フランコルシャンが舞台となり、タイヤはレーシングミディアムとレーシングハードを設定。ハードタイヤについては1スティント以上の使用義務がある。ドライ路面の15周、3スティントの決勝レースは、深谷選手が駆る105号車を先頭に、ローリングスタートで始まった。

 スタート直後から、105号車に対して01号車の宮園選手が猛プッシュ。55号車もピタリと後ろに付けて上位勢はダンゴ状態となる。この上位勢はミディアムスタートで、下位グリッドはハードタイヤ装着でスタート。消耗倍率はミディアム有利の設定ということで、プレイヤーの実力とタイヤ消耗を勘案したピット戦略も見どころとなった。

 序盤は105号車を先頭に上位5台が集団走行となる。3周目には01号車の宮園選手が105号車をパスして首位に立ち、後続を引き離していく。ペースの上がらない105号車は4周目には55号車にパスされてしまうが、そのタイミングを利用して早めにピットインへ入り、第2ドライバーに交代する。その間に54号車が2番手に上がり、その後に01号車と55号車がピットに入ったことで、54号車が首位に立った。

 01号車は第2ドライバーの龍選手に交代し、先に交代を済ませた105号車の前方となる3番手でコースに復帰。その約3秒後方には55号車が4番手につけており、54号車がピットインを引き伸ばしているため、1回目のピット消化組としては01号車と105号車、55号車がトップ3を構成してレース中盤に突入する。

 そして7周目には、01号車の後方にピタリと付けていた105号車が01号車をパスして2番手にアップ。この時点で54号車は第1ドライバーがギリギリまで引っ張る戦略を行使していた。8周目でようやくピットに入った54号車だが、その間に105号車と01号車、55号車がストレートを通過したため、54号車は4番手でコースに復帰することになった。

 105号車と01号車による第2ドライバー同士のトップ争いは、約コンマ5秒差以内のテール・トゥ・ノーズが続く。そして10周目、01号車の龍選手が105号車をパス。01号車が再びトップに立った。しかし、105号車はスリップ圏内に付けており、同じMAZDA RX-VISION GT3 CONCEPT同士の戦いということもあり、シビアな膠着状態が続いていた。

 そして、残り4周となる11周目の終了時には、01号車、105号車、55号車の順で、かつ4番手の54号車も含めて上位4台が同時ピットイン。しかし、経験豊富なプレイヤーたちによるドライバー交代は的確に終了し、01号車と105号車、55号車の順で第3ドライバーがコースに復帰。しかも、01号車はピット作業で105号車と約コンマ9秒差を付けて、スリップが利かないディスタンスを確保した状態でコースに復帰していた。

 こうなるとトップの01号車は自分のペースで走行できるため、プレイヤーの実力で後続との差を引き離すことができる。逆に2番手の105号車は、いかに01号車のスリップ圏内に入るかという必死の追い上げとなる。105号車の第3ドライバーは手練の菅原達也選手。しかし、01号車の第3ドライバーもFIAグランツーリスモ選手権でも活躍した山中選手だ。

 そして、上位3台がそれぞれ単独走行の状態でファイナルラップを迎える。15周のレースは山中選手が駆る01号車がトップチェッカー、2番手は105号車、3番手は55号車という順でフィニッシュした。チェッカーの瞬間、ステージを見守るチームは拍手喝采。第3ドライバーの山中選手も拳を突き上げて勝利を確信する。暫定結果を受けてペナルティを検証する審査時間を経て、この着順が団体戦グランドファイナルの正式な結果となった。

 AUTOBACS JEGT GRAND PRIX 2021団体戦のシリーズ王者は、トップフィニッシュの01号車EVANGELION e-RACING with HIROSHIMA MAZDAに決定。2位フィニッシュの105号車TC CORSE SPK e-SPORT Racingがシリーズ2位を獲得。シリーズ3位はレースを4位でフィニッシュした54号車TC CORSE Esports MAZDAという結果となった。

「TC CORSE SPKさんとのバトルになりましたが、2回目のピット作業がコンマ3秒だけ速かったんですよ。このコンマ3秒でスリップストリームから抜け出すことができたので優勝することができました。まずは1位でゴールできたのでホッとしています」とは、EVANGELION e-RACING with HIROSHIMA MAZDAの山中智瑛選手。

「JEGTの魅力というのは、企業さんと一緒にドライバーがチームを組んで、みんなが一丸となって一つの目標に向かっていくという点ですね。今までは個人で戦うことが多かったのですが、例えば地元色の強いドライバーが参戦してくるとか、優勝するために強いチームに行ったりとか、今までなかったさまざまな試みがあるところに面白さを感じています。そして、リアルモータースポーツに合わせたレギュレーションですね。例えばピットでのルールだったりとか、そういう要素が今回のレースでは勝敗に影響していたと考えているので、そこも面白いですね。自分としては、チームを作っていくということも面白かったので、また来年も連覇に向けてチャレンジしたいと思っています」とも語ってくれた。

 なお、AUTOBACS JEGT GRAND PRIX 2021シリーズのINDIVIDUAL MATCH(個人戦)グランドファイナルは、2月6日にJAF認定イベントとしての開催が予定されているが、今回のようなオフラインではなくオンライン開催となる可能性もあるため、詳細な情報は公式サイトで確認してほしい。

団体戦グランドファイナルの会場は東京オートサロン2022が開催される幕張メッセのイベントホール。ステージ上には10機の筐体が並び、中央には実況解説ブースが設置された。
開会に際して冠スポンサーを務めるオートバックスセブンの小林喜夫巳代表が挨拶。本大会の実況アナウンサーは鈴木学氏が担当し、解説は谷口信輝氏、西澤健太氏が担当した。
団体戦グランドファイナルに出場する10チームの選手紹介。シリーズ首位はNIWAKA RACING、予選スーパーラップではTC CORSE SPK e-SPORT Racingがポールポジションを獲得した。
105号車TC CORSE SPK e-SPORT Racingを先頭に、01号車EVANGELION e-RACING with HIROSHIMA MAZDA、55号車ARTAのグリッド順で15周のレースがスタート。
コロナ禍の影響もあり今季のJEGTはオンライン開催が続いてきたが、団体戦グランドファイナルではプレイヤーがステージ上の筐体で操作するオフライン開催が実現した。
TC CORSE SPK e-SPORT Racingの105号車が首位でスタートしたが、同じくMAZDA RX-VISION GT3 CONCEPTを駆る01号車の宮園拓真選手がすぐさまトップを奪う展開に。
オフライン開催では3名1組が一つの筐体で15周を戦う団体戦。ステージ下でレース展開を把握しながらピットタイミングを図り、随所でリアルなドライバー交代が演じられた。
中盤では01号車が2番手走行となったが、10周目で龍翔太郎選手が105号車をパスして再び首位に立つ。11周目には01号車と105号車、55号車の上位3台が同時ピットで第3ドライバーに交代する白熱の展開。01号車山中智瑛選手はトップを維持してコースに復帰。
105号車は01号車に続いてコースに戻ったものの、うまくスリップを抜けた01号車の最終走者・山中選手は徐々に後続を引き離す展開。その結果、約2秒差で01号車がトップチェッカーを受けた。
団体戦グランドファイナルの優勝は、2回目のピット作業で約コンマ3秒短縮したEVANGELION e-RACING with HIROSHIMA MAZDA。2位はTC CORSE SPK e-SPORT Racing、約5秒差の3位にはARTAがつけた。
15周の決勝レースは入念な審議を経て結果が確定。本大会を制してシリーズ王者に輝いたEVANGELION e-RACING with HIROSHIMA MAZDAには、オートバックスセブン小林代表からシリーズ賞金200万円の目録と、オリジナルのトロフィーが贈呈された。
団体戦のシリーズ王者はEVANGELION e-RACING with HIROSHIMA MAZDA。シリーズ2位はTC CORSE SPK e-SPORT Racingでシリーズ賞金100万円を獲得。シリーズ3位はTC CORSE Esports MAZDAでシリーズ賞金50万円を獲得している。

AUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2021 Series
TEAM BATTLE(団体戦)GRAND FINAL 暫定リザルト

1位 01号車 EVANGELION e-RACING with HIROSHIMA MAZDA
2位 105号車 TC CORSE SPK e-SPORT Racing
3位 55号車 ARTA
4位 54号車 TC CORSE Esports MAZDA
5位 777号車 D'station Racing
6位 888号車 Sengoku Gaming
7位 280号車 NIWAKA RACING
8位 12号車 KOSHIDO RACING
9位 11号車 KOSHIDO Jr. RACING
10位 301号車 LAKE GAMING

AUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2021 Series
TEAM BATTLE(団体戦)ポイントスタンディング

1位 EVANGELION e-RACING with 広島マツダ 93pt
2位 TC CORSE SPK e-SPORT Racing 81pt
3位 TC CORSE Esports MAZDA 75pt
4位 ニワカレーシング 69pt
5位 ARTA 64pt
6位 Sengoku Gaming 55pt
7位 D'station Racing 44pt
8位 KOSHIDO RACING 43pt
9位 KOSHIDO Jr. RACING 34pt
10位 LAKE GAMING 34pt
11位 NISSAN×TRUST Racing 27pt
12位 WEB OPTION RACING 20pt
13位 LAILE 横浜 16pt
14位 LAILE 木更津 14pt
15位 TEAM AUTOBACS @ HOKUEI Racing 13pt
16位 ホンダカーズ南札幌 e-RACING 7pt
17位 HKS e-MotorSport 3pt
18位 Team TAISAN WRF 3pt
19位 TEAM AUTOBACS @ G-7 AUTOSERVICE 3pt

JEGT GRAND PRIX公式サイト
https://www.jegt.jp/

フォト/JAFスポーツ編集部、JAF、東京オートサロン事務局 レポート/JAFスポーツ編集部

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