S耐開幕戦鈴鹿5時間は残り20分を切りまさかの急展開、DAISHIN GT3 GT-Rが開幕戦を制す

レポート レース

2022年3月25日

ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookの開幕戦「SUZUKA 5時間耐久レース」が、3月19~20日に鈴鹿サーキットで開催。残り20分を切った終盤にトップを奪い返したポルシェセンター岡崎911GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔組)が、トップ浮上直後にバックマーカーに追突してリタイア。DAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/青木孝行/藤波清斗/坂口夏月組)が逆転優勝を飾った。

ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第1戦「SUZUKA 5時間耐久レース」
開催日:2022年3月19~20日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:NRC、SMSC、ホンダモビリティランド株式会社

 今回はST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-Q、ST-1~3、ST-5の全8クラスに計50台が参加。19日に行われた公式予選はA、Bドライバーのベストタイム合算で争われ、ポルシェセンター岡崎911GT3Rがポールポジションを獲得した。

 20日、曇天の11時44分にスタートした決勝レースは、ポルシェセンター岡崎911GT3Rの永井選手をDENSO LEXUS RC F GT3(永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗組)の小高選手、HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次組)の平木湧也選手が追う展開。

 しかし序盤に130Rでクラッシュした車両があり、開始早々から15分間でフルコースイエロー、そしてセーフティカー導入となった。トップ争いはDENSO LEXUS RC F GT3の小高選手が16号車ポルシェセンター岡崎911GT3Rの永井選手からトップを奪い、後続を引き離しにかかった。HELM MOTORSPORTS GTR GT3の平木湧也選手も2番手に浮上した。

 中盤、ポルシェセンター岡崎911GT3Rは永井選手から上村選手、伊藤選手とつないで再びトップに立った。2番手に順位を上げていたHELM MOTORSPORTS GTR GT3は平木兄弟から鳥羽選手に交代した周にパワーステアリングのトラブルで緊急ピットインして上位争いから脱落。5番手スタートだったDAISHIN GT3 GT-Rは大八木選手から青木選手、坂口選手とつないで2番手に浮上した。残り1時間20分の時点で坂口選手がピットインして藤波選手に交代。上位陣が最後のピットインを済ませると、トップのポルシェセンター岡崎911GT3Rの3秒後方に迫った。

 レースも残り1時間を切った時点で、逆バンクでスピンを喫した車両があり、ポルシェセンター岡崎911GT3Rの上村選手を含む後続車両は大渋滞となった。そこをDAISHIN GT3 GT-Rの藤波選手が抜き去り105周目にトップに立った。そこから上村選手が藤波選手を追いかけ、30分以上にわたるテール・トゥ・ノーズの超接近戦が展開。上村選手より6周早い時点でピット作業を済ませていた藤波選手は燃費走行を強いられ、思うようにペースを上げられない。

 122周目の最終コーナーでポルシェセンター岡崎911GT3Rの上村選手はDAISHIN GT3 GT-Rの藤波選手に並ぶと、123周目の2コーナーでトップを奪い返した。しかし上村選手はトップを奪回した直後、124周目のヘアピン立ち上がりでバックマーカーに追突。右フロントを大きく壊し、ボンネットが開いた状態でピットインしレースを終えた。

 レースは残り20分を切っており、そこで再びトップに立ったDAISHIN GT3 GT-Rの藤波選手は、126周目に最後まで走りきるために安全策を採りピットインして給油。132周を走破して昨年の富士24時間以来の優勝を遂げた。2位はTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴組)、3位はDENSO LEXUS RC F GT3だった。

#81 GTNET MOTOR SPORTSのDAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/青木孝行/藤波清斗/坂口夏月組)がST-Xクラスで優勝。
ST-Xクラスの表彰式。左から2位の#23 TKRI、1位の#81 GTNET MOTOR SPORTS、3位の#31 apr。

 ST-Zクラス(全7台)は終盤に逆転したシェイドレーシングGR SUPRA GT4(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎組)、ST-TCRクラス(全2台)はライバルのトラブルもありTeam Noah HONDA CIVIC TCR(塚田利郎/蘇武喜和/霜野誠友/和田慎吾組)、ST-Qクラス(全5台)は昨年のST-ZクラスチャンピオンであるENDLESS AMG GT4(小河諒/菅波冬悟/川端伸太朗組)、ST-1クラス(全3台)はディフェンディングチャンピオンであるシンティアム アップル KTM(IDA TAIYO/高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹組)、ST-2クラス(全7台)はKTMS GR YARIS(平良響/荒川麟/奥住慈英組)、ST-3クラス(全6台)は埼玉トヨペットGBクラウンRS(服部尚貴/吉田広樹/川合孝汰組)、ST-5クラス(全14台)は2.8秒の僅差でOHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉組)がそれぞれクラス優勝を飾った。

#885 SHADE RACINGのシェイドレーシングGR SUPRA GT4(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎組)がST-Zクラスで優勝。
ST-Zクラスの表彰式。左から2位の#310 COROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racing、1位の#885 SHADE RACING、3位の#500 TEAM 5ZIGEN。
#75 Team NoahのTeam Noah HONDA CIVIC TCR(塚田利郎/蘇武喜和/霜野誠友/和田慎吾組)がST-TCRクラスで優勝。
ST-TCRクラスの表彰式。1位の#75 Team Noah。
#3 ENDLESS SPORTSのENDLESS AMG GT4(小河諒/菅波冬悟/川端伸太朗組)がST-Qクラス1位。
#2 K'sフロンティアKTMカーズのシンティアム アップル KTM(IDA TAIYO/高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹組)がST-1クラスで優勝。
ST-1クラスの表彰式。左から2位の#38 TRACY SPORTS、1位の#2 K'sフロンティアKTMカーズ。
#225 KTMS KOBETOYOPET MOTOR SPORTSのKTMS GR YARIS(平良響/荒川麟/奥住慈英組)がST-2クラスで優勝。
ST-2クラスの表彰式。左から2位の#13 ENDLESS SPORTS、1位の#225 KTMS KOBETOYOPET MOTOR SPORTS、3位の#59 TOWAINTEC Racing。
#52 埼玉トヨペット Green Braveの埼玉トヨペットGBクラウンRS(服部尚貴/吉田広樹/川合孝汰組)がST-3クラスで優勝。
ST-3クラスの表彰式。左から2位の#39 TRACYSPORTS with DELTA、1位の#52 埼玉トヨペット Green Brave、3位の#311 FKS team fukushima。
#72 日本自動車大学校のOHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉組)がST-5クラスで優勝。
ST-5クラスの表彰式。左から2位の#66 OVER DRIVE、1位の#72 日本自動車大学校、3位の#17 TEAM NOPRO。

フォト/吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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