ヘイキ・コバライネン/北川紗衣組が2戦連続全SS制覇!
2022年4月8日
4月1~3日、佐賀県唐津市周辺を舞台に2022年全日本ラリー選手権第2戦が開催された。開幕戦の新城ラリーに続き、JN1クラスのヘイキ・コバライネン/北川紗衣組がすべてのSSをトップで走り抜けて2連勝を飾った。
2022年全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州 2022 in 唐津」
開催日:2022年4月1~3日
開催地:佐賀県唐津市周辺
主催:GRAVEL
開幕戦に引き続きターマック路面で争われる第2戦は、2日間に渡って5か所の林道のスペシャルステージ(SS)を2回ずつ走行する10SS(SS総距離67.80km)が設定された。2日の13時に先頭車がスタートするラリーは、初日にリフューエルを挟み、サービスなしで4本のSSを走破。2日目は3か所の林道SSを、サービスを挟んで2回ずつ走行する。
今回は、この大会としては3年ぶりに、2日の土曜日にギャラリーエリアを設定。新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防の観点から、ギャラリーエリアに入場できるのは最大50台までという限定付きだが、会場を訪れた観客は、狭い林道ステージを豪快に駆け抜けるラリーカーのダイナミックな走りを堪能した。
また2日の午前中には全参加選手を対象に2022年第1回JAF救急活動セミナーが行われ、選手たちはコロナ下における感染対策を採ったラリーでの救助活動や実技などを受講した。
開幕戦を制したJN1クラスのヘイキ・コバライネン/北川紗衣組は、この第2戦でもSS1(SANPOU1)からベストタイムを連発する。今シーズンからJN1クラスに導入された性能調整により、最低重量に30kgが加算された重量がこの第2戦で科せられたが、コバライネン/北川組はその重量ハンデをものともせずに初日すべてのステージでベストタイムをマーク。
2日目に入っても「このラリーは僕らにとって経験がないラリーだったけど、ペースノートはラリーを進めるごとにどんどん良くなっていった」とそのペースは落ちず、開幕戦に続いて全SSでベストタイムをマークするという速さで開幕2連勝を決めた。
2位には、「トラブルフリーで走れたことが良かった。クルマもタイヤも唐津のステージに合っていた。いつものコ・ドラ(東駿吾選手)の代役でお願いした山本選手も良い仕事をしてくれました」という奴田原文雄/山本磨美組が入賞。3位は「初日のセクション1で遅れたことが最後まで響きました」という勝田範彦/木村裕介組がそれぞれ入賞した。
開幕戦に続いて中平勝也/島津雅彦組が優勝したJN2クラス。このラリーでも全SSでクラスベストタイムを奪うとともに、2WD勢トップとなる総合10位でフィニッシュ。GRスープラで2戦目となるAKIRA/美野友紀組も、2戦連続2位で完走を果たした。
JN3クラスは、今シーズンの開幕戦で全日本ラリーデビューを果たした山田啓介/藤井俊樹組が初日のトップを奪ってみせる。その山田/藤井組に2.1秒差で山本悠太/立久井和子組がクラス2番手、そこから0.1秒差で山口清司/漆戸あゆみ組、さらに2.7秒差でレーシングドライバーの久保凜太郎選手と丸山晃助選手のペア、その久保/丸山組に4.5秒差で開幕戦優勝の竹内源樹/木村悟士組と、上位5台が9.4秒の中にひしめき合う展開となった。
2日目に入るとSSごとに2番手以下の順位が変わるという0.1秒の攻防戦となったが、山田/藤井組はトップの座を死守。昨年、JAF中部ラリー地方選手権で初チャンピオンを獲得した若武者が、全日本ラリー参戦2戦目で激戦区のJN3クラスを制することとなった。2日目にペースを上げてきた竹内/木村組が2位入賞。3位には、「次戦はGR86をシェイクダウンさせるつもりです」という山本/立久井組がそれぞれ入賞した。
JN4クラスは、SS1で鮫島大湖/船木佐知子組がベストタイムを奪うが、SS3(SANPOU2)で地元の黒原康仁/松葉謙介組が鮫島/船木組を逆転してトップに浮上してくる。黒原/松葉組は2日目に入ってもトップを死守し、最終SS手前のSS9(HACHIMAN2)を終えた時点で2番手の鮫島/船木組に1.9秒の差をつける。だが3.85kmの最終SS(SHIRAKIKOBA2)で鮫島/船木組が黒原/松葉組を3.1秒逆転。「SHIRAKIKOBAは得意なので、一発頑張りました!」という鮫島/船木組が最終SSの逆転劇で、2021年の第4戦久万高原ラリー以来となる全日本2勝目を獲得した。
JN5クラスは、開幕戦を制した天野智之/井上裕紀子組がSS1からトップをキープ。2日目に入っても天野/井上組の牙城が崩れることはなく、2番手に浮上してきた渡部哲成/橋本美咲組に42秒の大差をつけて開幕2連勝を果たした。
ベテランの中西昌人/有川美知代組が参入してきたJN6クラスは、開幕戦優勝の海老原孝敬/山岸典将組が、このラリーでもSS1から独走態勢に。2日間に渡って路面コンディションや路面温度に合わせたタイヤ戦略が功を奏し、2位の中西選手に3分以上の大差をつけて開幕2連勝を果たした。2位は中西/有川組、3位は全日本ラリー参戦2戦目の佐藤セルゲイビッチ/中嶌杏里組が16.5秒差で入賞した。
フォト/CINQ、中島正義、山口貴利 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
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