全日本レギュラー陣と丸和スペシャリストの激闘! JD5クラスでは臼井達哉選手が初勝利の快挙!!

レポート ダートトライアル

2022年5月9日

今シーズンは全7戦が組まれている全日本ダートトライアル選手権。その第3戦となる「DIRT-TRIAL in NASU」が、4月23~24日に栃木県那須塩原市の丸和オートランド那須で開催された。

2022年JAF全日本ダートトライアル選手権 第3戦「DIRT-TRIAL in NASU」
開催日:2022年4月23~24日
開催地:丸和オートランド那須(栃木県那須塩原市)
主催:FSC、MSCうめぐみ、Team-F

 2019年のシーズンオフに大規模な改修が行われた丸和オートランド那須。翌年にオープンしたつくるまサーキット那須とコースの一部を共有し、ダート区間と舗装路区間を走る新たなダートコースとして生まれ変わった。

 今回のコースレイアウトは、前半区間がダートを中心にストップ&ゴーのレイアウト。後半区間は改造車クラスであれば5速まで入るストレート区間を通過後、ダートと舗装がミックスされた区間を走り抜ける。特にこの後半区間をどう攻めるかが、決勝タイムに大きく影響する結果となった。

 また決勝第2ヒート後には全日本ダートトライアル選手会主催により、「第1回全日本ダートラ横向キング決定戦」が開催。会場を訪れたギャラリーは、ダートコースで豪快に攻める競技車のドリフト走行を堪能した。

 なお今回のエントリー台数は総勢139台。各クラスでこのコースを得意とする丸和スペシャリストと、全日本レギュラー陣との勝負が展開された。

中盤はダートを駆け抜けながらも、スタートとゴール付近の区間で舗装が織り交ぜられたコース。
全日本ダートトライアラーたちによる「全日本ダートラ横向キング決定戦」が行われ、砂煙を巻き上げながらのド派手なドリフトはギャラリーにも好評。ギャラリーによるWEB投票の結果、第1回の優勝はJD4クラス参戦の林軍市選手となった。

 前日の公開練習でクラストップタイムをマークしたJD11クラスの佐藤秀昭選手が、決勝の第1ヒートでスタート直後のS字コーナーで豪快なスピン。第1ヒートは開幕2連勝中の則信重雄選手がベストタイムをマークしたが、第2ヒートは佐藤選手がベストタイムを更新し、今季初優勝を獲得するとともに2018年の開幕戦以来となる全日本優勝を飾った。

JD11クラス優勝は佐藤秀昭選手(DL・KIT・BRZ-AT)。
JD11クラスの表彰式。左から2位の則信重雄選手、1位の佐藤選手、3位の寺田伸選手。

 JD9クラスは、第1ヒートで若手の徳山優斗選手がベストタイムを奪うが、路面の砂利が一掃された第2ヒートは、クラス先頭ゼッケンの柿澤廣幸選手からベストタイム更新ラッシュ。第2戦恋の浦ラウンドを制した児島泰選手がトップに立って2連勝に王手をかけるが、第1ヒート2番手の工藤清美選手が児島選手を逆転。3年ぶりとなる全日本優勝を獲得した。

JD9クラス優勝は工藤清美選手(工藤ホンダDLワコーズフィット)。
JD9クラスの表彰式。左から4位の徳山優斗選手、2位の児島泰選手、1位の工藤選手、3位の川島靖史選手、5位の田代純士選手、6位の鈴木義則選手。

 JD8クラスは、第2ヒートで丸和を得意とする若手ドライバ−の大須賀智史選手がいきなりベストタイムを更新。クラス先頭ゼッケンの大須賀選手がマークしたベストタイムはシードゼッケンに入ってもなかなか塗り替えられなかったが、クラス最終走者の谷尚樹選手が大須賀選手のタイムを0.238秒更新。昨年の全日本チャンピオンの意地を見せる逆転劇となった。

JD8クラス優勝は谷尚樹選手(キャッツ♂YH♀速心☆スイフト)。
JD8クラスの表彰式。左から2位の大須賀智史選手、1位の谷選手、3位の中島孝恭選手。

 第1ヒートのベストタイムを奪ったJD7クラスの竹本幸広選手は、第2ヒートでも地元の森戸亮生選手がマークしたベストタイムを2秒以上縮めてトップに立つ。その後、前日の公開練習でトップタイムをマークした崎山晶選手が森戸選手のタイムを上回ってくるものの、竹本選手のタイムには約1.2秒届かず。これで勝負あったかと思われたが、第1ヒートでクラス5番手だった昨年チャンピオンの山崎利博選手が、竹本選手のタイムを0.481秒更新。最後の逆転劇で第2戦に続く2勝目を獲得した。

JD7クラス優勝は山崎利博選手(itzzDL☆ATS犬GR86)。
JD7クラスの表彰式。左から4位の森戸亮生選手、2位の竹本幸広選手、1位の山崎選手、3位の崎山晶選手、5位の小関高幸選手、6位の浦上真選手。

 JD6クラスは、全日本レギュラーで丸和をホームコースとする信田政晴選手が第1ヒートのトップを奪う。第2ヒートはベストタイムの更新ラッシュが続く中、GRヤリスの宝田ケンシロー選手がトップに浮上。だが、第1ヒート3番手の矢本裕之選手がその宝田選手を捕えてトップに立つ。クラス最終ゼッケンの北條倫史選手は、後半区間で遅れて矢本選手に0.209秒届かず。矢本選手が、丸和では開催中止となった2020年を除き、2019年から3連覇を決めた。

JD6クラス優勝は矢本裕之選手(河童ZEALヤッコYHランサー)。
JD6クラスの表彰式。左から4位の馬場一裕選手、2位の北條倫史選手、1位の矢本選手、3位の宝田ケンシロー選手、5位の伏見浩二選手。

 第2ヒートでクラス先頭ゼッケンの臼井達哉選手がたたき出したタイムを、後続の選手がなかなか抜けない状態が続いたJD5クラス。第1ヒートで2番手に約0.6秒の差をつけた、臼井選手の師匠でもある小山健一選手も、臼井選手のタイムに届かない。残るは河石潤選手と昨年のチャンピオンの細木智矢選手の2台となったが、どちらも小山選手のタイムは上回ってくるものの、臼井選手のタイムにはわずかに届かず。全日本初出場であり、これまで関東の地方選手権でも優勝経験がなかった臼井選手が、大金星となる全日本デビューウィンを飾った。

JD5クラス優勝は臼井達哉選手(BFA・YH・CSRシビック)。
JD5クラスの表彰式。左から4位の小山健一選手、2位の河石潤選手、1位の臼井選手、3位の細木智矢選手、5位の佐藤卓也選手、6位の稲葉幸嗣選手。

 JD4クラスは、丸和をホームコースとする林軍市選手が第1ヒートのベストタイムを奪うも、北村和浩選手がベストタイムを更新する力走を見せる。続く第2ヒートでも林選手がタイムを更新したが、クラス最終走者の北村選手が1.284秒塗り替える圧巻の走りを披露。二度の逆転劇で北村選手が今季初優勝を飾った。

JD4クラス優勝は北村和浩選手(MJT☆HKサー☆DLランサー)。
JD4クラスの表彰式。左から4位のSam Iijima選手、2位の林選手、1位の北村選手、3位の中島明彦選手、5位の宮地雅弘選手。

 超硬質路面となった第2ヒート、丸和を得意とする深田賢一選手と佐藤史彦選手が次々とトップに入れ替わるJD3クラス。第2ヒート2番手の山崎迅人選手がこの2人を逆転、さらに第1ヒートトップの坂田一也選手が山崎選手を1.027秒逆転し、第2戦恋の浦に続く今シーズン2勝目を獲得した。

JD3クラス優勝は坂田一也選手(itzzDLグローバルアクセラ)。
JD3クラスの表彰式。左から2位の山崎迅人選手、1位の坂田選手、3位の佐藤史彦選手。

 JD2クラスは、第1ヒートで昨年のチャンピオン目黒亮選手がトップを奪う。第2ヒートは丸和と超硬質路面を得意とする亀田幸弘選手がベストタイムを更新してトップに浮上。再逆転を狙った目黒選手は、亀田選手にわずか0.106秒届かずフィニッシュ。第2ヒートの逆転劇で亀田選手が今季2勝目を獲得した。

JD2クラス優勝は亀田幸弘選手(YH栗原オート企画インプレッサ)。
JD2クラスの表彰式。左から4位の上村智也選手、2位の目黒亮選手、1位の亀田選手、3位の吉村修選手、5位の平塚忠博選手。

 第1ヒートは1分39秒台に1台、1分40秒台に4台という僅差の勝負となったJD1クラス。丸和をホームコースとする亀山晃選手と谷田川敏幸選手が第2ヒートで激しいトップ争いを展開し、谷田川選手が0.149秒差のトップに立つ。だが、第1ヒートでクラス唯一となる1分39秒台のタイムをマークしていた炭山選手が、第2ヒートでも谷田川選手のタイムを0.549秒更新。全クラスで唯一となる開幕3連勝を決めた。

JD1クラス優勝は炭山裕矢選手(ZEALbyTSDLミラージュ)。
JD1クラスの表彰式。左から4位の田口勝彦選手、2位の谷田川敏幸選手、1位の炭山選手、3位の亀山晃選手。

フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

ページ
トップへ