激戦区NTR2クラス優勝はS2000を駆る山本秀夫選手!

レポート ジムカーナ

2022年5月9日

JMRC関東チャンピオンシリーズ第2戦と、JMRC栃木・茨城ジムカーナシリーズ第3戦のWタイトルとなる「コスモス達人スラロームVol.37」が、茨城中央サーキットで4月24日に開催された。

2022 JMRC関東チャンピオンシリーズ 第2戦
2022 JMRC栃木・茨城ジムカーナシリーズ 第3戦
コスモス達人スラロームVol.37

開催日:2022年4月24日
開催地:茨城中央サーキット(茨城県石岡市)
主催:CI

 関東チャンピオンシリーズは、JAF地方選手権でもある関東オールスターシリーズに準じたシリーズで、以前のミドルシリーズに相当する。また、栃木・茨城シリーズなど都県シリーズのひとつ上のシリーズでもある。そのため、フレッシュなドライバーが存在する一方、長くジムカーナを楽しみたいベテランドライバーも多く参加している。

 大会当日はあいにくの空模様で、いつ雨が降り出してもおかしくない状況ではあった。ヒート1一本勝負も覚悟の上で、実際コース周辺では降ったというが、奇跡的に競技中はドライコンディションが保たれ、ヒート2での逆転も見られた。しかしながら、表彰式が始まる直前にポツリポツリと……。勝負に水を差されなかったのは何よりだった。

茨城中央サーキットをフルに使ったレイアウト。テクニカルとハイスピードを織り交ぜたメリハリの利いたコースとなっている。
全日本ジムカーナ選手権に参戦している奥井優介選手、片山誠司選手、西野洋平選手がデモランを披露した。

 11台が参加したPN1クラスでは、ファーストゼッケンの和田修一選手のトップタイムがなかなか破られずにいたが、チャンピオンシリーズ開幕戦4位の金粕雅史選手がようやく逆転。ヒート2ではわずかにタイムダウンに終わるも、金粕選手が逃げ切って優勝を飾った。2位には青山幸弘選手が、ヒート2の大幅なタイムアップで和田選手をも従えていた。

「ヒート1からかなりうまく走れて、上出来だったかなと。優勝はチャンピオン戦では初めてです」と金粕選手。

PN1クラス優勝は金粕雅史選手(アルボー★ロードスター)。
2位は青山幸弘選手、3位は和田修一選手。
PN1クラス表彰の各選手。

 7台が参加したPN2クラスは、ベテランドライバー同士の対決。ヒート1でトップに立ったばかりの中村誠司選手のタイムを、速攻で上回ってきたのが本木淳一選手だった。ともにヒート2でのタイムアップはかなわなかったものの、これを上回る者も現れず。

「実は8年ぶりに活動を再開して久しぶりだったんですけど、昔の感覚が少し戻ってきました。以前乗っていたBRZより車自体が進化して、仲間と共有したセッティングも決まっていたので、こうしたいと思った時にそのとおりに走ってくれたおかげで勝てたんだと思います」と本木選手。

PN2クラス優勝は本木淳一選手(STP相模自動車BRZ)。
2位は中村誠司選手、3位は川村智也選手。
PN2クラス表彰の各選手。

 PN3クラスには12台が参加。ヒート1でトップだった樫谷達朗選手を、パイロンペナルティで下位に沈んでいた坂本玄人選手が、ヒート2でいったんは逆転するも、樫谷選手もコンマ5秒の短縮を果たして再逆転に成功。開幕戦の5位からチャンピオンシリーズ初優勝へと、一気に躍進を遂げた。

「タイヤが食い過ぎちゃうとパイロンタッチが心配だったので、一応考慮に入れてヒート1はマージンを持って走りました。ヒート2では攻め込んでいって、タイムが出たのでよかったです」と樫谷選手。3位には渋谷英二選手が入賞した。

PN3クラス優勝は樫谷達朗選手(YH・SPM・自家用86)。
2位は坂本玄人選手、3位は渋谷英二選手。
PN3クラス表彰の各選手。

 3台が参加したPN5クラスは、ディフェンディングチャンピオンの山口栄一選手がヒート1でトップに立つ。ライバルの逆転を許さぬまま臨んだヒート2のビクトリーランでさらにタイムを縮めて、開幕2連勝を飾った。

「今回初めて使ったタイヤがあまりにグリップが良すぎてターンができなかったので、ヒート2では前に使っていたタイヤにしました。ターンはできるようになったんですが、今度はコーナーが曲がれなくて(苦笑)。結局、つかめずじまいで目標のタイムにも届かなかったので、もっと練習してきます」と山口選手。

PN5クラス1位の山口栄一選手(南街エムエムヤリス)。

 PN6クラスは田中猛選手の孤軍奮闘に。ヒート1から2秒近く短縮を果たし、満足そうだった。

PN6クラス1位の田中猛選手(TMG☆BRZ WR)。

 11台が出走したPN7クラスは川島一朗選手の開幕2連勝。「ヒート2でもうちょっと上げたかったんですけど、タイムダウンしちゃって少し残念でした。去年から地区戦と両方やっていて、チャンピオンシリーズは良いスタートが切れたと思っています。去年は結局2位だったので、今年は頑張って獲りたいと思います」と川島選手。

 ヒート1でも2番手だった小島秀治選手は、逆にコンマ5秒の短縮を果たすも川島選手には及ばなかった。3位は真塩正裕選手が獲得。

PN7クラス優勝は川島一朗選手(ALEXiOシビック)。
2位は小島秀治選手、3位は真塩正裕選手。
PN7クラス表彰の各選手。

 NTF2クラスには13台が参加。ヒート1のトップは高柳翔選手だったが、パイロンペナルティがなければタイムでは藤井孝法選手の方が上回っていた。その藤井選手がヒート2で逆転したかに思われたが、アナウンスで告げられたのはまたも痛恨のパイロンタッチ! しかし、高柳選手は藤井選手のペナルティがなくても、自身のタイムをヒート2で詰めて初優勝を飾ることとなった。

「チャンピオンシリーズは去年を含めて3戦目。今日はCR-Xとコースが合っている感じで、インテグラ勢よりだいぶ有利だったはずです。初めて勝てたのでうれしいです」とは、偽らざる本音のはず。そして開幕2連勝ならず、島貫輝選手が無念の2位、そして3位は尾林憲一選手だった。

NTF2クラス優勝は高柳翔選手(晴天希望雨漏り水色CR-X)。
2位は島貫輝選手、3位は尾林憲一選手。
NTF2クラス表彰の各選手。

 10台が参加したNTR1クラスでもディフェンディングチャンピオンが貫禄を見せた。MR-Sを駆る森好寿選手が、ヒート1に記録したタイムで逃げ切り成功。ヒート2で1秒近く短縮してきた藤田幸児選手の肉薄をも退けて2連勝となった。が、当の森選手は苦笑い。

「良いのか悪いのかよく分からないうちに終わっちゃった感じで、なにせ年に1回しか走りに来ないところなので。コースとの相性も、この車が好きでやっていて、他に乗っている人がいないので分からないんですよ。でも、結果が良ければ良いので」というのが理由という。

NTR1クラス優勝は森好寿選手(MR-S)。
2位は藤田幸児選手、3位はE.G.マッケンジー選手。
NTR1クラス表彰の各選手。

 今大会最多となる15台の参加を集めた激戦区のNTR2クラスでも、やはりディフェンディングチャンピオンは強かった。ヒート2はパイロンタッチも、山本秀夫選手がヒート1で記録したタイムは見事オーバーオール。

「2戦続けて勝つことができました。いくつか失敗はあったんですが、うまくリカバリーもできたと思います。点数をつけるとすれば、85点ぐらいにしておきましょう。目標はシリーズ連覇です」と山本選手。2位、3位はヒート1と変わらず、神生脩平選手、武田直之選手の順。トップ3では武田選手だけがタイムアップに成功していた。

NTR2クラス優勝は山本秀夫選手(YHコサ犬三宅FWGS2000)。
2位は神生脩平選手、3位は武田直之選手。
NTR2クラス表彰の各選手。

 3台が参加のNT4クラスは、ヒート1トップの島田直樹選手がヒート2で痛恨のミスコース! ヒート1ではパイロンペナルティで下位に沈んでいた笹島綾人選手が逆転優勝となった。

「チャンピオンシリーズ併催では初めてになります。昨年から(栃木・茨城シリーズ独自の)チャレンジクラスに出始めて、シリーズ参戦は今年からです。慣熟歩行の時のイメージと実際のグリップが全然違っていて、操作も慌てちゃったんですが、ヒート2でアジャストして走れたので、すごく満足のいく結果です」と笹島選手。

NT4クラス1位の笹島綾人選手(インプレッサDXL)。

 S2クラスには6台が参加。ターボつきAE86の名物ドライバー鈴木照夫選手が、ヒート1でミスコースの汚名返上してヒート2に逆転を果たし2連勝。赤羽英喜選手をコンマ1秒と満たぬ超僅差ながら振り切った。ヒート1トップだった根岸一正選手はパイロンペナルティで3位にダウン。

「今日はやっとギリギリの勝利。強さの秘訣? なんでしょう、練習ですかね。連覇目指して頑張ります」と鈴木選手。

S2クラス優勝は鈴木照夫選手(TTF☆PAO☆YHレビン)。
2位は赤羽英喜選手、3位は根岸一正選手。
S2クラス表彰の各選手。

 栃木・茨城シリーズ独自に設けられたGR2クラスは、2台が参加して佐藤修一郎選手が優勝。今回は参加がなかったGR4クラスともども、GRヤリスやGR86など用意されたレンタカーでも参加可能なクラスなので、はじめの一歩やお試しにはうってつけのクラスだ。そしてCH-Kクラスで孤軍奮闘の五味渕昌子選手は、ヒート2で5秒の短縮を遂げていた。

GR2クラス優勝は佐藤修一郎選手(茨城トヨタGRけやき台GR86)。
GR2クラス表彰の各選手。
CH-Kクラス1位の五味渕昌子選手(カナツカーサービスμVIVIO)。

フォト/はた☆なおゆき レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部

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