0.004秒差のQ1落ちから怒涛の追い上げ! 角田裕毅選手が第2の地元で今季2度目の入賞
2022年4月27日

2022年もアルファタウリからFIAフォーミュラ1世界選手権(F1)に参戦している角田裕毅選手。第4戦エミリア・ロマーニャGPでは7位に入り、今季2度目のポイント獲得を果たした。
2022年FIAフォーミュラ1世界選手権 第4戦
エミリア・ロマーニャグランプリ
開催日:2022年4月22~24日
開催地:イモラ・サーキット(イタリア・イモラ)
アルファタウリのチームファクトリーがあるイタリアを現在の活動拠点としている角田選手。今回の舞台となるイタリアのイモラ・サーキットは、彼が初めてF1マシンをドライブしたサーキット。まさに“第2の地元”と呼べる場所なのだ。
開幕戦のバーレーンGPでは入賞したものの、第2戦サウジアラビアGP、第3戦オーストラリアGPとノーポイントに終わり、流れが良い状況とは言えないだけに、ここで好成績を残して流れを引き戻したいところ。
今回は土曜日にスプリント(予選レース)が行われる新フォーマットでの開催となった。金曜日は午前中にフリー走行1回目、午後はスプリントのスターティンググリッドを決めるノックアウト予選が行われたが、朝から雨模様となり、ウェットコンディションとなったフリー走行でも、コースオフを喫するマシンが後を絶たなかった。
そんな中、角田選手は僚友のピエール・ガスリー選手よりも上の9番手タイムをマーク。この流れでノックアウト予選も好結果を出したいところだった。コンディションが回復してドライ路面となったQ1は、想像以上の僅差となった。角田選手はベストを尽くして1分20秒474を記録するも、わずか0.004秒差で16番手となり、まさかのノックアウトとなってしまった。
「今週末は新しいアップデートパーツを持ち込み、中団グループで戦えるかなと予想していました。だけど、予選ではそこに到達できるパフォーマンスを発揮できず、かなり苦戦してしまいました。絶好の機会をものにできずに残念ではありますが、翌日にはスプリント予選があり、日曜日には決勝レースがあり、まだチャンスは残っていると思っています。ここは僕たちのホームコースでもあり、たくさんの経験があります。それを活かして、残りの週末でベストを尽くしたいです」(予選後の角田選手のコメント)
心機一転で迎えた土曜日のスプリントは、天候が回復してドライコンディションで開催された。直前に行われたフリー走行2回目では1分20秒381で8番手につけた角田選手。スプリントでは16番グリッドからスタートし、混戦の中で3つポジションアップするなど、序盤から積極的な追い上げを見せた。
とはいえ、このサーキットはコース幅が狭いため、なかなかオーバーテイクのチャンスはなかったが、残り2周のところでセバスチャン・ベッテル選手(アストンマーティン)をかわして12位でチェッカーを受けた。
「今日の結果はうれしいです。スタートでいくつかポジションを上げることができましたが、あそこが僕のレースのターニングポイントだったと思います。なぜなら、イモラはスタートが重要なカギになりますからね。そのあとのクルマの動きも良かったように感じられて、僕も素直に走らせることができました」
「ペースは良くなったんですけど、それでも周りと比べるとまだ強くはありません。このパッケージでもっと良いパフォーマンスを見つける必要があります。翌日の決勝レースでポイントをしっかりと獲得できるように、チームと作業をしていきたいです」(スプリント後の角田選手のコメント)
なおトップ争いは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン選手(レッドブル)が活躍。スタートはシャルル・ルクレール選手(フェラーリ)の先行を許すが、後半にかけて間隔を縮めていき、残り2周のタンブレロコーナーでアウトからオーバーテイク。トップチェッカーを受けた。
日曜日の決勝レースは再び雨模様。スプリントの結果でグリッドが並べられ、角田選手は12番グリッドからスタートした。前日とは異なるコンディションとなったが、角田選手は今回もスタートで3つポジションを上げると、その後も順調に周回を重ねていった。
48周目にはケビン・マグヌッセン選手(ハース)を追い抜き8番手に浮上すると、3番手を走っていたルクレール選手がスピンを喫した影響で緊急ピットインしてポジションダウン。これで7番手に上がった角田選手は54周目にベッテル選手をオーバーテイクして6番手まで浮上した。
最後はルクレール選手の逆転を許したが、7位でチェッカーを受けて今季2度目のポイント獲得を果たした。
「ホームコースでポイントを獲得できたことが本当にうれしいです。今回はファクトリーから多くの人が応援に来てくれて、アルファタウリのフラッグがたくさん見えて、それが僕にとっても力になりました。ここまで一生懸命に頑張ってくれたチーム全員に感謝しています」
「今日のペースもすごく良かったです。正直、ここまで力強いレースができるとは予想していませんでした。この週末で前進でき、良いパフォーマンスを見せることができて、うれしいです」(決勝後の角田選手のコメント)

決勝のトップ争いは、この日もフェルスタッペン選手が活躍。スタートから一度もトップを譲らずにチェッカーを受け、今季2勝目を飾った。さらに僚友のセルジオ・ペレス選手も2位に入り、レッドブルは今季初の1-2フィニッシュを果たした。

フォト/Red Bull Content Pool レポート/吉田知弘、JAFスポーツ編集部