GR86がD1GPでデビュー戦! 単走で藤野秀之選手、追走で川畑真人選手が勝利!
2022年5月10日

2022年のD1グランプリシリーズが開幕した。6年ぶりの開催となる富士スピードウェイには、2日間で約24,000名の来場者が訪れ、D1ライツからのステップアップや、ニューマシンでシリーズを戦うドライバーに注目が集まり、会場はドリフトファンたちの熱気に包まれた。
2022 D1グランプリシリーズ 第1戦「2022 FUJI DRIFT」
開催日:2022年4月23~24日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:株式会社サンプロス
土曜日に単走予選からベスト16追走まで、日曜日にベスト8追走からという2日間のスケジュールが組まれたD1グランプリシリーズ第1戦。普段はドリフトが行われないコースだけあって、事前の練習走行が設けられなかったこともあり、コース慣れしている選手は皆無の状態だった。
さらには今年から使用タイヤに制限がついたこと(グリップ力を落として駆動系を保護する&コースコンディション保持のため)から、各マシンの戦闘力が未知数であること、そして初登場となるGR86がTEAM TOYO TIRES DRIFTから2台エントリーしていること、さらにはD1ライツシリーズから2名がステップアップしてくるなど、競技前から波乱を予想させる何かと話題の多いシリーズ開幕となった。
競技区間はコカコーラコーナーを抜けた先の100R途中からスタートし、ADVANコーナーをクリアするまで。そして100R立ち上がりのアウト側、ADVANコーナー進入のアウト側、ADVANコーナー後半のアウト側に通過指定ゾーンが設けられた。
そういった状況の中、練習走行直前にDOSS(D1オリジナルスコアリングシステム=機械審査システム)の不調が発覚し、急遽審判員の採点となって競技がスタートする。エントリー車両は27台だったが、予選直前のマシントラブルにより4台が予選走行不能となり、全23台がベスト16をかけた予選に出走することになった。


昨年までの180SXからGR86にチェンジした藤野秀之選手(TEAM TOYO TIRES DRIFT)。1週間前にマシンが完成したためにセットアップの時間がほとんどなかった上、練習走行でもトラブルが起きてほとんど走れていないのにも関わらず、単走では最高得点をマークして衝撃を与えた。
北岡裕輔選手(TEAM MORI)も同得点で並んだが、2本目の得点で藤野選手が上回って単走優勝を獲得した。なお藤野選手のチームメイトの川畑真人選手(TEAM TOYO TIRES DRIFT)も同仕様のGR86で参加して単走順位4位。GR86のポテンシャルを十分に見せつける結果となった。

追走でベスト4に進出したのはTEAM TOYO TIRES DRIFTのGR86が2台と、D-MAX RACING TEAMのS15が2台。D1グランプリ創成期から活躍しているS15(初年度チャンピオンもS15)と、今年デビューのGR86がともに勝ち上がってきたというのが興味深いところだ。
先行が藤野選手で後追いが川畑選手のTEAM TOYO TIRES DRIFT対決は、進入から車間が近く、その距離がまったく変わらずにフィニッシュまで続いた。先行の走りが良すぎると、後追いは思い切って距離を詰められる。これは両者に同じことが言えるが、距離感で川畑選手が上回った。
一方のD-MAX RACING TEAM対決は、先行が末永正雄選手で後追いが横井昌志選手。横井選手が距離を詰めてわずかながらのアドバンテージを築くと、入れ替わった2本目で末永正雄選手が振り返しで接触してしまい、横井選手が勝利した。
追走決勝はチーム内バトルを制した川畑選手と横井選手。このふたりの直接対決は今回で6度目で、これまで川畑選手が3勝している。どちらも2JZエンジン搭載したマシン、シリーズチャンピオン経験者であり、名門チームのエースが勝ち上がってのS15シルビア対GR86という決戦の舞台が整った。
川畑選手が先行で思い切った100Rの飛び込みを見せると、つられた横井選手がゼブラをはみ出してわずかに失速、フィニッシュまで距離を詰めきれなかった。入れ替わった2本目でも横井選手はゾーン1を外し、先行と変わらぬ好走で追尾した川畑選手がアドバンテージを加算、2年ぶりとなる優勝を遂げた。




■2022年D1グランプリ注目のルーキー


フォト/SKILLD 川崎隆介 レポート/SKILLD 川崎隆介、JAFスポーツ編集部