10年目のインタープロトシリーズが開幕。第1戦は坪井翔選手、第2戦は野尻智紀選手が優勝を飾る

レポート レース

2022年5月20日

2022 インタープロトシリーズ POWERED BY KeePer第1大会が5月14~15 日に富士スピードウェイで開催され、プロフェッショナルレース第1戦は#32坪井翔選手(NETZ NOVEL MIE)が、第2戦は#7野尻智紀選手(J-POINT)が、それぞれ優勝を飾った。

2022 インタープロトシリーズ POWERD BY KeePer
(2022 富士チャンピオンレースシリーズ第2戦内)

開催日:2022年5月14~15日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C、SCCN

 開幕大会には8台のIP車両がエントリーし、プロフェッショナルクラスにはスーパーGTのGT500クラスに参戦するドライバーが集結。シーズン初戦から大白熱のバトルが展開された。

 14日に行われた公式予選は、前日から降り続いた雨の影響で路面はウェットコンディションだったが、各車が周回を重ねていくごとに路面が乾いていくという難しい状況。そこで1分59秒865を記録した坪井選手が、2019年第3大会以来となる予選ポールポジションを獲得した。

2022年のインタープロトシリーズプロフェッショナルクラスも、蒼々たるドライバーが揃った。左から阪口晴南選手、野尻智紀選手、ロニー・クインタレッリ選手、坪井翔選手、福住仁嶺選手、松田次生選手、佐々木大樹選手、中山雄一選手が参戦。

 曇り空の中で行われた15日の決勝レース。9周で争われた第1戦では、スタートから坪井選手がトップを守り、後続では#3阪口晴南選手(INGING MOTORSPORT)、#16ロニー・クインタレッリ選手(ララパルーザ)、#37福住仁嶺選手(キーパー号)が三つ巴のバトルを展開。一時は3ワイドのバトルも繰り広げられたが、5周目に福住選手が2番手に浮上し、集団から一歩抜け出した。

 福住選手はペース良く周回を重ね、8周目には今大会のファステストラップとなる1分45秒773を記録して坪井選手の背後に接近したが、順位は入れ替わらずにそのままチェッカーフラッグ。坪井選手が今季の初戦を制した。2位には福住選手、3位には阪口選手が続いた。

初戦を制した坪井選手。「1レース目は序盤から展開に恵まれて、後ろとの差が少し離れたので、2レース目のことも考えてタイヤをセーブしながら走っていました。ただ、思ったより福住選手の追いついてくるペースが速かったので、残り2~3周は『プッシュしなきゃ』という感じでした。なんとか守りきることができて良かったですが、2レース目に向けては、正直なところちょっと厳しいなと思いました。(2レース目の3ワイドでの接触は)なぜあそこでぶつかったのか、車載映像等で原因を調べないとなんとも言えませんが、調子が悪くなかっただけに残念です。でも、2019年以来のポールが獲れ、1レース目で勝てたのはかなり久しぶりです。昨年はけっこう苦労しましたが、少し土俵に戻ってこられたと思います。もう少し速く走れるように、今後も色々考えていきたいなと思います」

 第1戦の到着順にグリッドで再整列が行われ、同じく9周で争われる第2戦がスタート。坪井選手を先頭に福住選手、阪口選手と続いていったが、第1戦を6位で終えた#96中山雄一選手(岡山トヨペット K-tunes)が、1周目を終えて3番手に浮上した。

 さらに3周目のTGRコーナー手前では、トップ4が一瞬横並びの混戦模様に。コカ・コーラコーナーへ向かう直線でも、阪口選手、坪井選手、福住選手が3 ワイドのバトルを展開したが、そこで福住選手と坪井選手がわずかに接触。2台ともコントロールを失いコース脇にマシンを止めてリタイアとなった。また2台を避けるために阪口選手もコースオフを余儀なくされ、ポジションを大きく落とすことになった。

 ここでトップに立ったのは中山選手だったが、2番手に上がった野尻選手がすぐ背後に接近し、残り2周のコカ・コーラコーナー手前でオーバーテイク。そのまま逃げ切り、今季初勝利を飾った。2位には中山選手、3番手には#88佐々木大樹選手(Pastel Motorsport)がチェッカーを受けたが、6周目のGRスープラコーナーで#77松田次生選手(CARGUY)に接触、相手をスピンさせたとして、レース後に30秒加算のペナルティを受け、クインタレッリ選手が繰り上がりで3位表彰台を獲得した。

 またSUPRAクラスでは、クラストップからスタートした#38石浦宏明選手(P.MU RACING SUPRA)が、終始安定した走りを見せて2連勝をマーク。CCS-Rクラスはプロフェッショナルレースでの出走はなかった。

野尻選手が第2戦を制し、「僕の中では、走っていて頑張りすぎてしまったかなという印象で、四脱(走路外走行)もけっこうあり、振り返るとあまり良くない内容でした。ただ、ここ最近ドライのレースでちゃんと戦えていた感じがなかったので、それはそれで良い収穫だったかなと思います。反省すべきは全てドライバー側にあったかなという感じはしますが、ここから修正して次もまた優勝できるように頑張りたいなと思います。次のインタープロトまで時間がありますし、チームも頑張ってくれると思うので、クルマの方のレベルアップもそうですし、僕自身もスーパーフォーミュラやスーパーGTのレースもあるので、ドライバーとしてもしっかりレベルアップをして、第2大会に臨みたいです」と語った。
インタープロトプロフェッショナルクラス第2戦の表彰式。左から2位の中山選手、1位の野尻選手、3位のクインタレッリ選手。
SUPRAクラス第1戦と第2戦の優勝は石浦宏明選手。
SUPRAクラス第2戦の表彰式。左から2位の谷川達也選手、1位の石浦選手。

フォト/鈴木篤、株式会社インタープロトモータースポーツ レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

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