激戦の東北地区戦SATW-2クラスは、藤原雄司ロードスターが今季初優勝!
2022年5月19日

今シーズンの第2戦目となるJAF東北ジムカーナ選手権が5月1日、スポーツランドSUGO西コースで開催された。
2022年JAF東北ジムカーナ選手権第2戦
2022年JMRC東北ジムカーナシリーズ第2戦
2022年JMRC全国オールスター選抜第2戦
ENDLESS CUPジムカーナ
開催日: 2022年5月1日
開催場所: スポーツランドSUGO西コース(宮城県村田町)
主催: S.S.C.
4月3日にスポーツランドSUGO西コースで開幕した東北ジムカーナ選手権は、東北地区のジムカーナ場を転戦する全7戦で争われるシリーズ戦となっており、そのうちの3戦がSUGO西コースで開催される。
カートコースのSUGO西コースで行われるジムカーナは、必然的にコースジムカーナとなるが、東北ジムカーナ選手権の開催時には毎戦、コース内にパイロンを配置し、8の字や360度ターン、スラローム等のセクションも設定される。
パイロンセクションは限られた道幅の、カント(傾斜)の付いた路面に設定されることが多く、進入ラインやスピードコントロールを誤ると、大幅なタイムダウンに繋がってしまうため、慣熟歩行では入念なチェックが必須となる。今回は4か所にパイロンセクションが設けられたが、特にコース前半の8の字と、その後のシケインを抜けて高速コーナーからの360度ターンが鬼門となったようだ。


当日は朝からあいにくの曇り空。懸念されていた雨は、雨雲レーダーでは第1ヒートのスタート時刻に降り出す予報だったが、その予報がズバリ的中。競技スタートと同時に降り出した雨は徐々に路面を濡らし、前半のクラスは辛うじてドライに近いセミウェットでの走行となったが、次第にウェット路面へと変貌。天候の回復の兆しはなく、第2ヒートでは所々に水たまりもできる程の完全なウェット路面となってしまい、全てのクラスで第1ヒートのタイムが決勝タイムとなった。


競技はPN1クラスからスタート。出走3台で争われたが、貴重な第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、札幌ナンバーのロードスター、北海道から参戦の伊藤大将選手。「自分自身のスキルアップのためGWを利用し、今回初めての遠征で東北地区戦に参加しました」という伊藤選手は、初の遠征ということで、もちろんSUGOも初走行となるが、セミウェット路面の中、第1戦優勝の善方広太選手のタイムを0.6秒更新してトップに立つ。
路面状況が悪化した第2ヒートでは全車タイムダウンとなったため、第1ヒートのタイムで伊藤選手の優勝となったが、伊藤選手はウェット路面の第2ヒートでもトップタイムを刻む走りを見せた。「SUGO西コースは、地元の北海道にはない傾斜がついたコースで、特にターンが難しかったですね。また、ウェットも今まで経験したことがないくらい滑る路面で、よく分からないまま終ってしまいました(笑)。今回の遠征で自分の未熟さを痛感しました」と語った伊藤選手だが、初遠征の初コースという条件ながら見事な優勝を飾った。





同じく3台で争われたPN2クラスは、全日本ドライバーの佐藤宏明選手が優勝。「今回は微妙な路面状況だったので、消化不良です(笑)。そういった中でも優勝できて良かったのですが、それよりも、日頃からドライビングやセッティングを教えている成澤選手が好タイムで走ったのが嬉しいですね」と佐藤選手。
佐藤選手に0.5秒差まで迫るタイムで2位となった、その成澤裕太選手は、「ジムカーナを始めた当初、自分一人ではクルマのセッティング等も分からなかったので、佐藤選手に色々と教えてもらいました。まだまだ課題は沢山ありますが、いつか佐藤選手を超えたいですね(笑)」と、今回は惜しくも“師匠”に一歩届かなかったが、ウェットの第2ヒートでは、スピンとパイロンペナルティでお手本を見せられなかった佐藤選手を尻目に、手堅くタイムを刻んでみせた。





12台の参加となったSATW-2クラスは、ディフェンディングチャンピオンの阿部崇治選手と、今シーズンからこのクラスに移籍してきた藤原雄司選手による僅差の戦いとなった。昨年、出場した大会は全て優勝し、満点チャンピオンを獲得した阿部選手は、今シーズンの開幕戦も勝利し、目下のところ連勝中。対する藤原選手も、過去に何度もシリーズチャンピオンを獲得した実力者で、開幕戦では惜しくも2位となったものの、阿部選手に0.1秒まで迫る接戦を展開しており、注目のバトルとなった。
第1ヒート、それまでのベストタイムだった清水直人選手が出した1分35秒994を塗り替え、1分34秒394で暫定トップに立ったのは阿部選手。連勝に向けて着実にタイムを刻む。次ゼッケンの佐藤拓也選手は、清水選手のタイムは抜くものの、阿部選手には届かず暫定2位。しかし次ゼッケン、藤原選手が出したタイムは1分34秒375で、100分の2秒、阿部選手のタイムを更新してトップで折り返す。
第1ヒートが事実上の決勝ヒートとなった今回、逆転の可能性が極めて低い第2ヒートでは、やはり全車、大幅なタイムダウンとなり、第1ヒートを制した藤原選手が優勝となった。「これはショップのクルマなんですけど、TW280タイヤのクラスを盛り上げようっていうことと、今年1回は阿部選手に勝ちたいと思って(笑)、参戦しました。失敗もありましたが、なんとか上手くまとまったという感じですね」と藤原選手。
一方の阿部選手は、「今回はタイヤが暖まっていない前半で攻め切れなかったのが敗因です。悔しいタイム差ではありましたが、悲観する差ではないので、今後も練習して頑張りたいと思います」とコメント。第1戦、第2戰と僅差のバトルを繰り広げた両選手。シリーズの行方に注目したい。





5台で争われたSATW-4クラスは、開幕戦2位だった渡辺弘選手が優勝。「夢中になって走っていたので、路面状況とかはよく覚えていないのですが(笑)、今回はターンをできるだけミスしないようにと心掛けました」と、手堅く走った渡辺選手。ディフェンディングチャンピオン、佐柄英人選手は、開幕戦の3位に続き、今回も2位と、いまだ勝ち星はなし。開幕戦優勝の中村武留選手は今回3位に終わり、SATW-4クラスはシリーズ序盤から混戦模様となっている。





ベテランから若手、全日本ドライバーが揃ったSAC-2クラスは、ディフェンディングチャンピオンで、ベテランの宍戸政宏選手が開幕戦に続き、2連勝となった。「第1ヒートの路面は、完全なウェットよりも嫌な感じでしたね(笑)。ドライセッティングのまま走ったのですが、攻め過ぎずにきっちりタイムを残す走りに徹しました」という宍戸選手。
路面状況が悪化した第2ヒートでは、ベストタイムの更新はできないながらも、ウェットセッティングに変更。パイロンタッチを喫したものの、タイム的には第1ヒートの2秒落ちという好タイムで走行し、ウェットセッティングの手応えも感じたようだ。2位には全日本ドライバーの上野健司選手。第1ヒートでは宍戸選手にやや差を付けられてしまったが、第2ヒートでは、ウェット路面でのオーバーオールウィンタイムをマーク。最後に全日本ドライバーの意地を見せた。





併催されたJMRC東北ジムカーナシリーズ第2戦では、クラス2は菊地敦選手が優勝。2位には伊藤研選手、3位には第1ヒートで好タイムを出しながらも脱輪ペナルティで後退していた池沢広行選手が第2ヒートで追い上げ、入賞を果たした。コペンでWエントリーの田中大智選手と舟橋咲希選手の対決となったクラス6は、田中選手が優勝となった。








フォト&レポート/友田宏之
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