初のポールポジションからスタートした翁長実希選手が開幕戦を制する

レポート レース

2022年5月20日

2022年のKYOJO CUP第1戦が5月15日に富士スピードウェイで開催され、ポールポジションからスタートした#37翁長実希選手(KeePer VITA)が、ポール・トゥ・ウィンでシーズン初戦を制した。

2022 KYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUM 第1戦
(2022 富士チャンピオンレースシリーズ第2戦内)

開催日:2022年5月15日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C、SCCN

 今年で6年目を迎えたKYOJO CUPは、ファンのみならず女性ドライバーからの注目度も増し、この開幕大会には過去最多となる21台がエントリー。その分、開幕戦から非常にハイレベルな戦いが繰り広げられた。

 8時30分から始まった公式予選は接戦の展開になり、目まぐるしくトップタイムが入れ替わったが、セッション終盤に2分00秒798を記録した翁長選手が、参戦4シーズン目にしてKYOJO CUPで初のポールポジションを記録した。

 2番手には0.082秒差で#38猪爪杏奈選手(LHG Racing YLT VITA)がつけ、3番手には#337斎藤愛未選手(D.D.R VITA-01)が続き、終わってみれば上位8台が1秒以内にひしめく僅差の予選結果となった。

 12周の決勝レースは12時30分にスタート。好スタートを切った猪爪選手を抑えてトップを死守した翁長選手は、1周目から後続に対して1秒以上のギャップを築くと、その後もペースよく周回を重ね、2番手を走る猪爪選手との差を徐々に広げていった。

 一方、猪爪選手の背後には6番手スタートから2周目に3番手まで追い上げてきた#47下野璃央選手(KeePer VITA)が接近。レースの折り返しを迎える6周目になるとその差は0.5秒まで縮まり、2番手争いが本格化した。

 下野選手の猛追を耐え凌いでいた猪爪選手だが、9周目のTGRコーナーで3番手に後退。周回遅れの車両との関係もあり、1コーナーで下野選手の先行を許してしまう。それでも遅れをとることなく下野選手に食らいついていき、コース各所でサイド・バイ・サイドのバトルを展開した。

 ファイナルラップに入ったTGR コーナーでアウト側から再逆転を果たしたものの、下野選手も負けじと仕掛け続け、コース後半のダンロップコーナーで2番手を奪い返すという、激しいバトルとなった。

 こうして2番手以下が接近戦を繰り広げている間に翁長選手はリードを広げ、9周目には2分00秒981のファステストラップを記録。最終的に10秒のギャップを築き、今シーズンの開幕戦を制するトップチェッカーを受けた。翁長選手にとってはKYOJO CUP で初めてのポール・トゥ・ウィンとなり、昨年の第3戦からシーズンをまたいでの3連勝をマークした。

 2位には下野選手が入り、KeePerカラーのVITA が1-2フィニッシュ。3位には猪爪選手が入った。

優勝は翁長実希選手。「今週はドライコンディションでの走行機会が少なく、実は予選中も決勝を想定したテストをしていて、『決勝をどうやって戦おうか』と考えながら走っていました。今までは『ポールを獲ろう!』と思ってやっていましたが、なかなか獲れなくて……。今回は『これくらいのタイムを出す』と決めて、気持ちを楽にして臨んだらKYOJO CUP初ポールを獲ることができました。決勝ではスタートでタイヤが少し空転して、思ったように前に前に進まなくて……。猪爪選手に迫られましたが、ブレーキングでおさえることができました。そこからはとにかく自分を信じて走りました。初めてのポールスタートでしたが、いい印象で終わることができて良かったです。昨年はチャンピオンを獲るつもりで挑みましたが、初戦でうまくいかず、そこから流れを取り戻すのに時間がかかりました。今年も絶対初戦から勝つつもりでいたので、しっかりと歯車が合い、とても幸先の良いスタートが切れました。次につながる流れをつくれたのかなと思っています。10月の第2戦に向けて、みんなも絶対に調整して速くなってくると思うので、そこに負けないよう頑張ります」
第1戦の表彰式。左から2位の下野璃央選手、1位の翁長選手、3位の猪爪杏奈選手。

フォト/株式会社インタープロトモータースポーツ レポート/株式会社インタープロトモータースポーツ、JAFスポーツ編集部

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