シリーズ開催されるSUGOオートテストチャレンジは、遠征組が大活躍!

レポート オートテスト

2022年5月20日

東日本地区の人気オートテストイベントのひとつとして知られる、SUGOオートテストチャレンジのシリーズ第2戦が5月1日に開催された。

2022マルイコンタクトレンズ/横浜ゴムカップ
SUGOオートテストチャレンジシリーズ第2戦

開催日:2022年5月1日
開催場所:スポーツランドSUGO Mパーク(宮城県村田町)
主催:S.S.C. /N・C

 SUGOオートテストチャレンジは、全国的にも珍しいシリーズ戦として行われているオートテスト競技会だ。今年はすでに4月3日に第1戦が行われ、今回が第2戦としての開催になる。第3戦は7月31日、最終戦となる第4戦は11月20日に組まれており、競技終了後にシリーズ表彰が行われる予定だ。

 会場となるのはスポーツランドSUGOのメインゲートに隣接するMパーク。ビッグレース開催時には駐車場となる場所だけに、オートテストの開催には十分な広さを確保している。一年間、同じコースレイアウトで行うのも、このシリーズの大きな特徴で、今年は隣接する3つのガレージ(車庫入れ)をどう攻略するかが、勝負に大きく影響するレイアウトとなっている。

SUGOオートテストチャレンジは、通称Mパークと呼ばれる広いスペースで開催される。写真奥の木立ちの向こうがSUGOのメインゲートになる。
スタート側からコースを見る。奥に行くにつれて下り勾配になっている。

 またSUGOオートチャレンジの名物と言ってもいい縦列駐車のガレージセクションが、今年もゴール手前に用意されている。勝負所のガレージセクションが2か所設定され、そのうちの一つは3連ガレージということもあり、ほとんどの参加者は1分30~40秒台でコースを走り切る、オートテストとしては長めのコースが設定されるのも、このシリーズの大きな特徴だ。

2022年のSUGOオートテストチャレンジのコース図。SUGOのホームページで常時、閲覧できるようになっている。
今年のコースの大きな勝負所である3連ガレージは、全国的に見ても非常に珍しい設定だ。
“縦列駐車”ガレージも、すっかりSUGOオートテストの名物となっている。

 クラスは3クラス制で、クラス1はAT・CVT車対象。クラス2はMT車対象で、クラス3はエキスパートとなっている。今年は、昨年、各クラスでシリーズ6位までに入ったドライバーがこのクラス3の対象となる。なお3名以上の女性の参加があった場合は、レディスクラスが設定される形となっている。

 なおここ数年はシリーズの前哨戦として冬期にも、SUGOウインタートライアルという名前のオートテストも開催されている。今年も2月と3月に1戦ずつが、今回とまったく同一のレイアウトで行われており、シリーズのオープン戦的な意味合いの強い大会となった。

 AT/CVT車が集うクラス1は、今季初参戦ながら、巨体のアコードツアラーを巧みに操って1分35秒215をマークした小原義幸選手が第1ヒートでトップに立つ。開幕戦優勝の富田啓介選手のゴルフは1分33秒台でゴールしたが、パイロンタッチによるペナルティ10秒を加算されて3番手。1分40秒342を叩き出したクラウンの高波智一選手が2番手で折り返した。

 注目の第2ヒート。まずクラス2番目に走った富田選手は前回、自らがマークした優勝タイムから0.6秒落ちの1分32秒007をマークしてトップに躍り出る。対する小原選手は痛恨のタイムダウン。高波選手も1分38秒台にとどまり、首位奪回は果たせず。その後も最後まで富田選手に肉薄するドライバーは現れず、富田選手が2連勝を達成した。

 富田選手は埼玉県在住。最寄りの東北道のインターチェンジが近いことと、3連ガレージに惹かれて今年から参加を始めた。「車庫入れはどっちかと言うと苦手ですが、楽しいですね。今日は1本目に縦列駐車でパイロンタッチしてしまったので、2本目はしっかりタイムを残す走りを心がけたら、たまたまいいタイムが出せました」と富田選手。「冬も1回出たので、攻略法は見えてきた感じはありますが、まだまだクルマをぶん回し過ぎているので(笑)、次は改善したいです」とさらなる意欲を見せた。

AT車対象のクラス1は富田啓介選手が逆転勝ちを収めた。
開幕2連勝達成の富田選手。
アコードツアラーの小原義幸選手が2位に入った。
クラウンの高波智一選手は僅差の3位争いを制した。
クラス1表彰の各選手。

 一方、MT車対象のクラス2も12台による戦いとなったが、今回は思わぬ“刺客”の登場で盛り上がりを見せた。中部、近畿地区等のオートテストで凄腕ドライバーとして知られる、愛知在住の浜屋雅一選手が遠征してきたのだ。「以前から気になっていたシリーズでしたが、ゴールデンウィークで休日が続く今回のような時でないと、さすがに参戦は厳しいので(笑)、今回はチャンスと思い、やってきました」とは浜屋選手。

 初走行のSUGO戦とは言え、第1ヒートから前評判通り、断トツの速さをマークした浜屋選手は、第2ヒートでは1分24秒台にまでタイムを詰めて総合ベストの成績で優勝をさらった。「腕が疲れました(笑)」と振り返った浜屋選手は、「3連ガレージは思ったより広かったので何とか行けましたね。ただ、路面は滑りやすくて、傾斜もあったので、その辺を踏まえたコース取りが難しかったです」とコースの印象を振り返った。

 白熱したのはともにスイフトスポーツに乗る阿部浩之選手と永山芳樹選手による2位争い。両選手は第1ヒートから僅差のバトルを見せたが、1本目は3位だった阿部選手が、2秒以上もタイムを詰めて永山選手を逆転した。なおこのクラスは優勝した浜屋選手はじめ、スイフトスポーツを駆る3選手が表彰台を独占した。

MT車対象のクラス2は、オートテストスペシャリストとして知られている、浜屋雅一選手が優勝をさらった。
愛知からはるばる遠征の浜屋選手は、「2本目は攻略法が見えてきたというよりは、さらに気合いを入れた分、タイムが上がったんだと思います(笑)。ただスラロームは2本とも詰まってしまったので、反省ですね」とひとこと。
阿部浩之選手は第1ヒートからひとつ順位を上げて2位でフィニッシュ。
表彰台を独占したスイフトスポーツは永山芳樹選手が3位に入った。
クラス2表彰の各選手。

 上級者が揃うエキスパートクラスであるクラス3は、第1ヒートでまずBRZをドライブする森信彦選手が1分32秒985でトップに立つ。しかし第2ヒートに入ると、クラスファーストゼッケンの飯部安彦選手のアルトワークスが、いきなり1分30秒の壁を破る29秒984をマークして逆転。さらに6番目の出走となった同じくアルトワークスの村上清賢選手が29秒942までターゲットタイムを吊り上げた。

 村上選手が最大のライバルと目する、開幕戦2位で8番ゼッケンの小瀬誠選手のコペンは3連ガレージでギアが入らず、タイムロス。続く森選手もペナルティを喫してタイム更新は果たせず。結局、最後までベストタイムを守り切った村上選手が、開幕戦に続いての勝利を飾った。

「自己採点は95点」と振り返った村上選手は、「浜屋選手にどこまで近づけるか楽しみだったけど、まだまだ勝てないですね(笑)。タイヤが3年目なんでちょっと今日はグリップが落ちた感じがありました。新品も用意しているんですが、ジムカーナにも使いたいので悩みどころです(笑)」と次なる一手を模索中の様子だった。

 0.04秒差の熾烈なアルトワークス対決で敗れた飯部選手は、「3番目のガレージを出る時にシフトミスしてしまいました。でもタラレバを言ってみても仕方ないですから。浜屋選手の走りも見れたし、今日は楽しい一日でした。次、頑張ります」とリベンジに意欲を燃やしていた。

クラス3はジムカーナドライバーでもある村上清賢選手が優勝。
こちらも開幕2連勝を飾った村上選手。
僅差の2位に甘んじた飯部安彦選手。
ノートeパワーをドライブした小畑慶止選手が3位を射止めた。
クラス3表彰の各選手。
表彰式後のジャンケン大会も大いに盛り上がった。

レポート&フォト/JAFスポーツ編集部

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