全日本ジムカーナ第3戦タマダ大会を盛り上げる! 参加選手らによる広島市街地パレードランを実施

ニュース ジムカーナ

2022年5月18日

子供たちにモータースポーツの魅力を伝えるため、そして週末の全日本ジムカーナ第3戦開催を知ってもらうため。GW真っ最中の5月3日、広島市街地をジムカーナの競技車両でパレードドライブする意欲的な試みが、大会関係者と参加選手らの協力で実現した。

 3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークを迎えた2022年。5月7~8日には広島県広島市にあるスポーツランドTAMADAにて全日本ジムカーナ選手権第3戦「MAZDA SPIRIT CUP in TAMADA」が開催される。このイベントを広く知ってもらい、大会を盛り上げようとこのたび企画されたのが、ジムカーナ競技車両によるパレードドライブだ。

 このパレードドライブは、5月3日(火・祝)の15時から、広島市中区にある広島市役所を拠点に行われたもので、週末の大会に参戦するナンバー付き競技車両を始めとした合計17台が広島市役所をスタートして、並木通りや中央通り、相生通りから平和記念公園の周りから平和大通りを通って市役所に帰るという約6kmのコースを約50分かけて走行した。

 参加車両は、JG8やJG6クラスを戦うロードスターやロードスターRFを合わせて11台。その他、BRZやインプレッサ、GRヤリス、S2000、スイフトスポーツとアバルト124スパイダーの17台。各車両には選手だけではなく、公募で集められた小学生から中学生までの子供たちが助手席に同乗してパレードドライブに華を添えた。

 競技車両の側面には、いつものゼッケンではなく大会のポスターが貼られ、地元・広島の高屋隆一選手のロードスターを先頭にパレードが始まった。沿道では、キレイなカラーリングを施した競技車両を見かけて手を振る通行人もたくさんおり、選手たちも思わず手を振り返す場面がいたる所で見られ、今回のパレードの盛り上がりが感じられた。

 週末の全日本選手権大会では副競技長を務め、今回のパレードの運営を取り仕切った田中光さんは「選手の皆さんとは、もともとジムカーナを盛り上げるため、そしてイベントを広く知ってもらうために、毎年3万人以上が集まる『ひろしまフラワーフェスティバル』の『花の総合パレード』に参加しようという話があったんです。でも、フラワーフェスティバルは開催されたのですが、コロナ禍によりパレードは中止になってしまったので、それなら、自分たちでやってみようかと思い今回の企画が立ち上がりました。決まってから実行までは短期間でしたので、協力いただいた皆さんには本当に感謝ですね」と語る。

 パレードドライブの前には、同乗してくれた子供たちやその親御さんを対象としたシートベルトの重要性をテーマにした座学講習も実施。資料を見ながら、モータースポーツのシートベルトと一般車両のシートベルトの違いや、特に後席におけるシートベルトの重要性を田中氏が分かりやすく説明し、子供たちも熱心に聞いていたのが印象的だった。

 JG8クラスをロードスターで戦うベテラン・小林キュウテン選手の助手席に乗った荷堂遥香さん(14歳)は、「おしゃべりがはずんで楽しかった。なめらかでスムーズな運転だったので乗り心地が良かったです」と、競技車両の走行安定性というコアな領域についても興味を持ったようで、週末には大会の会場に足を観戦することを約束していた。

 JG6クラスをロードスターRFで戦う有田光徳選手の横に乗った香川崇太くん(10歳)は、「乗れて楽しかった。乗り心地がウチのクルマより良かった」とジムカーナ車両を気に入ったご様子。「免許を取ったらやってみたい」と、うれしいコメントを残してくれた。

 また、JG5クラスにGRBインプレッサWRXで参戦する迫谷政則選手の助手席をゲットした虫谷星南さん(11歳)は、「ガタガタがあって乗り心地は悪かった。でも、色々お話ができてうれしかった。ジムカーナは楽しそうだなと思いました」と正直なコメント。

 今回のパレードドライブは、「全日本ジムカーナin TAMADA」や「全日本ジムカーナ選手会(AJGA)」のSNSで告知されただけでなく、なんとマツダの公式SNSでも、週末の大会の案内を含めた告知がなされていた。そして、パレード当日には地元の地上波局が複数社取材に訪れ、当日夕方のニュースとして報道されていたのも特筆すべき点だった。

 助手席の同乗を終えた感想を聞くにつけ、自動車そしてモータースポーツに対して、子供たちが少なからず興味を持ってくれた実感を得られた。今回、ジムカーナ競技車両に触れた子供たちから、将来のジムカーナドライバーが誕生してくれることに期待したい。

拠点の広島市役所には、地元だけでなく全国各地から選手が集結。ロードスターの他、GRヤリスやBRZなども参加。車両側面には全日本ジムカーナの告知ポスターが貼られた。
助手席に同乗する子供たちは、広島市役所の正面玄関前で受け付け。パレードを担当する17名の選手が紹介された後に、くじ引きの抽選にて乗車車両の割り振りが決められた。
本パレードの運営担当で週末の大会の副競技長も務める田中光氏により、交通安全の観点からシートベルトの重要性を説明する講義も開催。父兄の皆さんも熱心に耳を傾けていた。
助手席に乗車する子どもたちには、サプライヤー協賛のオリジナルグッズをプレゼント。
そして、参加選手と子供たちを乗せた競技車両は、いよいよ広島市役所駐車場を出発。
平和記念公園や、フラワーフェスティバルの会場としてもおなじみの並木通りを含む広島市街地約6kmに渡ってパレードが行われ、沿道から手を振る人々も多数見受けられた。
終了後には子供たちと選手との交流も。JG8クラスを戦う小林キュウテン選手と同乗した荷堂遥香さん(左)とお母さん。そしてJG6クラス参戦の有田光徳選手と香川崇太さん。
JAF中国本部もイベントの盛り上げに協力。講習教材の提供や、こども安全免許証の発行、グッズのプレゼントなどを行い、交通安全に寄与する取り組みを行った。
今回のパレードドライブに協力した選手たちと田中副競技長。この週末に彼らの本番となる全日本ジムカーナ選手権第3戦MAZDA SPIRIT RACING CUP in TAMADAが開催される。
[参加選手]高屋隆一選手、一色健太郎選手、奥山和宏選手、ユウキ選手、迫谷政則選手、小林キュウテン選手、有田光徳選手、高江淳選手、奥井優介選手、大崎悠吾選手、阪本芳司選手、柏昇吾選手、河本晃一選手、内田敦選手、久保真吾選手、中田匠選手、上本昌彦選手(パレード走行順)
5月7~8日にスポーツランドTAMADAで行われたMAZDA SPIRIT RACING CUP in TAMADAでは、前田育男大会会長による「MAZDA SPIRIT RACING」活動の趣旨や自身のグラスルーツモータースポーツとの関わりなどを交えた挨拶があり、大会の最後には、パレードドライブ開催にも尽力した大会組織委員長の玉田敬司代表らが関係者への謝辞を述べた。

フォト/山口貴利、廣本泉 レポート/山口貴利、JAFスポーツ編集部

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