ヘイキ・コバライネン/北川紗衣組が今季3勝目を挙げてJN1シリーズランクトップを奪取
2022年5月26日
全日本ラリー選手権第4戦「YUHO RALLY TANGO Supported by Nissin Mfg」が、5月20~22日にかけて京都府の京丹後市周辺で開催。前戦の久万高原でデイ離脱となったJN1クラスのヘイキ・コバイライネン/北川紗衣組が、12SS中11SSでトップの走りを見せて勝利を収めた。
2022年JAF全日本ラリー選手権 第4戦「YUHO RALLY TANGO Supported by Nissin Mfg」
開催日:2022年5月20日~5月22日
開催地:京都府京丹後市周辺
主催:SYMPHONY、OECU-AC
京丹後市内の京都丹後文化会館駐車場を拠点とするラリーは、丹後縦断林道に3か所のSSを設定。初日の21日は順走方向に2回ずつ走行する6SS(52.16km)、ラリー最終日となる22日には逆走方向に2回ずつ走行する6SS(55.92km)の計12SS(SS総距離108.08km)が設定された。
初日の天候は曇りで2日目は晴れ。路面コンディションは両日ともドライで、日差しが強くなった2日目は路面温度が一気に上昇。気温も26度を超える夏を思わせる暑さとなり、マシンにもタイヤにもクルーにも厳しい1戦となった。
今回のラリーは京丹後森林公園スイス村でギャラリーステージが実施された他、TOYOTA GAZOO Racingと京都トヨタ自動車との協力により、地元の峰山中学校で特別授業が行われ、吹奏楽部がセレモニアルスタートで演奏を披露。生徒たちはスペシャルステージの特別観戦エリアに招待され、全日本ラリーの迫力ある走りを肌で感じ取っていた。
JN1クラスは、第3戦でサスペンショントラブルによりレグ離脱し、開幕連続優勝記録が2でストップしたヘイキ・コバライネン/北川紗衣組のシュコダファビアR5が、オープニングのSS1(Taiko Hillclimb 1)で、同じマシンを駆る福永修/齊田美早子組に0.2秒差のベストタイムをマーク。奴田原文雄/東駿吾組が福永/齊田組に0.1秒差の3番手、眞貝知志/安藤裕一組が奴田原/東組に0.3秒差の4番手と、0.1秒を争うバトルが展開される。
続く9.32kmのSS2(Tsunotsuki 1)でもベストを重ねたコバライネン/北川組に対し、奴田原/東組が0.3秒差、勝田/木村組が0.6秒差の僅差で追いかけるが、SS3(Nariai 1)でコバライネン/北川組が一気にスパート。2番手に浮上した勝田/木村組に対し、8.6秒のマージンを築く。
SS4(Taiko Hillclimb 2)では奴田原/東組が今シーズン初となるベストタイムをマークするものの、反撃はここまで。SS5(Tsunotsuki 2)とSS6(Nariai 2)でベストを奪い、初日をトップで折り返したコバライネン/北川組は、2日目にすべてのSSでベストタイムを奪い、2位に45.1秒差をつけて今シーズン3勝目を獲得。第3戦で勝田/木村組に明け渡したシリーズランキングトップの座に返り咲いた。
混沌とした2位争いは、奴田原/東組が初日を2番手で折り返すものの、SS3のスピンで遅れた福永/齊田組が2日目オープニングのSS7(Nariai Reverse 1)で2番手に浮上し、そのまま順位をキープして2位でフィニッシュ。3位には、路面温度が上がった2日目の最終セクションで奴田原/東組を捕えた勝田/木村組が入賞した。
横嶋良/小藤桂一組が不参加となったJN2クラスは、今回も中平勝也/島津雅彦組が全SSでベストタイムをマークし、開幕戦からの連勝記録を4に伸ばした。2位にはGRスープラのAKIRA/美野友紀組が、4戦連続入賞を果たした。
JN3クラスは、シリーズランキングトップの竹内源樹/木村悟士組と、第2戦優勝の山田啓介/藤井俊樹組、シリーズランキング3番手の山本悠太/立久井和子組の3台が、SS1からコンマ1秒単位を争うバトルを展開。初日の6SSを終えた時点で山田/藤井組がトップ、8.6秒差の2番手に竹内/木村組、さらに1.8秒差で山本/立久井組が追う展開となった。
2日目に入ると山田/藤井組が一気にスパート。竹内/木村組と山本/立久井組も最終セクションで追い上げるが、山田/藤井組が逃げ切って今季2勝目を飾った。昨年のJAF中部・近畿ラリー選手権でラリー初優勝を飾った山田/藤井組。全日本ラリー参戦1年目で早くも2勝を挙げる快進撃を見せている。
JN4クラスは、第3戦で今季初優勝を飾った西川真太郎/本橋貴司組が、初日最初のループでプッシュしてトップをキープ。2ループ目に入ると須藤浩志/新井正和組や鮫島大湖/船木佐知子組らがベストを奪って西川/本橋組を追い上げる展開。
だが、セッティングをベストな状態に戻した西川/本橋組が2日目で一気にスパートをかけ、第3戦に続いて今季2勝目を挙げた。2位は初日5番手につけていた東隆弥/藤澤進組が、2日目のSS8(Tsunotsuki Reverse 1)でベストタイムを奪った他、好タイムを連発。岡田孝一/河本拓哉組、須藤/新井組、鮫島/船木組を抜き、2位入賞を果たした。
JN5クラスは、RX-8を駆る藤原直樹/中嶋健太郎組がSS1とSS2でベストタイムを奪い、SS2を終えた時点で2番手につける天野智之/井上裕紀子組に8.1秒差のトップに立つ。だが、SS3で天野選手が一気に逆転。SS1のリピートとなるSS4でふたたび藤原選手がトップを奪い返し、天野選手がSS5で再逆転するというシーソーゲームとなった。
2日目はすべてのSSで天野選手がベストタイムをマーク。2番手以降を一気に突き放し、今季4勝目を獲得した。初日3番手の小濱勇希/竹下紀子組が、2日目のSS10(Nariai Reverse 2)で藤原選手を逆転して2位入賞。藤原/中嶋組が3位となった。
JN6クラスは、海老原孝敬/蔭山恵組が、赤旗でキャンセルとなったSS7を除くSSでベストタイムをマークし、今季4勝目を獲得。今シーズン初出場の兼松由奈/原田晃一組が2位に入賞。ベテランの中西昌人/有川美知代組が3位に入賞した。
選手権外クラスのOP-1クラスは、ベテランコンビの松波登/草加浩平組が優勝。OP-2クラスは、今回はラリーRF車両で参戦のために選手権外クラスでのエントリーとなった平川真子/藤田めぐみ組が優勝した。
■2022年JAF中部近畿ラリー選手権第1戦
フォト/CINQ、中島正義、山口貴利 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部