初夏の陽気に恵まれた奈良・大和郡山で、男女50名が白熱のオートテストに挑戦!

レポート オートテスト

2022年5月25日

昨年は11月に開催された奈良・アピタ大和郡山店のオートテストが今年は5月に開催された。強い日差しの汗ばむ陽気に恵まれた会場には50名の男女がエントリー。商業施設を訪れた多くの買い物客らが見守る中で、自分の技量と真摯に向き合うトライが始まった。

オートテスト2022 IN アピタ大和郡山 with JAF WOMEN IN MOTORSPORT
開催日:2022年5月22日
開催地:アピタ大和郡山店特設会場(奈良県大和郡山市)
主催:RC.NARA

 奈良県の老舗加盟クラブ・モータースポーツクラブ奈良(RC.NARA)が毎年開催しているオートテストが、大和郡山市の商業施設「アピタ大和郡山店」駐車場を特設会場として開催された。昨年は12月12日に同所で行われたが、今年は5月22日に開催された。

 RC.NARAのオートテストは、AG.MSC北海道が定期的に開催しているイベントと並んで、オートテスト国内導入当初から開催されている老舗イベント。特にこの大会は、衆目が集まりやすい商業施設内で定期的に開催されていて、今大会にも協賛している奈良トヨペットを始めとした協賛各社のブースも毎回出展されている。競技運営の的確さや競技内容の面白さを追求するだけではなく、たまたま会場を訪れたオートテストを知らない一般の方々を振り向かせる、賑やかさの演出にも腐心している点も特徴なのだ。

 今大会は一般部門とWOMEN部門でそれぞれ事前申し込みが行われ、集まった50名の参加者は朝8時のゲートオープンで入場を開始した。コース内に設けられたドライブスルー形式の参加確認受付を通過してからパドックに駐車するという流れを採用。テントなどに参集して参加受付を行う場合の人的接触や密集をできるだけ避けることで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の実施も徹底していた。また、パドックでは係員が参加車両をていねいに誘導して、参加者や見学者、子供たちの安全にも配慮していた。

 開会式では3名のインストラクターが紹介され、全日本ジムカーナ選手権の川脇一晃選手や久保真吾選手、そして今回はスペシャルゲストとして山野哲也選手が来場した。この大会はドライバーズブリーフィングにも特徴があり、コース図や資料を元にした説明だけではなく、実際のコースを試走車が走り、それを見学する参加者に対して川脇選手が各ポイントを解説して理解を深めてもらうスタイルを採用。それらを踏まえた参加者は慣熟歩行に臨み、その際にも3名のインストラクターがグループごとに先導して実地解説をした。

 そして、今大会は昨年に引き続きJAF WOMEN IN MOTOR SPORT(JAF WIM)共催イベントとなっており、女性参加者は一般参加者(男性)とは別部門にエントリー。会場にはJAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会の飯田裕子座長と村里早織委員が駆けつけ、JAF WIM共催イベントでは恒例となっている屋根付き観戦スペースの設置や女性限定の公式グッズプレゼントなどのほか、飯田座長によるドライビングポジションに関するレッスンなども実施され、女性参加者への手厚いケアが随所で行われていた。

 慣熟歩行の後には練習走行が行われ、その後に計測1本目、2本目の走行が続き、合計3回の走行ができるプログラムとなっていた。今回のコースレイアウトは、スタート後に直進で2本パイロンの「ラインまたぎ」に入り、90度後退して再び前進し、小さなS字区間を経てバックストレートのパイロンスラロームに入る。奈良トヨペットの出展ブース側には3本パイロンを内に見た大きいRのコーナーを設定。その後に控えるS字をアウト側の規制パイロンを気にしながら左旋回して、2本パイロンの「ラインまたぎ」に前進で進入し、そこからガレージに90度後退で入り、クランク状に前進してゴールする内容だった。

 この設定のハイライトは主にコース後半にあり、大きくS字旋回した後に控える「ラインまたぎ」の入り方がキモとなった。実は「ラインまたぎ」のパイロン間隔がやや空いており、そこへ左寄りに入ってしまうと、次のガレージに入る角度がキツくなる。しかも、左寄りに入った場合、後退するために後ろを見ると、ガレージセクションが見えなくなるという罠が仕込まれており、慣熟歩行に続いて行われた練習走行では「ラインまたぎ」からガレージへのアプローチに戸惑う参加者の姿が目立っていた。しかも、ガレージからクランク状にゴールするセクションも要注意ポイントで、ゴール手前の右側に置かれた規制パイロンを気にするあまり、多くの右ハンドル車にとって死角となるガレージ左端に立つパイロンの存在を忘れて、倒したり接触してしまうミスも多かった。

 バックストレートに並ぶパイロンスラロームも、一つひとつで車速をしっかり落として、ステアリングをしっかり回さないと旋回できない設定となっていて、最近は速度を出そうとする設定が増えつつあるオートテストだが、せっかくノーミスで来たのに、最後の最後で大きな罠にハマるといった、多少意地悪ではあるが、やや難易度の高い設定を加えることで、車速を高めなくても十分に白熱する設定になっていたことは特筆すべき点であった。

 練習走行終了後には、奈良トヨペットが持ち込んだ2台の電動カートによる決勝コースを使ったランデブー走行が行われ、そして、話題の新型バッテリーEV・トヨタ「bZ4X」の山野哲也選手によるデモ走行や、7月に装いも新たに開幕するTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupに参戦する予定のGR86 Cup Car Basicのお披露目なども行われ、クルマ好きの幅広い層や世代に刺さるデモンストレーションプログラムが目白押しだった。

 ランチタイムと2度目の慣熟歩行を挟んで、いよいよ第1ヒートが正午頃にスタートした。

 一般部門Aクラス(ATの軽自動車対象)では、コペンの松岡廣隆選手が大差の最小限点で折り返し、一般部門Bクラス(MT車対象)では、ロールケージ装着のミニカを駆る古川和樹選手がS660の篠原賢爾選手を下してトップに立つ。そして一般部門Cクラス(軽自動車を除くAT車対象)では、黒塗りセダンのSAIを駆る藤塚伊織選手が暫定トップを獲得。

 WOMEN部門のAクラスは純白のフレアクロスオーバーを巧みに操った田中綾香選手がトップに立ち、Bクラスでは近畿の旧車CR-X使い・山本雪選手がペナルティをもらいながらも、アルトワークスの小澤恵選手を僅差で下してクラストップで折り返した。Cクラスでは現行プリウスをダイナミックに曲げる廣野和代選手が、こちらもペナルティに泣きつつも上位3台すべてペナルティ対象という、ある意味イコールな状況で首位に立った。

 続けて行われた第2ヒートでは、一般部門Aクラス首位の松岡選手が、自身の走行ポイントは減らしたもののペナルティに泣く。そしてキャロルのタバタ選手が第2ヒートで松岡選手の第1ヒートの走行と同ポイントを獲得する激戦となった。しかし、松岡選手の第2ヒートの成績がタバタ選手の第1ヒートの成績より良かったため、第1ヒートのペナルティが少なかった松岡選手が第1ヒートの結果で優勝した。

 Bクラスも激戦模様で、暫定トップの古川選手が走行ポイントを短縮して再び暫定首位に立った。しかし、S660を駆る篠原選手が走行ポイントを大幅に短縮して古川選手を僅かに逆転。そのまま逃げ切り、大会オーバーオールのポイントで優勝した。Cクラスは藤塚選手が走行ポイントは短縮したもののペナルティに泣き、こちらも第1ヒートの成績でCクラス優勝を飾った。BクラスとCクラスではベテラン同士の熱い上位争いとなった。

 WOMEN部門のAクラスでは、暫定首位の田中選手が6ポイントも短縮し、ノーペナルティで追い上げた福本美緒選手を振り切って優勝。Bクラスでは第2ヒートも山本選手と小澤選手の対決となり、山本選手が第2ヒートに獲得した走行ポイントに小澤選手が1.5ポイント差にまで詰め寄ったものの、山本選手が逃げ切って優勝した。Cクラスでは、アバルト595を駆る中野早苗選手が第2ヒートで好走したがペナルティに泣いて2番手留まり。その結果、Cクラス最終走者の廣野選手は第1ヒートの成績で優勝が決まることになったが、第2ヒートの合計ポイントを短縮して、2ヒートともベストの完全勝利を果たした。

 今大会でインストラクターを務め、コース設定も監修している川脇選手はこう語る。

「昨年とコースは一緒なんですが、速度抑制のために、少しコンパクトに修正しました。ですが、ただ低速なだけじゃなくて、しっかりハンドルを回さないと曲がれず、次のセクションで行き詰まるような設定になっています。オートテストは最近スピードが上がっている印象ですが、スピードが上がるとスリルも高まって面白いかもしれないけど、そうなるとヘルメットなどの安全装備が必要になってきます。『オートテストとは?』ということを改めて考えると、あくまで1速を噴け切らないぐらいの車速で、ステアリングを一生懸命切るようなレイアウトじゃないとダメなんじゃないかと思ってるんです」。

「そして、この会場は路面が少しダスティなんです。そういう路面状況をオフィシャルが察知して、2本目に逆転できる条件を作ってあげることも大事だと思っています。駐車場の路面は道路とは違うので、横Gをかけて走ると舗装の角が取れて小石になり、ベアリングを撒いたように滑りやすくなってしまうんです。オフィシャルの皆さんは朝の設営でホウキで掃いてましたし、1本目が始まる前、慣熟歩行のときにもホウキで掃いて、朝と同じ路面状況にする努力をしていました。こういう配慮もすごく大切だと感じています」。

「攻略のポイントは”切り返し”だと思います。最初の『ラインまたぎ』からバックして出ていくまでには正確なシフト操作が必要で、ゴール前の『ラインまたぎ』からバックでガレージに入るところも同様です。でも、ここは『ラインまたぎ』に入る位置によって、次のガレージへの難易度が変わってくるんです。パイロンの間隔があえて広げてあり、コンパクトに入ってしまうと、ガレージにバックするときに蛇行しないといけなくなるんです。ここは右に寄せて入って、ガレージに対してまっすぐアプローチするのが正解ですね」。

「モータースポーツの世界では”走りの組み立て”という言葉があって、次の操作を見越して手前から動作を考えることが大切なんです。最後のガレージの入り方に気付いた人は、1本目と2本目で走るラインを変えてましたよね。こういう”走りの組み立て”は、モータースポーツではいろんなカテゴリーで必要とされている考え方なので、今回のレイアウトはよくできていると思いますよ。クルマの運転は低速のほうがテクニカルで難しくなりますから、オートテストはちゃんと曲がれて攻め切れるパイロンの配置が大切なんですよね。スピードや成績じゃなくて『今日はうまく走れた』とか『あそこがうまくいかなくて悔しい』といって帰ってもらえることがオートテストの本質なんじゃないかと思っています」。

 RC.NARAが開催するオートテストの初回以来の参加となった山野哲也選手はこう語る。

「皆さんがとても楽しんでいる様子を確認できましたし、そういう楽しんでいる皆さんの表情を見るのも、とても楽しかったです。自分は普段、全日本選手権やレースなどで真剣勝負の場に身を置いているので、参加者の笑顔を見られる機会ってなかなかないんですよ。そういう意味で、会場の皆さん笑顔でいられて、かつ、それがJAF公認競技であるという点がオートテストの大事なところであることを再認識しました。モータースポーツは決められた身体装備や車両規則に合わせることが必要ですが、オートテストはそれらがいらず、普段乗っているクルマでそのまま出られます。そして、今回のコースでは時速50kmも出ていないと思うんです。それでも皆さんはしっかり”モータースポーツ”を感じていらしたように思いますので、この大会への関わりは久々でしたが、オートテストはやはりこういうものだよね、ということを改めて感じることができました」。

 会場となったアピタ大和郡山店は、天候に恵まれたこともあり、買い物客の駐車場は満車状態となっていた。奈良トヨペットのブースエリアではレーシングマシンの展示や電動カートの体験試乗会が行われ、コース上では身近なクルマが絶えずオートテスト走行をしていた。これらに触れてモータースポーツの存在を知り、興味を持ち、いつかはモータースポーツを”日常”にしてくれる。今大会は日常と非日常をつなぐ貴重な機会となっていた。

今回の会場は、もはやオートテストのメッカとも言える「アピタ大和郡山店」の駐車場。食事もトイレにも困らない絶好の立地で、訪れた一般の買い物客からも注目されていた。
本大会では新型コロナウイルス感染症の感染防止対策が徹底され、入場時の検温や手指消毒はもちろん、参加者の密集を避けるためドライブスルー形式の参加受付も実施された。
大会のインストラクターは、実況アナウンサーも兼務する、全日本ジムカーナで活躍するおなじみ川脇一晃選手と久保真吾選手。今回は特別ゲストとして山野哲也選手が登場!
昨年12月の2021年大会と同様ながら、安全性向上のため小変更がなされた今回のコースレイアウト。攻略の要は2箇所の「ラインまたぎ」とゴール手前の「ガレージ」だった。
ドライバーズブリーフィングは、コースを試走車がゆっくり走行して、それを見学する参加者に対して、川脇選手がそれぞれの箇所での要注意ポイントを解説するスタイル。
コース解説の後には、走るコースを実際に歩いて道順を覚えたり攻略を考える「慣熟歩行」の時間。講師陣がそれぞれ参加者を引率して、コース上で攻略法をレクチャーした。
オートテスト会場の隣では奈良トヨペットがブースを出展。超レアカーを間近で見られる貴重な機会となり、小中学生対象の「チャウピーカートサーキット」も出張展開された。
オートテストを簡便に開催できる例を示すためストップウォッチによる1/10の手動計測を採用。バックアップで光電計測も行い公平性への追求も忘れない。また、駐車場の舗装は小石が生じやすいため、安全性と路面維持のため走行の合間に路面清掃を行っていた。
今大会もJAF WOMEN IN MOTORSPORT共催となりWOMEN部門を設定。JAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会からは、飯田裕子座長と村里早織委員が来場した。
JAF WIMオリジナルグッズを始めとした女性参加者限定の”お土産”もたくさん用意され、モータージャーナリストでもある飯田座長によるドライビングポジション講習も実施。
JAF WIM共催オートテスト恒例の、女性限定のホスピタリティブースを設置。屋根付きの観戦スペースは、今回のような日差しの強い舗装の会場ではありがたいサービスで、飯田座長と村里委員は参加者と交流して不安解消に務め、今後の改善策をリサーチしていた。
一般部門Aクラス(軽AT)表彰式。優勝はコペンの松岡廣隆選手、2位はキャロルのタバタ選手、3位はアルトの村上友彦選手。松岡選手とタバタ選手はベストポイントが同点だったが、第1ヒートのペナルティが少なかった松岡選手が優勝となった。
一般部門Bクラス(MT車)表彰式。優勝はS660の篠原賢爾選手、2位はミニカの古川和樹選手、3位はカプチーノの吉岡俊行選手、4位はスイフトスポーツの江口直哉選手、5位はスイフトスポーツの梅田大輔選手、6位はアバルト595の貝塚功一選手。
一般部門Cクラス(軽以外AT)表彰式。優勝はSAIの藤塚伊織選手、2位はレクサスISの吉本定央選手、3位はBMW 330eの竹内藩選手、4位はルノー・トゥインゴの浦上満穂選手、5位はノートの西川稔選手、6位はストリームの大林秀彰選手。
WOMEN部門Aクラス(軽AT)表彰式。優勝はフレアクロスオーバーの田中綾香選手で、JAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会の飯田座長と村里委員から賞典が授与された。2位はコペンの福本美緒選手、3位はキャロルの河田孝子選手。
WOMEN部門Bクラス(MT車)表彰式。優勝はCR-Xの山本雪選手、2位はアルトの小澤恵選手、3位はロードスターの定松舞子選手、4位は畑内優子選手、5位はGRヤリスの伊藤知子選手。
WOMEN部門Cクラス(軽以外AT)表彰式。優勝はプリウスの廣野和代選手、2位はアバルト595の中野早苗選手、3位はゴルフ・ヴァリアントの尾藤美子選手、4位はスイフトスポーツの高田節子選手。
奈良トヨペットの「チャウピーカートサーキット」が大和郡山に出張! 独自のプラチナライセンスを持つ岩田萌愛さんと北村栞さんがコースでデモ走行を披露してくれた。
話題のトヨタ新型BEV「bZ4X」が一足お先に大和郡山でデビュー。ゲストの山野哲也選手がコースをデモ走行し、EV車でもスポーツ走行できるという一つの可能性を示した。
奈良トヨペットのGR86を使った山野選手によるデモランが行われ、さらに、納車されたばかりのGR86 Cup Car Basicも車両運搬車に載って登場。マニア垂涎の機会となった。

Entrant Voice~オートテストいかがでした?~

今大会に参加した皆さんに、オートテストに参加したキッカケや感想を伺いました!

父のコペンで父娘参戦! ”運転とは何か”を考えさせられる機会に

一般部門Aクラス・松岡廣隆さん/WOMEN部門Aクラス・福本美緒さん[ダイハツ・コペン]

「私もそろそろ70歳になりますが、歳とともに身体能力が落ちて、運転技術も衰えていきますよね。オートテストは曲がる、止まるということをやるので、これは街を走っているときに、何かあったら活きるんじゃないかなと思っていたんです。もう10年くらい前から、JAFさんのシニア向け講習やセーフティトレーニングなどにポツポツ参加して、運転に関わる基本的なトレーニングをするようにしてました。おかげで走らせ方や運転中の注意力みたいなものも維持できている印象なので、とてもいい機会だと思っています。オートテストはたまたまウェブで見つけて、装備もいらないということで興味を持ちました。今まで出たトレーニングと違って、よりレースに近い方ですよね。なので神経を養うためには最適だし、年齢的にもレースは難しいと思っているので、こういうイベントが頃合いなのかなと思って参加しました。いざ出てみたら、やはり注意力が高まったように感じます。街中を走っているとし、前のクルマが動いたから自分も動く、みたいなこともありますよね。そうではなく、止まるところではしっかり止まるし、安全確認もしっかりやるようになりました。やはり安全運転には気を遣うようになりましたね(松岡さん)」。

「父(松岡さん)から誘われて初めて参加しました。父は昨年も出ていて、そのときは姉を誘っていたんです。なので次は私なんだろうなと覚悟していました(笑)。最近は休みの日の買い物ぐらいでしか運転しないんです。今回は、皆さんもう少し穏やかな走りをされるのかと思っていましたが、意外と気合が入っていてちょっとビックリしています(笑)。順位を競うとかやったことがないですし、日常の運転環境とは雰囲気も全然違いますが、これはこれで楽しいなと感じてます。今回は運転姿勢を教えてもらったりしましたが、普段はそういうことをまったく考えずに運転しているし、休みの日に慣れた道をちょろっと走るだけなので、”慣れ”で運転をしてしまうんですよね。今回はいろいろ考えて走ると、考えたことがうまくいったり、できるようになったりするんだなと感じました。それと、実況アナウンスで自分の走りにコメントも付くので、そういう体験も面白く感じています。このクルマは父のものですが、家に帰ると、たまに自分の軽自動車と入れ替わっていたりするんです(笑)。普段から運転する機会はありましたので、今回も気負わず運転することができました。実はこのクルマがけっこう好きなので、もし要らなくなったら父から譲ってもらおうと思ってます!(福本さん)」。

父である松岡さんのダイハツ・コペンで父娘ダブルエントリーした福本さん。松岡さんは一般部門Aクラスで優勝、福本さんはWOMEN部門Aクラスで僅差の2位を獲得した。

大切なのは”落ち着くこと”。運転の感覚を養えるオートテスト参戦

Women部門Cクラス・高田節子さん[スズキ・スイフトスポーツ]

「最初はJAFの安全講習イベントに出たときにスラロームを走って、それが面白かったんですよね。次に山添のサーキットでやるとというので応募したら抽選に外れたんです。その時に紹介されたのが、一番最初のココのオートテストだったんですよ。ヘルメットとかいらなかったので、奈良の大会だけ年に一回出ています。JAFの安全講習イベントは面白かったんですが、何回も出られるものじゃないので、今はオートテストで安全を確認しながら、もう少し年齢が行ったら安全講習イベントにも出てみようと思ってます。一回目のオートテストでミスコースして、その時は果てしない減点をもらったんです(笑)。それ以降はミスをしないこと、1走目よりも2走目で速ければなお良し、といったことを心がけてきました。そのおかげで2回目以降の大会ではミスなく完走できてます。一度ミスをすると立て直せなくなるんですよね。なので『落ち着くこと』を意識してます。日常の運転でも『慌てずに落ち着くこと』を考えていて、駐車場にクルマを入れるようなときも、変な感じになったら、一度クルマを前に出して、もう一回入れ直す、といったことをやってます。そういうこともあって、今まで大きな事故もなく走れてますね」

チャンピオンイエローのZC32Sスイフトスポーツをキレイに乗りこなす高田さん。今回も2ヒートともノーミスでフィニッシュして、WOMEN部門Cクラスで4位を獲得!

ファミリーカーでも非日常を楽しめる! ワクワクできるオトナの遊び

一般部門Cクラス・大林秀彰さん[ホンダ・ストリーム]

「JAFメイトでオートテストの記事を見て参加しようと思いました。小学校の頃にJGTCを観てESSO Ultrafloスープラや脇阪寿一選手が好きになって、いつかサーキットを走りたいなと思っていました。学生の頃は中古のEG6シビックを買って鈴鹿サーキット国際南コースのスポーツ走行などで遊んだりしていました。でも、サーキット走行は、やはり維持費やクルマの消耗を考えると敷居が高いイメージがありますね。こういう1台で走るようなイベントは初めてですが、オートテストにはファミリーカーで参加できるのが魅力的でした。今回参加した目的は、実は、日常を離れたいなという思いがありまして……(笑)。いつもなら見逃していたと思いますが、今回はたまたま雑誌で目に止まって、奈良なら近いから出られるなと思って応募してみました。今日はいい感じで走れたと思っていましたが、実況アナウンスでパイロンタッチと言われ、せっかくの3番手を失ったみたいなので、もったいないことをしたなと思ってます。月並みな表現ではありますが、オートテストはすごく楽しくてワクワクしますね。自分が『無』になれますし、好きなクルマで合法的に踏めますから(笑)。オトナでも十分楽しめる遊びだと思います」。

インストラクターの山野選手にドライビングポジションなどに関する個人レッスンを受け、最後に行われた同乗走行では、久保選手のドライビングに当選して収穫は盛りだくさん。

一緒に上京した”ミラバン”でモータースポーツをエンジョイしたい♪

Women部門Aクラス・亀井夕海さん[ダイハツ・ミラ]

「オートテストで完走証明をもらうと国内Bライセンスを申請できると聞いて、これからモータースポーツに参加するのにライセンスが欲しくて参加しました。今やってみたいと思っているのはオートテストとジムカーナ、そして、現在私は会社のモータースポーツクラブに所属しているので、その活動で行っているラリーにもいつか参加できるといいなと思っています。もともとオートテストとジムカーナには興味があったんですが、地元ではそういう会場が家から遠かったのと、オートマ限定からマニュアル免許に限定解除したのも遅かったので、会社に就職する前には活動できなかったんですよね。就職の際には、地元で購入した自分の初マイカーと一緒に上京しました。いろんな条件を考えて購入した自分の”一番”なクルマです。ずっと乗っていたいという思いがあったので一緒に持ってきました。このクルマはバンだから後ろは広々で便利ですよ。引っ越しのときにも荷物を積めるだけ詰めてきました(笑)。クルマは観てるのも触るのも乗るのも好きなんです。走るだけじゃなく、手をかけたり直したりするのも好きなので、これからが楽しみです。今回初めてイベントに出てみて”本番の空気”を感じてます。クラブ活動の練習ではできたことがイベントではできなかったり、緊張してうまく操作できないことも多かったです。でも、皆さんの走りを観たり、実況の解説を聞いていて、オートテストは日常の運転に活きるなと感じました。裏返すとその逆も有り得そうなので、今回はうまく行きませんでしたが、日常の運転で意識して次の参戦機会に繋げたいなと思いました」。

会社のモータースポーツクラブの仲間が亀井さんのオートテスト初参戦をサポート。亀井さんは飯田座長やインストラクターのレッスンなど、学びの機会を積極的に活かしていた。

ディーゼルエンジン好きで繋がった旧車マニアが”走り”を試したら……!?

一般部門Bクラス・中村匠汰さん[いすゞ・ジェミニ]/今井勇企さん[日産グロリア]

「少し前に、何となく中部でやっていたオートテストに参加して、地元の関西でもオートテストが開催されていることを知って申し込みました。以前はインプレッサに乗っていたのもあって走りには興味があったんですが、このクルマに替えてからは、パーツもないしノーマルを維持すべきクルマなので(笑)、オートテストはちょうど良かったんです。ほかの自動車競技になると、ある程度の装備が必要になると思うんですが、街を走ってるそのままの姿でスポーツ走行できるところがいいですよね。このクルマはJT641F型「ジェミニT/T」なんですが、実はよく曲がるクルマで、ノーマルでも思った通りにグイグイ曲がってくれます。乗用車のディーゼルなのでパワーはないんですが、トルクはあるので街中の走りはスムーズで楽しいですよ。選んだ理由は、以前からいすゞ車に乗りたかったのと、商用車が好きで低グレードのクルマに乗りたかったからです。中古車誌に載っていたのを偶然見つけたので、福岡のクルマでしたが新幹線で買いに行って自走で帰ってきました(笑)。昔からタクシーやトラックが好きで、グランツーリスモにいすゞ車が収録されていて、そこでいすゞにも乗用車があるんやなと知ったのが大元のキッカケです。自分のいろいろな思いを両立できるのがこのジェミニだったんですよね」。

九州で見つけた低走行で5速MTの最終型ジェミニを愛する中村さん。ディーゼル”フェチ”としてグロリアの今井さんと知り合い、両者ともに純正状態をキレイに維持している。

「オートテストを知ったのはディーゼルのジェミニに乗る中村さんの影響ですが、実は、こういうクルマでスポーツ走行をするとどうなるのかを試してみたかった、という思いもありました。こっち方面に自分の能力があるかどうかを確認したかったのもあるんですが、実際に出てみたら、クルマの性能という以前に、旧車なのでハンドルが大きくて、スラロームではいっぱい回さないと次に間に合わなくて大変でした。パワステ付きではあるんですが、昔ながらの油圧式なので突然重くなったり、反応がワンテンポ遅れたりするんです。ということで、スポーツ走行をするクルマではないことを痛感しました(笑)。でも、逆に思ったのは、一般道では軽自動車からトラック・バスが一緒に走るので、それぞれのクルマの特性に関係なく、同じ流れに乗らないといけないわけですよ。なので、旧車に乗る身としては、古いからノロノロ走っていいワケじゃないと思っていますので、いかに周りに迷惑を掛けず、今どきのクルマにどれだけ近づけるかを意識しながら運転する必要があるんだなという学びにもなりましたね。このグロリアは自分で買った最初のクルマなんです。もともと商用車や働くクルマが好きで、かつ鉄道好きだったのでバスに興味が行って、自分で所有するとなると現実的にはタクシー車種となりました。ディーゼルエンジンが好きだったので、それを加味してタクシー車種で選ぶと、デザインが気に入っていたセドリック/グロリアとなり、どうせ1台しか持てないなら”とびきりの1台”を探して、浮気せずにちゃんと面倒みようと思ってこのクルマに行き着きました。低走行のグロリアに出会えて、いい主治医にも巡り会えたので、今後も維持していきたいと思います」。

鉄道趣味が高じて商用車に興味を持ち、”自分の一番”を探して程度極上の330グロリアに出会えた今井さん。中村さんの影響で初参加し日常の旧車ドライブに役立つ気付きを得た。
晴天に恵まれて多くの買い物客に注目されながらのイベントとなった今回のオートテスト。協賛各社からのグッズなどを争奪するじゃんけん大会も大盛り上がりで無事に終幕した。

フォト/遠藤樹弥、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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