京都コスモス今季初開催の近畿地区戦は、ハイスピードバトルが勃発!
2022年5月26日
2022年のJAF近畿ダートトライアル選手権第2戦が、5月15日に京都府のコスモスパークで開催された。
2022年JAF近畿ダートトライアル選手権第2戦
2022年JMRC全国オールスターダートトライアル選抜第2戦
2022年JMRC近畿ダートトライアルチャンピオンシリーズ第2戦
2022年JMRC近畿ダートトライアルジュニアシリーズ第2戦
AGSCハイスピードダートトライアル
開催日:2022年5月15日
開催場所:京都コスモスパーク(京都市右京区)
主催:AGSC
第1戦は福井県のオートパーク今庄での開催だったため、今回の一戦は近畿地区でのダートトライアルの今年のシーズンの幕開けを告げる大会になった。今年も、近畿地区戦と同時にJMRC近畿のジュニアシリーズも毎戦併催されているが、こちらのシリーズには今回は18名がエントリー。地区戦と合わせてトータル73名が、今回の“近畿開幕戦”にエントリーした。
今回の主催は大阪のJAF加盟クラブである、オートヂーニアススポーツクラブ(AGSC)。AGSCのダートラの名物は、コスモスパークの直線を目いっぱい使ったハイスピードコースだ。その直線ではスピードガンによる最高速計測が行われ、各クラスの最高速度をマークした選手は競技の結果とは別に表彰されるとあって、思わず右足に力が入るのが特徴となっている。
ただ、最高速を狙うとブレーキが遅れたり、ミスもしやすくなるため、競技の順位に影響することになる。だからこの大会に関しては、最高速度は“おまけ”として考え、クレバーに走ることが重要な課題だろう。今回は最高速をマークした選手も併せてレポートしてみよう。
まずジュニアシリーズのJ1500クラスは、大阪大学体育会自動車部の岩田直也選手が開幕2連勝を決め、最高速もマークした。ダートラ歴はまだ9か月だが、第2ヒート前の慣熟歩行で掴んだイメージ通りに走れたのが、優勝に繋がったようだ。
J1クラスも大学生の倉持陣之介選手が、第2ヒートで第1ヒート、トップだった能塚義豊選手を逆転し、優勝を決めた。両者は京都大学の学生で倉持選手が3回生。能塚選手は4回生で一学年、先輩になる。それだけに能塚選手は、「後輩の倉持に負けたのが悔しい。最高速は取ったけど、大きな岩があったので、そこでミスしてしまいました」と無念の表情だ。
一方、優勝の倉持選手は、「アクセルは踏み切れたので自分の走りはできたと思います。目標にしているインテグラのドライバーさん達に負けないように次も頑張ります」と、ダートラ歴1年半の若武者は頼もしいコメントを残してくれた。
開幕戦で2位に入ったインテグラの三島真太郎選手が今回は4位に入賞したが、今回3位の後藤颯介選手と同じく、三島選手は大阪大学の学生。J1500の岩田選手も含め、今年のジュニアシリーズは大学生が上位を占めている。能塚選手が、「皆で車載動画を見せ合ったりして、勉強しています」と語る通り、違う大学だからこそ、お互いが切磋琢磨するライバル関係にあることが好成績に繋がっているようだ。
J2クラスは開幕戦のウイナー、上土井康朗選手を抑えて山本裕子選手が優勝。「いつもより頑張って踏みました。上土井選手に勝てるとは思っていなかったので、勝てて嬉しいです」と山本選手には格別の優勝だったようだ。最高速はマークしたものの、2位に敗れた上土井選手はシフトミスを悔やんでいた。
地区戦のAE・PNクラスは、マシンをスイッチしてまだ2戦目という執行信児選手が第1ヒートでベストタイムを出していた。今年、全日本ダートトライアル選手権のJD11クラスで開幕から2連勝を果たした則信重雄選手の走りに注目が集まったが、何とミスコースに終わってしまう。
しかし第2ヒートの則信選手は起死回生の走りを見せて、最高速賞と合わせて逆転で優勝もゲット。「2本目の前の慣熟でコースを見返してみて、奥での車速感を出すイメージで、アクセルを全開にする時間を長く取る走りをしてみたのが、メリットになったみたいです」と則信選手はしてやったりの表情。2位に敗れた執行選手は、「AT車に負けて悔しいですね。何とか乗れてきたけど、全日本ドライバーはさすがです」と一枚上手の相手を称えていた。
RWDクラスも全日本選手が大活躍。すでに手放した昨年までのマシンでWエントリーしてきたのが岡翔太選手だ。両ヒートともベストタイムでの完璧な優勝だったが、「半年ぶりに乗って緊張しました。イメージ通りの走りができなかったけど、結果的に勝てて良かったです」とホッとした表情。最高速はゲットしたが、2位に終わった千賀達也選手は、「限界の走りをしましたが、負けたのは悔しいです。岡選手の走行動画を見て研究します」と語っていた。
Nクラスは参加4台と寂しかったが、木村剛士選手が開幕から2連勝を飾った。「1本目、ダメだった所をうまく修正できたのが、優勝に繋がりました」と、木村選手の第2ヒートは会心の走りだったようだ。最高速賞は今季初出場の藤島義孝選手がゲットした。
S1クラスは、第1ヒートでは前戦4位の眞砂徳亮選手がベストタイム。前回2位の今村太亮選手は、シャフトトラブルから途中リタイヤとなってしまう。第2ヒートに入り、眞砂選手はさらにタイムを上げてベストタイムをマーク。今村選手は第2ヒートまでに修理を終え、そのタイムを聞いて走り出したが、僅か4/100秒届かず、2位となった。
「1本目を走っていないので、コーナーとコーナーの間の感じが掴み切れていない所があり、攻め切れなかった。もうちょっとだっただけに悔しいです」と今村選手はさすがにガックリの表情。一方の眞砂選手は、「1本目をクリーンに走れて感じが掴めて、攻め所が見えました。2本目でそこをうまく攻め切れたので良かったです。タイヤもウェット用の74Rでしたが、路面との相性も良かったと思います」と勝因を振り返った。最高速は4位に入った正木宏和選手がゲットした。
S2クラスは、先月の全日本丸和ラウンドで優勝している矢本裕之選手がきっちり決めて優勝。「ハイスピードのレイアウトは走っていてやっぱり楽しい。路面のうねりが大きい所もあったけど、そこを迷いなく攻められたのが、良かったですね」と優勝のコメントを残した。
2位は前回の3位からジャンプアップの宇野研三選手。「結構頑張ったつもりですけど、ギャップをうまく走れませんでした。残念です」と悔やんでいた。前回のウイナーで昨年のチャンピオン、藤本隆選手は、「今日はミスが多くて、慣熟歩行はやっぱりしっかりやらないといけないな、と痛感しました。進入のメリハリもダメダメでした」と反省していた。
最高速賞は6位に入った大ベテランの伊藤益弘選手。「狙ってはいなかったけど、丁寧に走ったことが賞に繋がったんでしょう。でも2本目は、行けると思って、がめつく行ったのが失敗で、タイムを落としてしまいました」と苦笑いだった。
Dクラスは、第2ヒートの途中でマシントラブルが起きてしまった全日本選手の上村智也選手が、第1ヒートのタイムで2位の小川浩幸選手を1秒弱引き離して優勝した。「ハイスピードコースの練習になるので、出てきました。全日本に向けて収穫がありました」と振り返った上村選手は2連勝に加え、最高速賞もゲットしたが、「近畿の地区戦に出られるのは、あと1回かな」とのこと。このクラスは、今後のシリーズポイント争いが面白くなりそうだ。
フォト&レポート/山口貴利
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