平川亮選手が大逆転で今季2勝目! 野尻智紀選手は4位入賞でランキング首位をキープ
2022年5月27日
オートポリスで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦。2年ぶりに好天の中で戦われたシーズン4戦目は、予選8番手から抜群のスタートダッシュを決めた平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)が逆転で今季2勝目を飾った。
2022年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦
(AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2022内)
開催日:2022年5月20~22日
開催地:オートポリス(大分県日田市)
主催:株式会社オートポリス、APC
昨年オートポリスで開催されたスーパーフォーミュラは雨と霧に見舞われて途中終了となってしまったが、この週末は天気に恵まれて予選、決勝ともにドライコンディションで行われた。
予選日の朝だけは雨が降り、濡れた縁石に足元をすくわれて牧野任祐選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)がクラッシュを喫したものの、それぞれチームの懸命な作業で予選までに修復、出走が叶った。
迎えた予選では、その牧野選手がスピードを発揮。Q1では2組合わせて最速タイムを記録し、堂々のQ1トップ通過を果たした。もう一方の組では野尻智紀選手(TEAM MUGEN)がトップ通過を果たす。
2人の一騎打ちが期待されたポールポジション争いだったが、牧野選手はコンディションの変化に合わせきれなかったのか、やや失速。代わりにQ1を野尻選手に続く組の2番手で通過した宮田莉朋選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が、牧野選手を上回って暫定トップに躍り出た。しかし最後は野尻選手が圧巻の走りでトップタイムを奪取、3戦連続のポールポジション獲得となった。
決勝日のオートポリスは強い日差しが降り注ぎ、レーススタート直前には気温が24度と、あまり前日と変わらないコンディションだったが、路面温度は10度以上高い44度を記録。タフなレースが予想される中、42周の決勝レースがスタートした。
1コーナーを制したのは野尻選手。失速した宮田選手を捕えて牧野選手が2番手へ上がり、さらに平川選手が8番グリッドから6番手までポジションアップする。平川選手はさらに混戦の中をうまく切り抜け、オープニングラップを終えたところで3番手まで上がってきていた。その後方では大湯選手が3コーナーでコースオフしてクラッシュ。これによりレースはセーフティカー(SC)が導入された。
4周目にSCが隊列から離れてレースが再開。平川選手は5周目に入ったホームストレートでオーバーテイクシステムを作動させ、1コーナーで牧野選手をかわして2番手に浮上した。その直後、2コーナーで坪井翔選手(P.MU/CERUMO・INGING)に追突された小林可夢偉選手(KCMG)がタイヤバーストに見舞われてクラッシュ。コースサイドの壁にヒットした反動でコース上に戻り、そこでマシンがストップした。
これで2度目のSC導入となり、10周目に入るところで2度目のリスタートが切られた。タイヤ交換のピットウィンドウが開くと、野尻選手は早めのタイヤ交換を選択。しかし交換後のペースがやや鈍り、5周後にピットに入った平川選手の先行を許してしまう。
平川選手はアウトラップでの野尻選手の追撃をしのぎ切り、実質のトップに躍り出た。全車がタイヤ交換を済ませた33周目、平川選手は見た目上でも先頭に戻ると、その後は背後を脅かされることなく最後まで走り切り、今季2勝目となるトップチェッカーを受けた。
2位と3位は終盤までタイヤ交換のタイミングを引っ張ったサッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)と三宅淳詞選手(TEAM GOH)。フェネストラズ選手は今季2度目の表彰台、ルーキーの三宅選手はスーパーフォーミュラで自身初の表彰台獲得となった。野尻選手はこの2台の先行を許したものの4位でフィニッシュ。ランキングトップをキープしている。
フォト/吉見幸夫 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部