GT500は前戦で大クラッシュのCRAFTSPORTS MOTUL Zが制し、GT300はStudie BMW M4が初優勝!
2022年6月2日
5月28~29日、鈴鹿サーキットで300kmレースとして行われたスーパーGT第3戦。前戦の富士で大クラッシュとなった3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組)が、オープニングラップでトップを奪って優勝。両ドライバー共にうれしいGT500クラス初優勝となった。GT300クラスは7号車Studie BMW M4(荒聖治/近藤翼組)がポール・トゥ・フィニッシュで、こちらもチームとして初優勝を遂げた。
2022 SUPER GT Round3 たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE
開催日:2022年5月28~29日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:KSCC、SMSC、ホンダモビリティランド株式会社
5月最後の週末は真夏のような天気となった。晴れ時々曇り、気温28度、路面温度44度というコンディションの28日14時55分から公式予選がスタートする。
GT500クラスはQ1で3号車Zの千代選手がコースレコードとなる1分44秒230を叩き出してトップ通過。Q2では残り2分で3号車Zの高星選手がトップタイムをマークしたが、最後の最後に19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組)の国本選手が1分44秒112でコースレコードを更新して初のポールポジションを獲得。2番手にも37号車KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組)の宮田選手が滑り込み、スープラがフロントローを独占。3号車Zは3番手となった。
GT300クラスでは第2戦優勝の10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき組)の大草選手がトップタイムをマークしたが、再車検後に地上最低高の不足によりすべてのタイムが抹消となって最後尾スタートに。また2番手につけていた88号車Weibo Primez ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)も走路外走行したラップのベストタイムが抹消となり9番手となる。
結果、3番手タイムをマークしていた7号車BMWの近藤選手が初めてのポールポジションを獲得することとなった。なおレギュラードライバーのアウグスト・ファルフス選手は同日開催のニュルブルクリンク24時間レースに参戦しており、代役としてドライブした近藤選手が大きな仕事をやってのけた。2番手は96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一組)、3番手は開幕戦優勝の56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)となった。
29日の決勝の天候も晴れとなり、朝早くから2万1,000人のファンがサーキットに詰めかけた。決勝レース前のウォームアップ走行でクラッシュした車両があり、10分遅れの進行で14時40分にフォーメーションラップが始まる。
気温32度、路面温度47度の14時47分にグリーンシグナルが点灯してレースがスタート。3号車Zの千代選手が1コーナーまでに2番手、そして130Rでトップを奪ったが、1台の車両がスロー走行から車両をコースサイドに止めたことで、いきなりのフルコースイエロー(FCY)という幕開け。
4周目にリスタートとなり、千代選手は後続との差を周回ごとに引き離して独走状態に持ち込む。しかし11周目に1台の車両が白煙を吐いてコースサイドにストップし、直後には1台の車両が日立Astemoシケインでクラッシュを喫し、セーフティカー(SC)が導入された。
隊列を組み直して13周完了でリスタート。ここでも3号車Zの千代選手が後続車両を引き離しにかかった。18周目には早いタイミングでルーティンピットに入る車両が出始め、トップの3号車Zも21周目にピットインしてタイヤ交換と燃料補給、そして高星選手に交代する。
27周ですべての車両がピットインを済ませると、3号車Zは2番手の17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組)に15秒ほどのリードを築いていた。また17号車NSXの背後には37号車スープラが迫っていた。
終盤の38周目にGT500車両がGT300車両に衝突してストップするアクシデントが発生し、FCYからこの日2回目のSC導入となった。これでトップの高星選手の20秒近くあったマージンはなくなってしまう。しかし43周完了でリスタートすると、3号車Zは2番手との差を再び引き離し、4.5秒のリードをつけてトップチェッカー。千代選手も高星選手もこれがGT500クラスでの初優勝で、一気にポイントリーダーに立つこととなった。2位は17号車NSX、3位は37号車スープラだった。
GT300クラスはポールスタートの7号車BMWの荒選手が序盤からリードを築いて20周でピットイン。リアタイヤ2本交換、燃料補給を済ませて近藤選手に交代する。ピットアウトした近藤選手の背後には、6番手スタートからタイヤ無交換作戦を採った5号車マッハ車検エアバスターMC86マッハ号(冨林勇佑/平木玲次組)が迫ったが、近藤選手はトップを死守。その後、5号車MC86は予選17番手スタートの52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)にかわされてしまう。
36周目にこの日2回目のSC導入となり、トップグループは超接近。40周完了でリスタートとなる直前に2番手の52号車スープラが日立Astemoシケインを直進して後退する。2番手の5号車MC86に開幕戦優勝の56号車GT-Rのオリベイラ選手、88号車ランボルギーニの小暮選手が追いついて2番手争いが激しくなったが、どの車両もタイヤの摩耗が進んでおり、順位は変わることなくチェッカー。7号車BMWがチーム参戦8年目にして初優勝を遂げた。5号車MC86が2位、ポイントリーダーの56号車GT-Rが3位表彰台を獲得した。
フォト/石原康、遠藤樹弥 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部