JD11クラス則信重雄選手が今季4勝目、早くもシリーズチャンピオンを確定!
2022年6月22日
京都コスモスパークでの開幕戦から3か月を経た全日本ダートトライアル選手権、全7戦のシリーズは早くも第5戦を迎え、6月18~19日に青森県のサーキットパーク切谷内で「2022年東北ダートトライアル IN KIRIYANAI」が開催された。このラウンドでシリーズチャンピオンに王手をかけるクラスがある一方、4戦を終えて4人のウィナーが誕生するクラスがあるなど、タイトル争いはまだまだ予断を許さない状況となっている。
2022年JAF全日本ダートトライアル選手権第5戦「2022年東北ダートトライアル IN KIRIYANAI」
開催日:2022年6月18~19日
開催地:サーキットパーク切谷内(青森県五戸町)
主催:MSCはちのへ、AKITA
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、昨年と一昨年の大会が開催中止を余儀なくされ、今回が2019年以来3年ぶりの開催となる全日本ダートトライアル選手権の切谷内ラウンド。国内のダートトライアルコースの中でも有数の、固く引き締まったダート路面は健在で、各クラスで0.1秒を争う緊迫した接戦が繰り広げられた。
天気予報では決勝日の午後から雨の予報が出され、予報どおりに第2ヒートは厚い雲が空を覆ったが、JD1クラスのクラス最終ゼッケンが走行するまで雨が路面を濡らすことはなかった。第1ヒートはホコリ飛散防止のために撒かれた撒水の影響でハーフウェット路面でのスタート、第2ヒートは全クラスともドライ路面での戦いとなった。
則信重雄選手が3勝を挙げ、自身初となる全日本チャンピオン獲得に王手をかけているJD11クラス。第1ヒートでその則信選手がベストタイムをマークするものの、ドライ路面となった第2ヒートは先頭ゼッケンの山部恭裕選手がいきなりベストタイムを更新する展開となった。
だが、則信選手自身もすかさずベストタイムを更新。結果、両ヒートでライバルたちを圧倒し、今季4勝目を挙げた則信選手が、早くも今シーズンのシリーズチャンピオンを優勝で確定させた。
「ATの競技車がもっと普及すればいいなと思い、シリーズに参戦することを決めました。誰もが参加しやすいように、LSDを装着せずに純正のオープンデフで走ったことも、自分にとっては大きなトライでした。実際にこのクラスを走って勉強になることが多かったです」と則信選手。
昨年までは改造車クラスのJD3クラスで走っていた則信選手だが、新境地で挑んだJD11クラスで自身初となる全日本チャンピオンのタイトルの座を射止めた。
今シーズンは太田智喜選手、児島泰選手、工藤清美選手、徳山優斗選手と4人のウィナーが誕生しているJD9クラス。路面が乾いた第2ヒートで超硬質路面用タイヤを選択した川島靖史選手が、第1ヒート8番手から一気に順位を挙げて今季初優勝を飾った。
これによって今シーズン5人目のウィナー登場となったが、毎戦表彰台獲得の安定した成績を残す工藤選手が、地元の切谷内で2位に入賞してシリーズポイントトップの座を守り、シリーズチャンピオン獲得にアドバンテージを築いた。
JD8クラスは3勝を挙げている谷尚樹選手が2年連続チャンピオンに王手をかけている状況ながら、前日の公開練習で転倒のハプニングに見舞われた山田将崇選手が、一晩でマシンを修復して第2ヒートで逆転劇を見せて全日本初優勝を獲得した。
「JD9クラスの工藤選手や地元の皆さんに助けていただき、決勝を走ることができました。修復を手伝っていただいた皆さんになんとか恩返ししたく、恥ずかしくない走りをしたいと臨みましたが、まさか優勝できるとは思いませんでした」と山田選手。タイトルに王手をかけていた谷選手は「切谷内の経験が少なく、走り負けました」と5位。タイトル確定は次戦以降に持ち越されることとなった。
山崎利博選手が2勝を挙げているJD7クラスは、第1ヒートで前戦優勝の上野倫広選手がベストタイムを奪うが、第2ヒートは竹本幸広選手が豪快な走りで逆転、今季初優勝を獲得した。上野選手は8位に終わり、チャンピオン争いは2勝を挙げている山崎選手と、1勝ずつを挙げている竹本選手と崎山晶選手の3人に絞られることとなった。
JD6クラスは、第2ヒートに超硬質路面用タイヤで一気に順位を上げてきた星盛政選手が、2014年の切谷内ラウンド以来8年ぶりの全日本優勝を手にするかと思われたが、これまで切谷内では4連覇を達成している北條倫史選手が、星選手のタイムを約0.5秒更新。5年連続の優勝とともに、第4戦スナガワに続いて2連勝を挙げ、チャンピオン獲得に王手をかけた。
JD5クラスは、全日本ジムカーナ選手権から全日本ダートトライアル選手権に転向した志村雅紀選手が、第2ヒートでベストタイムを更新する。全日本ダートトライアルでの初優勝に期待がかかったが、クラスラストゼッケンの細木智矢選手が志村選手のタイムを0.063秒更新。今シーズン3勝目を挙げ、シリーズチャンピオン獲得に向け前進した。
路面コンディションはドライになったものの、硬質路面用か超硬質路面用かどちらのタイヤを装着するかで悩む選手が多い中、JD4クラスは「路面に合わせるというよりも、自分が楽しく走れるタイヤを選んだ」という北村和浩選手が、ギャラリーから感嘆の声が上がるほどの豪快な走りを披露。
今季3勝目を獲得した北村選手、シリーズチャンピオンに王手をかけた。2位には第2戦優勝の黒木陽介選手が入賞、3位には地元の加藤琢選手が、北村選手に勝るとも劣らない豪快な走りで入賞した。
JD3クラスは、第2ヒートでベテランの坂井秀年選手がベストタイムを更新し、全日本初優勝に期待がかかった。だがクラスラストゼッケンの坂田一也選手が坂井選手のタイムを0.634秒更新して逆転。今季3勝目を挙げた。
シリーズポイントトップの山崎迅人選手が3位に入賞し、ポイントランキングは1点差で山崎選手がトップの座を守った。だが有効ポイントでは山崎選手が2位以上を獲得しなければポイントが伸びない状態だ。ポイントランキング2番手ながら、有効ポイントの伸び代が大きい坂田選手がタイトル連覇の可能性を強めた。
JD2クラスは、前日の土曜日に足の指を負傷した目黒亮選手が決勝第1ヒートのトップタイムをマーク。すでにこのクラスで2勝を挙げている亀田幸弘選手に勝ち星で並びたいところ。しかし第2ヒートは超硬質路面を得意とする亀田選手が目黒選手を0.148秒逆転。シリーズポイントでは目黒選手との得点差を8点差に広げるとともに、全日本チャンピオン獲得に王手をかけた。
炭山裕矢選手が3勝を挙げてシリーズチャンピオンに近づいているJD1クラスは、第1ヒートで切谷内をホームコースとする須藤正人選手がベストタイムをマークするものの、炭山選手がそのタイムを1.191秒引き離すタイムでベストタイムを更新。
炭山選手のチャンピオン獲得が濃厚となったが、第2ヒートは第4戦スナガワを制している鎌田卓麻選手が渾身の走りでベストタイムを更新。炭山選手は0.067秒届かず、鎌田選手が今季2勝目を挙げる。第5戦での炭山選手のタイトル確定を阻止した。
フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
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