角田裕毅選手、痛恨のミスでクラッシュ。上位入賞を狙えたカナダGPはリタイアに終わる
2022年6月22日

2022年のFIAフォーミュラ1世界選手権(F1)に参戦中の角田裕毅選手(アルファタウリ)。第9戦カナダGPでは、最後尾からポイント圏内まで追い上げる走りを見せながら、自身のミスでクラッシュを喫してしまい、悔しいリタイアとなった。
2022年FIAフォーミュラ1世界選手権 第9戦
カナダグランプリ
開催日:2022年6月17~19日
開催地:ジル・ビルヌーヴ・サーキット(カナダ・モントリオール)
今回の舞台となるのは、久しぶりの開催となるカナダGPのジル・ビルヌーヴ・サーキット。もちろん、角田選手にとっては初めてのレースとなる。
この週末に向けて、アルファタウリは角田選手のマシンのパワーユニット関係を一新。年間で使用できる規定数を超えたため、角田選手はグリッド降格のペナルティを受けることが決定した。
それでも、日曜日のレースに向けて少しでもパフォーマンスを上げるべく、初日の走行に臨んだ角田選手。初めてのコースかつ、コンクリートウォールに覆われたサーキットということで、わずかにタイヤをウォールにかすめる場面も見られたが、特に大きなトラブルなく積極的に周回を重ねていく。この日はトータルで70周を走破し、1回目が14番手、2回目が17番手だったが、本人としては手応えをつかんでいる様子だった。
「このカナダのコースを走るのは初めてでしたけど、自分にとってはすごく好きなコースだなと言えます。今日1日の走行を楽しむことができました。フリー走行1回目から速さがあって、3~4周しただけで、ペースとしてはポジティブなものがあるなと思いました」
「ここはすごくバンピーなコースであり、すごくテクニカルでもあります。次のセッションに向けて、引き続き流れを組み立てていきたいと思います。今週はペナルティを受けることが決まっているので、日曜日のレースで挽回していくことに焦点を当てていきたいと思います」(FP2終了後の角田選手のコメント)
公式予選が行われる土曜日は朝から雨模様となり、フリー走行3回目はウェットコンディションで各車走行に臨むこととなった。滑りやすい路面にスピンやコースオフをする車両も絶えなかった。
このコンディションに角田選手も苦戦。タイヤのウォームアップが思うようにうまくいかず、ブレーキロックからコースオフを喫するシーンも見られ、無線では悲痛な叫びで症状を訴えていた。結局、このセッションも17番手で終わった。
午後の予選もウェットコンディション。すでにグリッド降格が決まっている角田選手は、無理にタイムを更新せずにQ1を終え、20番手タイムとなった。
「予選を2ラップだけで終えたのは計画通りです。今週はエンジン交換のペナルティを受けることになっていますからね。FP2と比べても予選のコンディションはすごく悪くて、水の量が多かったです。だから、あまりリスクを負いたくありませんでした」
「もともと、フリー走行の段階から、明日の決勝に向けた準備に集中してきました。ここまでセットアップしてきたクルマが、明日のレースではできる限りオーバーテイクができるものに仕上がっていることを願っています」(予選終了後の角田選手のコメント)
日曜日は再びモントリールに青空が復活し、ドライコンディションで決勝レースが行われた。パワーユニット交換によるペナルティで最後尾からスタートとなった角田選手は、スタートから順調にポジションアップを果たしていき、8周目には15番手に浮上。その翌周に1度目のピットストップを行い、ミディアムタイヤを装着した。
第2スティントに入ってからも力強いペースを披露した角田選手。ライバルがピットストップを行っている間などに順位を上げていき、19周目には11番手に上がった。その後も安定したラップタイムを刻み、ポジションをキープ。42周目には一時的に10番手に浮上し、このまま行けば最後尾スタートからポイント圏内でのゴールも叶いそうな状況だった。
しかし、47周目に2度目のピットストップを行い、ハードタイヤを装着してコースに復帰しようとした角田選手。勢い余って、ピット出口の鋭角コーナーを曲がり切ることができず、そのままタイヤバリアにクラッシュしてしまった。これにより角田選手は今季初のリタイア(第2戦サウジアラビアGPでは、スタート前に戦線離脱が決まった)を喫することになった。
「まずはガレージにいって、チームのみんなに謝罪してきました。ピットの出口でプッシュし過ぎてしまい、不運にもウォールにぶつかってしまいました。今日はペースが良かったですし、コース上でオーバーテイクすることは難しかったですが、それでもポイント圏内まで行くことができるほどの力強さがありました。本当に残念な結果になってしまいました」(決勝終了後の角田選手のコメント)

トップ争いはマックス・フェルスタッペン選手(レッドブル)とカルロス・サインツ選手(フェラーリ)の一騎打ちとなったが、最後まで攻めの走りをし続けたフェルスタッペンが、0.9秒差で優勝。これでドライバーズポイントも175点にまで伸ばし、ライバルをまたひとつ引き離した。

フォト/Red Bull Content Pool レポート/吉田知弘、JAFスポーツ編集部
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