サッシャ・フェネストラズ選手がスーパーフォーミュラ初優勝を飾る

レポート レース

2022年6月27日

全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦がスポーツランドSUGOで開催された。序盤にセーフティカー(SC)が導入されたことで、周回数の53周を走破する前に最大70分のレース時間を迎える展開となり、これを制したのがサッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)。参戦3年目で国内トップフォーミュラでの初優勝を飾った。

2022年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第5戦
開催日:2022年6月17~19日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SSC

 梅雨入り宣言が出されて間もない東北地方だが、第5戦が開催されたレースウィークのスポーツランドSUGOは好天に恵まれ、気温は連日30度近くを示した。真夏のような暑さの中で行われた公式予選では、まずはSUGOのレコードホルダーである山本尚貴選手(TCS NAKAJIMA RACING)がQ1のA組でトップタイムをマーク。

 B組では牧野任祐選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)や国本雄資選手(KCMG)らが、ポイントリーダーの野尻智紀選手(TEAM MUGEN)を上回るなど注目を集めたが、最終的にポールポジションを獲得したのは野尻選手。2番手のフェネストラズ選手に対して0.3秒と大差をつけ、第2大会から4戦連続のポールポジション獲得を成し遂げた。

今シーズン4度目のポールポジションを獲得した野尻智紀選手。スーパーフォーミュラにおいては自身通算11回目となる。

 翌日の決勝日もうだるような暑さの中、53周の決勝レースがスタートした。抜群の蹴り出しで真っ先に1コーナーに飛び込んで行ったのは、フロントローのフェネストラズ選手。野尻選手も好スタートを切っていたが、フェネストラズ選手の先行を許してしまう。

 その背後では5番グリッドスタートの大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)が2台をかわして3番手に上がり、大津弘樹選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、宮田莉朋選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)と続いていく。ところがその後方で、山下健太選手(KONDO RACING)と山本選手が接触。山下選手は1コーナーのイン側でマシンをストップさせてしまい、レースはオープニングラップからSCが導入されることになった。

 さらにリスタートが切られた8周目には、松下信治選手(B-Max Racing Team)がブレーキトラブルにより1コーナーでコースアウトしてしまう。スポンジバリアにめり込むほどのクラッシュを喫し、再びSCが導入されることになった。SC導入中の10周目にタイヤ交換のピットウィンドウが開くと、先頭のフェネストラズ選手から大津選手までの上位4台がピットに向かい、5番手を走っていた宮田選手はステイアウトを選んで暫定トップに立つ。

 15周目に2度目のリスタートが切られてからは、宮田選手とフェネストラズ選手の間接的なトップ争いが白熱する。序盤は先頭でクリーンエアの中を走行できる宮田選手がフェネストラズ選手との差をどんどんと広げていくが、タイヤを消耗してきた中盤には両者のラップタイムに差がなくなり、宮田選手はピットインに必要なギャップを稼げなくなってきていた。

 さらに、スタート直後から14周もSCランが続いたことから、53周の周回数より先に最大レース時間に到達してしまうことが判明する。残り時間が15分を切ったころからステイアウト組が続々とピットイン。宮田選手は46周目までピットインを引っ張ったが、すでにフェネストラズ選手との差は大きく削られており、これで首位から陥落。

 すかさずフェネストラズ選手がトップに返り咲き、そのままうれしいトップチェッカーを受けた。2位にはピット作業で野尻選手をかわした大湯選手が入り、今シーズン初表彰台を獲得。ポールシッターの野尻選手が3位に入った。

全日本フォーミュラ3選手権からステップアップし、参戦3年目でようやくつかんだスーパーフォーミュラ初優勝。サッシャ・フェネストラズ選手がトップチェッカー。
今シーズン初の表彰台獲得となった大湯都史樹選手。5番手スタートから一気にポジションをあげ、2位入賞を果たした。
第5戦3位獲得の野尻選手は予選ポールポジションのポイントも加算し、ポイントリーダーの座をしっかり固めた。
第5戦の表彰式。左から2位の大湯選手、1位のフェネストラズ選手とKONDO RACINGの近藤真彦監督、3位の野尻選手が登壇した。

フォト/石原康 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部

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