豊田・下山地区の魅力が詰まった「豊田しもやまラリー2022」が開催!
2022年6月30日

中部・近畿ラリー選手権第2戦となる「豊田しもやまラリー2022」が6月18~19日にかけて愛知県豊田市周辺を舞台に開催された。
2022年JAF中部・近畿ラリー選手権 第2戦
2022年JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズ 第2戦
2022年JMRC中部ラリーチャレンジシリーズ 第1戦
「豊田しもやまラリー2022」
開催日:2022年6月18~19日
開催地:愛知県豊田市周辺
主催:MASC
2019年に初開催されたセントラルラリー愛知・岐阜で名物スポットとなった熊野神社や、湖畔がステージとなった三河湖などを擁する下山地区が主な舞台となる、豊田しもやまラリー。セントラルラリーではまるでヨーロッパのラリーのように集落内がステージとして使用されたこともあって、この地区ではラリーへの関心が高まり、今回のラリーにも多くの住民がボランティアとして運営に参加するなど、ラリーを通して地域の魅力の発信に熱心だ。
多くのギャラリーがつめかけた巴ヶ丘小学校下の広場でのセレモニアルスタートには、豊田市の太田稔彦市長も駆けつけた。また、地元ケーブルテレビ局がSSから生中継するなど、WRCラリージャパンの開催が予定されている地区だけに、官民共にラリーに期待する雰囲気が感じられた。
ステージの構成は三河湖近辺の2本の林道を2回づつ走行する合計4SSで競われるコンパクトな設定。今回初めて使用するSS1/SS3(Neike Ryuo)は前日に降った雨が乾かず、落ち葉も多く滑りやすい上に道幅も狭く、とくに後半の下りは気が抜けないステージ。
SSのジャンクションとして使われて有名になった熊野神社前をリエゾンで通過し、続くSS2/SS4(Dragon Lake)はセントラルラリーでも使用された林道。比較的綺麗な路面で、SS1/SS3とは対照的なイメージ。土曜日のレッキを終えた選手達からはSS1/SS3を警戒する声が多く聞こえた。
特徴の異なる2本の林道をどう攻めるかが勝負を左右するラリーとなった。また、SS1/SS3には数カ所のジャンクションがあり、ミスコースしてタイムを大幅にロスするクルーが複数見られた。今回のような短距離決戦のラリーでのミスコースは自ら勝負権を手放すことになるので、基本的なことだが、レッキでのチェックは重要だと思わされた。



最も多い18台が参戦したDE-2クラス。開幕戦では大江毅/田中大貴組のシトロエンDS3R3Tと、中野敬太/森井康貴組のトヨタAE86レビンの首位争いという、世界的にも類を見ない世紀を跨いだ車種同士の優勝争いとなったが、今回の上位3台は全て後輪駆動。頭ひとつ飛び出したのは上坂英正/山下恭平組のAEではないトヨタ86。
ブランクを経て久々の参戦となった上坂選手、「SS1みたいな道は嫌いじゃないし、タイヤもここに合わせてきた」と自信を見せる。その自信どおり2ループ目のSS3でも速さを見せ、目論見通り優勝すると「いろんな事情でしばらく参戦できなかったけど、ラリーはやっぱり楽しい」と終始笑顔だった。
東日本を主戦場とするトヨタMR-Sの渡部弘樹選手が、フランス選手権帰りの川名賢選手とのコンビで参戦し、2位入賞を果たす。SS2/SS4では上坂/山下組を上回るも、SS1/SS3での遅れが響いた形だ。3位は石川紗織選手とコンビを組むフランス選手権帰りの保井隆宏選手のトヨタ86。SS2ではクラスベストタイムを記録するなど、積極的にラリーに参戦してきた結果が見え始めていた。渡部選手と石川選手は、ともに全日本や海外での活動も多い2人のコドライバーからのアドバイスを受けた結果が成績に表れているようだ。



DE-5クラスは若いドライバーがその速さの片鱗を見せる結果となった。昨年までDC2で参戦していた山口航平/谷美希組がトヨタヤリスでの初参戦で優勝する。その山口選手は「DC2と比べると電子スロットルの扱いだったり、色々と慣れない点があるけど……」と語り、練習車も所有してヤリスに慣れようと奮闘した模様。その結果が表れた形だ。チーム代表に見出され、全日本にも参戦するチームからの参戦で、周りの先輩たちからいい刺激を受けているようだった。



3台と少し寂しいDE-6クラスは、今年から参戦を開始した揚村悠/笠井開生組のミツビシエクリプスクロスPHEVが初優勝。ドライバーの揚村選手は「エクリプスクロスの電子デバイスのおかげで、路面の悪いSS1とSS3でリードを広げることができました」と語り、市販車でも評価の高いエクリプスクロスの面目躍如といったところ。また「足回りは安価な市販品で、車重も重いので下りは辛いけど、予算があればまだまだ伸び代はありそう」とのことなので、今後の進化が楽しみな1台だ。



6台が参戦したDE-1クラス。DE-2クラスの上坂/山下組とは対照的に、路面が悪いSS1は抑え気味で、廣嶋真/廣嶋浩組に大きく離された三枝光博/兼松智志組が「2ループ目は全開で行った」の言葉通り、SS3では26.5秒もタイムアップして優勝。全日本に参戦している息子の三枝聖弥選手の手伝いで、シリーズ通しての参戦は難しいとのことだが、まだまだ速い父親は健在だ。そして同じクラブ員同士でありながら、意外にも初コンビとなった村瀬太/安藤裕一組が3位に入った。



今回が開幕戦となったJMRC中部チャレンジシリーズは1ループ目で2位以下を大きくリードした奥田晃弘/朴木博則組が優勝。全日本レギュラー参戦組かつチーム員同士に加えてチーム代表、さらにはジャーナリストも加わってのバトルとなったEX5クラスは渡部哲成/小藤桂一組が優勝。渡部選手は、前週の全日本選手権モントレーで敗れたチームメイトの小濱勇希選手に一矢報いる形となった。






フォト/山本佳吾、MASC レポート/山本佳吾、JAFスポーツ編集部
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