大混戦のJG4クラスは田中康一選手が全日本初優勝! JG7クラスの若林隼人選手とJG6クラスのユウ選手が開幕5連勝を達成

レポート ジムカーナ

2022年7月4日

全日本ジムカーナ選手権第5戦が、6月25~26日に北海道のオートスポーツランドスナガワ ジムカーナコースで開催された。全8戦が組まれている今シーズンの全日本ジムカーナ選手権は、この第5戦からシリーズ後半戦へと突入する。有効ポイントは8戦中ベスト6戦。後半戦を有利に戦う上でも、この第5戦でどれだけ有効ポイントを加算できるかが、タイトル争いの大きな鍵を握っている。

2022年JAF全日本ジムカーナ選手権 第5戦
2022年JMRC北海道SPARCOアウティスタジムカーナシリーズ EXラウンド
「北海道オールジャパンジムカーナ」

開催日:2022年6月25~26日
開催地:オートスポーツランドスナガワ ジムカーナコース(北海道砂川市)
主催:C.S.C.C.、AG.MSC北海道

 大会が行われる週末、雨の予報が出ていた会場付近は、金曜日にスコールのような大雨が降ったものの、公開練習の土曜日と決勝日の日曜日は最高気温が27度付近まで上がる好天に恵まれ、ドライコンディション。タイヤに対して攻撃性が高いと言われているオートスポーツランドスナガワ ジムカーナコースは、タイヤがフレッシュな状態の第1ヒートのタイムが勝敗の鍵を握るとされているが、クラスによっては路面温度が上がった第2ヒートで上位の順位が変わるクラスもあった。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を優先して行われたスナガワラウンド。大会を安全に開催するためのオーガナイザーの協力要請に、エントラントがしっかり協力した。
フラットなコースが特徴のオートスポーツランドスナガワ。パイロンセクションとコースセクションが織り込まれたレイアウトだ。
第2ヒート終了後に開催された、全日本ジムカーナ選手会による同乗走行とパレードラン。ギャラリーの皆さんにジムカーナの魅力を存分にアピールした。
山野哲也選手やユウ選手によるじゃんけん大会を実施。競技で使用したタイヤなどがプレゼントされた。

 JG10クラスは、第4戦をスキップした山野哲也選手が、第1ヒートで1分18秒640のトップタイムをマーク。約1.7秒差の2番手に、前戦はミスコースとパイロンタッチに終わった河本晃一選手、その河本選手から0.405秒差で昨年のチャンピオン織田拓也選手がつけるという展開だ。

 第2ヒートは河本選手がタイムダウン、織田選手がパイロンタッチに終わり、第1ヒートのタイムで山野選手の優勝が確定する中、その山野選手が第2ヒートもわずかにベストタイムを更新。ライバルを寄せ付けない走りで今季4勝目を獲得した。

JG10クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY 12D A110S)。
JG10クラスの表彰式。左から4位の安木美徳選手、2位の河本晃一選手、1位の山野選手、3位の織田拓也選手。

 JG8クラスは第2戦から3連勝を挙げている小林規敏選手が、この第5戦でも好調をキープしていた。2番手タイムの小林キュウテン選手に0.122秒差をつけ、トップに立つ。第2ヒートは両者ともタイムダウン。第1ヒートのタイムで小林規敏選手が今季4勝目を挙げた。

 また、第1ヒート4番手の箕輪雄介選手と5番手の斉藤邦夫選手は、第2ヒートでそれぞれタイムを縮めてくるものの、第1ヒート3番手の小野圭一選手のタイムには届かず。学生時代を北海道で過ごした小野選手が、今季3回目となる3位表彰台を獲得した。

JG8クラス優勝は小林規敏選手(BSエナX★ADSロードスター)。
JG8クラスの表彰式。左から4位の箕輪雄介選手、2位の小林キュウテン選手、1位の小林規敏選手、3位の小野圭一選手、5位の斉藤邦夫選手。

 開幕4連勝の若林隼人選手が、第5戦もライバルを抑えて5連勝を達成したJG7クラス。西野洋平選手が3位以下の場合、有効ポイントで若林選手のタイトルが確定するが、その西野選手は0.271秒差で2位に入賞し、若林選手のタイトル確定を阻止。タイトル確定は次戦以降に持ち越された。また3位には天満清選手が、今シーズン初となる表彰台を獲得している。

JG7クラス優勝は若林隼人選手(YH若林自動車コサリ速心124)。
JG7クラスの表彰式。左から4位の山口克之選手、2位の西野洋平選手、1位の若林選手、3位の天満清選手、5位の久保真吾選手、6位の森田国治選手。

 シリーズランキング2番手の野島孝宏選手と同3番手の大多和健人選手が欠場したJG6クラスは、開幕4連勝中のユウ選手が開幕5連勝を達成。第1ヒートはパイロンタッチに終わり3番手タイムだったものの、第2ヒートはしっかりとクラス唯一となる1分18秒台のタイムをマークし、盤石の勝利を挙げて2年連続のタイトルに王手をかけた。また、佐藤宏明選手がJG6クラスでは過去最上位となる2位に入賞、有田光徳選手もJG6クラスでは過去最上位となる3位入賞を果たした。

JG6クラス優勝はユウ選手(BSitzzNTLロードスター)。
JG6クラスの表彰式。左から4位の梅村伸一郎選手、2位の佐藤宏明選手、1位のユウ選手、3位の有田光徳選手。

 JG5クラスは第4戦を欠場したいながわひろゆき選手が、「路面とタイヤがマッチしていた」と、両ヒートを制して今季初優勝を獲得。2015年の第6戦以来となる全日本優勝を獲得した。2位には、今季2勝を挙げている茅野成樹選手が入賞、3位は第4戦優勝の上本昌彦選手が入賞し、シリーズポイントは茅野選手が上本選手との差を7点に広げた。

JG5クラス優勝はいながわひろゆき選手(BSitzzGdニパ子ヤリス)。
JG5クラスの表彰式。左から2位の茅野成樹選手、1位のいながわ選手、3位の上本昌彦選手。

 4戦を終えて3人のウィナーが誕生しているJG4クラスは、シリーズランキング3番手につける田中康一選手が、第1ヒートのタイムで今季初優勝を獲得。シリーズポイントは、今回3位となった合田尚司選手と同点の67点となった。2位は服部諒一選手が今季初表彰台を獲得。今回、6位に終わった橋本克紀選手、7位の島田昌典選手を含め、タイトル争いはさらに混沌する状態だ。

JG4クラス優勝は田中康一選手(ADVAN☆RSK☆シビック)。
JG4クラスの表彰式。左から2位の服部諒一選手、1位の田中選手、3位の合田尚司選手。

 JG3クラスは第4戦優勝の佐野光之選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り2連勝を達成した。また、第1ヒートを4番手で終えたシリーズランキングトップの西井将宏選手は、第2ヒートにスイフトスポーツ勢2台を抜いて2位に浮上し、シリーズポイントをしっかりと加算。3位には開幕戦優勝の澤平直樹選手が入賞した。

JG3クラス優勝は佐野光之選手(YHリジットワコーズインテグラ)。
JG3クラスの表彰式。左から4位の小武拓矢選手、2位の西井将宏選手、1位の佐野選手、3位の澤平直樹選手、5位の遠藤貴郁選手。

 若林拳人選手と広瀬献選手が2勝ずつで迎えたJG2クラスは、広瀬選手が両ヒートを制する走りで今季3勝目を獲得。シリーズポイントでも、2位に終わった若林選手を一歩リードする結果となった。3位には、第2ヒートで若林選手に0.045秒差まで迫った藤井雅裕選手が入賞した。

JG2クラス優勝は広瀬献選手(マロヤトレーラーS二千亜舎YH)。
JG2クラスの表彰式。左から2位の若林拳人選手、1位の広瀬選手、3位の藤井雅裕選手、4位の渡辺公選手。

 JG1クラスは菱井将文選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り、今季2勝目を獲得。2位には津川信次選手が入賞し、シリーズランキングでは3位の菱井選手が2番手に浮上、2位の津川選手が2点差で3番手と逆転され、トップの大橋渡選手が3位に入賞してランキングトップの座を死守した。

JG1クラス優勝は菱井将文選手(BSレイズ・クスコランサー)。
JG1クラスの表彰式。左から2位の津川信次選手、1位の菱井選手、3位の大橋渡選手。

 その他、併催されたJMRC北海道SPARCOアウティスタジムカーナシリーズEXラウンドは、R-Ecoクラスで上井康斗選手が第2ヒートで逆転優勝、R-1クラスは向中野凉選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り優勝、86/BRZクラスはナツキ選手が両ヒートを制する走りで優勝、R-2クラスは逸見将吾選手がそれぞれ優勝した。

R-Ecoクラス優勝は上井康斗選手(TBOX白VitzDL)。
R-Ecoクラスの表彰式。左から2位の西山直登選手、1位の上井選手、3位の時兼隆祐選手。
R-1クラス優勝は向中野涼選手(SCENE☆スイフトスポーツ)。
R-1クラスの表彰式。左から2位の小林滉季選手、1位の向中野選手、3位の横田和也選手。
86/BRZクラス優勝はナツキ選手(シンシア★ワコーズ★BRZ)。
86/BRZクラスの表彰式。左から2位の小石翔太選手、1位のナツキ選手、3位の高野一徳選手、4位の清水武流選手。
R-2クラス優勝は逸見将吾選手(DL☆タクミ☆ジムキタ蒼インプ)。
R-2クラスの表彰式。左から2位の庄司恭晴選手、1位の逸見選手、3位の塚本雄久選手。

フォト/CINQ、加藤和由 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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