中盤戦突入の近畿ミドルシリーズ。激戦区PN2は、GR86をデビューさせた白尾泰選手が優勝!

レポート ジムカーナ

2022年7月7日

JMRC近畿ジムカーナミドルシリーズは、シリーズを折り返す第3戦が、奈良県の名阪スポーツランドで地区戦と併催で開催された。

2022年JMRC近畿ジムカーナミドルシリーズ第3戦
ORCCジムカーナ

開催日:2022年6月26日
開催場所:名阪スポーツランドCコース(奈良県山添村)
主催:ORCC

 近畿地区の初中級者向けのジムカーナシリーズとして知られる、JMRC近畿ジムカーナミドルシリーズは、今季は全5戦が名阪スポーツランドで開催される。基本的には単独開催されるシリーズだが、今年は今回の一戦のみ、JAF近畿ジムカーナ選手権及びJMRC近畿ジムカーナチャンピオンシリーズと併催される形で行われた。

 コース設定は、併催される地区戦&チャンピオンシリーズと同一であるため、ミドルシリーズの選手にとっては、上級者の走りを間近に見れて参考にできるという、得るものが多い一戦となる。今回の大会は第1ヒートの前に雨が降るというコンディションだったが、ミドルシリーズは地区戦の選手達の後に走る形となったため、第1ヒートから乾いた路面にアタックすることができた。タイムも両ヒートで拮抗したため、最後まで目が離せないバトルが各クラスで展開された。

決勝スタート直前に降った雨でウェット寄りの路面でのスタートとなったが、ミドルシリーズが始まる頃にはドライ路面が用意された。
地区戦との併催で参加台数が120台を超える状況となったため、ミドルシリーズのパドックはDコースに設置された。
当日のコースレイアウトは、地区戦とまったく同一の設定で行われた。

 最初の決勝クラスとなった2PDクラスは過去2戦、ウィナーが入れ替わっているクラス。そして今回も新たなウィナーが誕生した。第1ヒートのタイムで逃げ切ったのは、ポルシェ・ケイマンを駆った昨年のチャンピオンである段上泰之選手だった。

「2本目は、欲張って突っ込みすぎました。色々課題があって、まだうまく乗れていないので次も頑張ります」と振り返った段上選手だが、前年のチャンピオンは取得したポイントに0.5が加算される規定により、大きなアドバンテージは作れず。このクラスは混戦が続きそうだ。

2PDクラスは昨年の王者、段上泰之選手のケイマンが今季初勝利を飾った。
2PDクラス優勝の段上選手。
前回優勝の下里太介選手は2位にとどまった。
妖怪J清本選手が3位に入った。
2PDクラス表彰の各選手。

 BR-1クラスは、山本祐己選手が第1ヒートのタイムで優勝を決め、前戦に続き2連勝をゲットした。「第1ヒートはコーナーに対して突っ込み過ぎたと感じたので、第2ヒートは修正して丁寧に走ったらタイムダウンしてしまいました。逃げ切れたのは良かったですが、改めて気合いも大事だなと痛感しました」と、山本選手には苦笑いの優勝となった。

BR-1クラスは、ただ一人、1分20秒台にタイムを乗せた山本祐己選手が優勝。
BR-1クラス優勝の山本選手。
本山泰久選手は第1ヒートのタイムで2位につけた。
谷英幸選手は僅差の3位でゴールした。
BR-1クラス表彰の各選手。

 BR-2クラスは、大ベテランの西野尾吉治選手が第1ヒートのトップタイムをマークするが、第2ヒートでは、松村直人選手に逆転されて2位に終わった。松村選手は、「2本目は、1本目でミスした所を先輩からアドバイスをもらって修正して走りました」とのことで、貴重な助言を受けたことが奏功しての優勝だ。

「ゴールした時は、1秒は上がったなと思ったんですが、それ以上のタイムが出せて(約1.6秒のタイムアップ)、自分でも驚きました!。1コーナーをうまく抜けられたので、その後も自信を持って走れたのが良かったと思います。何年ぶりか分からないくらいの久々の優勝なので、嬉しいです」と、松村選手はゴール後に喜びを爆発させていた。

2本目勝負となったBR-2クラスは、第1ヒート4位だった松村直人選手が逆転勝ちを収めた。
BR-2クラス優勝の松村選手。
西野尾吉治選手は逆転を許し、2位。
稲上佳彦選手は1本目の順位を守って3位を獲得。
BR-2クラス表彰の各選手。

 BR-3クラスは、「前回はパイロンに泣いたので、今日はパイロンに触らないように慎重に走りました」と振り返った、朝原崇選手のロードスターが2本ともベストタイムをマークして快勝した。2WD車総合ベストとなる1分18秒815を叩き出した朝原選手は、開幕戦に続く今回の2勝目でシリーズリーダーに返り咲いた。

BR-3クラスは、第2ヒートでもきっちりタイムを詰めた朝原崇選手が優勝。
BR-3クラス優勝の朝原選手。
松川周平選手は第1ヒートのタイムで2位。
焼野悠太選手は大きく順位を上げて3位でゴール。
BR-3クラス表彰の各選手。

 BR-4クラスは2連勝中の大田健太郎選手が、こちらもパイロンに注意した走りを見せて、無敵の開幕3連勝を飾った。「0.1秒詰めてプラス5秒を避ける気持ちで走りました。ほぼノーミスで走れて良かったです」と振り返った大田選手は、2番手に2秒近い大差をつけての快勝で、ミドルシリーズのオーバーオールウィンを獲得。「こうなれば、次は満点チャンピオン目指します」と最後は力強いコメントを残してくれた。

BR-4クラスでは大田健太郎選手が、ライバルを圧倒するタイムで優勝。
BR-4クラス優勝の大田選手。
薮本大選手は僅差の2位争いを制した。
吉川健二選手は3位に入った。
BR-4クラス表彰の各選手。

 今回最多エントリーとなる16台が集ったPN-2クラスは、シリーズ4番手につけている上地秀樹選手が、第1ヒートでトップタイムをマークする。しかし第2ヒートに入ると、2番手出走の白尾泰選手のGR86があっさりとベストタイムを更新。すると最後までそのタイムは破られず、白尾選手の優勝となった。

「GR86は3月に買った新車で、先週シェイクダウンしたところです。当初はチャンピオンシリーズに出ようと思ったんですが、新車でかつ履いたことのないタイヤで出るのは怖かったので、ミドルにしました。ただ次からはチャンピオン戦に出るので、ミドルでしっかり勝っておきたかったんです」と振り返った白尾選手は、北海道地区戦等でキャリアを磨いたスラローマー。

「名阪のコースにまだ慣れてないので、第1ヒートは(ブレーキが)余ってしまいました。第2ヒートは修正しましたが、勝てたのはたまたまで、本当はこの名阪でも、もっとタイムを上げないといけませんね」と本人は反省しきりだったが、NEWマシンのデビューウィンを見事に飾った。

 悔しいのは0.087秒差で2位に敗れた江副弘和選手。これで開幕から3戦連続の2位とあって、「1本目は1コーナーでアンダーを出してしまいましたが、2本目はラインに気を付けて、踏んでいけるライン取りができました。2位を獲れたのは、少し良かったですけど(笑)、やっぱり3戦連続は悔しい。第1ヒートからきっちり走れていたら…」と悔やんでいた。一方、第1ヒート首位の上地選手は、田路了悟選手にも逆転を許し、4位に終わった。

PN-2クラスでは、白尾泰選手がGR86でのデビューウィンを飾った。
PN-2クラス優勝の白尾選手。
江副弘和選手は僅かに届かず、2位で競技を終えた。
田路了悟選手は僅差で3位と表彰台の一角をゲットした。
PN-2クラス表彰の各選手。

フォト&レポート/山口貴利

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