小山美姫選手がもてぎ大会3連勝でパーフェクトウィン達成!
2022年7月14日
6大会・全17戦でタイトルを争うフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)。シリーズの折り返しとなる第7~9戦がモビリティリゾートもてぎで行われた。前戦の岡山大会から勢いそのままに、ポールポジション/ファステストラップ/トップチェッカーで小山選手がパーフェクトウィンを成し遂げる週末となった。
2022年フォーミュラリージョナル地方選手権 第7戦/第8戦/第9戦
(2022 もてぎチャンピオンカップレース内)
開催日:2022年7月2~3日
開催地:モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)
主催:ホンダモビリティランド株式会社、M.O.S.C.
2日9時からスタートした予選1回目、この15分間の予選でのベストタイムが第7戦、セカンドベストが第9戦のグリッドとなる。トップタイムを記録したのは小山美紀選手。暑さをものともせず、周回を重ねるごとにタイムを更新していき、チェッカーを受けると共に最速タイムの1分50秒396を記録した。前戦の岡山大会では3レース中2レースで優勝を遂げた小山選手だが、これが今シーズン初ポールポジションとなった。
2番手タイムは片山義章選手がマーク。6周目に記録した1分50秒983で予選終盤に2番手へとポジションを上げた。40歳以上のジェントルマンドライバーを対象とするマスタークラスでトップタイムを記録したのは畑享志選手で、タイムは1分52秒220であった。
10分間のインターバルを挟み、予選2回目がスタート。ここでのベストタイムが第8戦のグリッドとなる。このセッションでも小山選手が最速タイムをマーク。前のセッションよりもタイムを更新し、1分49秒890。マスタークラスも前のセッション同様に畑選手がトップタイムを記録、1分51秒424と更新した。
「初ポールでうれしいという気持ちはありますが、自身の課題としていた1周を、早い段階でまとめることができず、最後までベストラップを更新し続けてしまったので、まだまだと思います」と小山選手。
16周で争われる第7戦は11時40分よりフォーメーションラップがスタート。ポールポジションの小山選手が1コーナーを制し、そのままオープニングラップをトップで終え、その後は後続を引き離す展開となる。マスタークラスではクラス2番手スタートの田中優暉選手がポジションを上げてクラストップに浮上。ポイントリーダーのHIROBON選手を抑えて周回していく。
8周目の1コーナーでマスタークラスの三浦勝選手がスピンし、グラベルにストップ。これにより車両回収が必要となったため、セーフティカー(SC)が導入される。ここまで小山選手が築いていた2番手以下との差はなくなってしまった。
SCが解除となった9周目になると、3番手を走行する小川颯太選手と大木一輝選手が接近。並びかけるシーンがあったものの、このバトルは小川選手が抑え込んだ。しかし、その小川選手はペースを上げることができず、常に大木選手を意識する形となる。プレッシャーがかかる状況の中、小川選手が最後まで粘って3位表彰台を獲得した。
トップチェッカーを受けたのはポール・トゥ・ウィンを果たした小山選手で、2位の片山選手に約3.5秒差をつけての勝利だ。小山選手は「スタートからトップをキープできて良かったです。でも自分自身としてはスタートが上手くできなかったので、第8戦はその点を改善して臨みたいです」とコメント。
なおマスタークラスは田中選手が優勝し、「オーバーオールクラスのクルマのスリップを使えたのが、良かったのかなと思います」とレースを振り返った。2位に畑選手が入賞。HIROBON選手はファイナルラップでマシンを止めてしまい、チェッカーを受けることができなかった。
16時25分よりフォーメーションラップがスタートした第8戦。このフォーメーションラップでマスタークラスのHIROBON選手にマシントラブルが発生、マシンを止めてしまう。これにより各車グリッドについたものの、フォーメーションラップ開始5分前からやり直しとなった。
1周減算の15周となった決勝レースは、小山選手が抜群のスタートを決め、トップのまま1コーナーを抜ける。 2番手スタートの片山選手は2コーナー立ち上がりで失速し、小川選手に先行を許して3番手へとポジションを落としてしまう。
その後、3周目の3コーナーで片山選手は小川選手に接触し、小川選手はリアウイングを破損してしまう。これが影響して小川選手はペースが上がらず、2番手以下3台が接近する展開へと発展。最終的に小川選手のリアウイングは飛んでなくなってしまった。
各マシンがもつれ込みながらの走行となった4周目の130Rで、大木選手は小川選手をオーバーテイクすることに成功し2番手へと浮上する。これに片山選手も続こうとするが、V字コーナーでイン側にいた畑選手と田中選手に、アウトから被せる形となりクラッシュとなる。
畑選手は接触を避けてグラベルに行ってしまい、コースへ復帰ができずにマシンをストップ。片山選手と田中選手は再スタートをしたが、そのままピットインしてしまうこととなった。接触に巻き込まれそうになった三浦選手は、接触回避のため一瞬車両をストップさせたものの、ダメージを負うことなくレースへと復帰した。
このアクシデントによりトップは小山選手、2番手に大木選手、3番手に小川選手というオーダーとなった。10周目、リアウイングのない小川選手に、マスタークラストップの三浦選手が迫っていく。11周目の3コーナーで小川選手は三浦選手に進路を譲った。
後続での混戦を尻目に、トップを走る小山選手は独走状態となる。ファステストラップを何度も更新し、14周目に1分50秒656というタイムを記録しつつ、2位に24秒もの差をつけてトップでチェッカーを受けた。2位は大木選手、3位にはマスタークラスの三浦選手となった。この第8戦を完走したのは8台中4台となり、マスタークラスの完走は4台中1台だった。
「スタートは自分の中では決まっていなかったのですが、ミラーを見たらほかのマシンもさほど速くなく、その後も混戦となっていたので展開に助けられた形になりました。独走状態となったので、次につなげられるいろいろな乗り方のトライをすることもできました」と小山選手。
マスタークラス優勝の三浦選手は、「今週末はここまで全然マシンの調子が良くなく、トップスピードも他車よりも10km/hほど遅かったのですが、ECUを書き換えたら直りました。ストレートスピードの問題が解決できたのが良かったですね」と語った。
第9戦は翌3日の9時40分よりフォーメーションラップがスタート、16周で争われた。スタートでの混乱はなく、オーバーオールの上位陣の順位は変わらずに小山選手が独走態勢に持ち込む展開となった。
一方のマスタークラスでは、オープニングラップでHIROBON選手が畑選手を抜き、クラストップへと浮上するも、フロントウイングにダメージを負ってペースが上がらず。4周目のヘアピンコーナーで三浦選手が田中選手に並びかけ、バックストレートでスリップに入り90度コーナーでオーバーテイク。4周目のビクトリーコーナーでHIROBON選手はマシントラブルからマシンを止めてしまった。
トップ快走中の小山選手は2番手に対して1周当たり約1秒速いペースで周回を重ね、どんどんギャップを広げていく。その後は順位変動もなくレースは膠着状態となり、小山選手が2位に10秒の差をつけてトップチェッカーを受けた。2位は小川選手、3位には片山選手がつけた。
「スタートは今までの中で一番良く決まりました。今日はユーズドタイヤだったので、ミスなく平均していいタイムで走ることを意識しました。この週末を振り返ると、クルマが良かったと思います。自分だけでなくチーム全体でつかんだ良い週末でした。」と小山選手。
マスタークラスは畑選手が優勝で、三浦選手、田中選手と続いた。畑選手は「スタートで少し失敗してしまいました。ユーズドタイヤだったので、ニュータイヤを履いていた選手とのバトルが厳しかったですね」とコメントした。
フォト/石原康 レポート/西川昇吾、JAFスポーツ編集部