今シーズン5人目のウィナー誕生! 笹原右京選手がスーパーフォーミュラ初優勝
2022年7月22日
全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦が富士スピードウェイで開催。中盤までトップ快走を見せていた関口雄飛選手(carenex TEAM IMPUL)がアクシデントで戦列を離れた後、セーフティカー導入のタイミングを利用してトップに立った笹原右京選手(TEAM MUGEN)がトップチェッカーを受け、国内トップフォーミュラ初優勝を飾った。
2022年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦
開催日:2022年7月15~17日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C
第6戦の予選日は悪天候となり、午前中のフリー走行は視界不良で赤旗終了。午後も天候の回復が見込めず、本来のノックアウト方式から30分間の計時方式へと予選方法が変更となった。だんだんと雨が強くなることが予想されることから、セッション開始と同時に一斉に車両がコースインしていく。
その中で、先頭でアタックを行った関口選手が、自身6回目のポールポジションを獲得する。そして坪井翔選手(P.MU/CERUMO・INGING)、野尻智紀選手(TEAM MUGEN)というトップ3に。笹原選手は予選では振るわず、13番手という結果だった。
一夜明けた決勝日は天候が回復し、気温27度、路面温度37度というコンディション下でフォーメーションラップがスタートした。しかし、9番グリッドから動き出した松下信治選手(B-Max Racing Team)が、ホームストレートに戻ってくるところでハーフスピン。エンジンが止まってしまったためで、レースはエクストラフォーメーションラップの後に1周減算の40周で改めてスタートが切られた。
好スタートを切ったポールの関口選手はトップをキープし、坪井選手をかわした野尻選手が2番手にポジションアップしたが、その後方で三宅淳詞選手(TEAM GOH)、大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)、平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)の3台が絡むアクシデントが発生。三宅選手と平川選手はここでレースを終えることになった。
さらに3周目には、サッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)と山本尚貴選手(TCS NAKAJIMA RACING)の7番手争いが最接近。2台は2コーナーの先で接触し、フェネストラズ選手はガードレールに激しくヒットしてしまう。パーツもコースの広範囲に広がり、すぐさまセーフティカー(SC)が導入される事態に。
10周目に入るところでSCが隊列から離れ、レースが再開。翌周にピットウィンドウがオープンになると、真っ先に野尻選手がピットへ向かってタイヤ交換を済ませる。関口選手と坪井選手はステイアウトを選択し、野尻選手とのギャップを広げにかかった。
25周を終えたところで関口選手がピットイン。チームも素早い作業で、関口選手を野尻選手の前でコース復帰させることに成功した。しかしこの直後、ダンロップコーナーを立ち上がるところで関口選手の左リアタイヤがホイールごと外れ、スピン。ピットストップ後、実質のトップに返り咲いたばかりの関口選手だったが、ここで無念のリタイアとなった。
このアクシデントが起きた瞬間にピットに入っていたのが坪井選手だった。そしてすぐさまレースは2度目のSCが導入される。坪井選手は野尻選手の前でコースに復帰し、これで逆転トップに立ったかに思われた。しかし坪井選手がピットインしたことで、暫定トップに立った笹原選手がここでピットに滑り込むと、アウトラップから戻ってきた坪井選手より前でコース復帰に成功する。
30周を終えて2度目のリスタートが切られたが、残り10周を危なげなく走り切った笹原選手がトップチェッカーを受け、スーパーフォーミュラ初優勝を飾った。2位は坪井選手、3位には野尻選手が入り、2台そろって表彰台を獲得したTEAM MUGENはチームランキングでトップに浮上した。
フォト/石原康、吉見幸夫 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部