これまでのTGR 86/BRZ Raceを継承した、ZN8型GR86&ZD8型BRZのワンメイクレース「TGR GR86/BRZ Cup」が開催!
2022年7月22日
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全日本スーパーフォーミュラ選手権のサポートレースとして、7月16~17日に富士スピードウェイで、GR86/BRZ Cupの開幕戦と、Yaris Cup東日本シリーズ第2戦/西日本シリーズ第4戦が開催された。土曜日までは天候が不安定だったが、決勝レースの行われた日曜日は一転して天気に恵まれ、開催順にコンディションを向上させていった。
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2022 東日本シリーズ第4戦/西日本シリーズ第2戦
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup クラブマンシリーズ第1戦
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup プロフェッショナルシリーズ第1戦
(2022年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦内)
開催日:2022年7月16~17日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C
TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cupは東日本シリーズと西日本シリーズのWタイトルということもあって、エントリーは実に116台。Vitz Raceが初代SCP10の時代、さらに上回る台数があったとのことで新記録ではないが、それにしても驚異的な台数であるのは間違いない。
予選も3組に分けられ、またグリッドは54台分用意されることから、当初はコンソレーションレースにさえ出られない、正真正銘“予選落ち”が出るとされていたが、幸か不幸か練習中のトラブルなどで出走を取りやめた車両もあったことから、ちょうど予選落ちを出さずに済んだ。
その予選だが、3組ともコンディションが違っていた。未明まで降っていた雨がわずかに残り、最後の方でほぼドライとなっていたのがA組。そこからB組ではさらに路面状態が向上していったが、最後の一発を出そうというタイミングで瞬間的な豪雨に見舞われてしまう。そしてC組は雨はやんだが、しっとりと路面が濡れている状態。組ごとにはイコールだったものの、全体的には有利、不利が明らかに分かれていた。
そんな中でポールポジション(PP)を獲得したのが、A組トップの大森和也選手だった。今季1戦目の十勝に続いて最前列スタートとなる。大森選手は「僕らのA組がいちばん良かったんでしょうね。徐々に乾いてきていましたから。自分の走り的にも納得がいく、どこのコーナーもミスなく走れて良かったです」と語るも、「レース経験が浅く、スタートに苦手意識がある上、バトルの駆け引きもまだまだなので、じっくり攻められるようにいきたいと思います」と意気込んだ。続く2番手はB組トップの松原亮二選手で、3番手はC組トップの神谷裕幸選手。
早朝からのスタートとあって、まだ路面は濡れたままの決勝レース、課題のスタートを決めて大森選手がトップで1コーナーへ。わずかにオーバーシュート気味ではあったが、なんとか松原選手を抑えて立ち上がる。その後方では黒田保男選手が、神谷選手をかわして3番手に浮上していた。
一時は大森選手と松原選手の一騎討ち状態となっていたが、バトルの激しさゆえに後続を一台、また一台と近づけていくことに。トレイン状態の中、5周目の最終コーナーで2番手に躍り出ていたのがTAGAMI DAISUKE選手だった。そもそも25番手からスタートの車両の大躍進に、トップを争っていたドライバーたちも大混乱。
7周目の最終コーナーでは大森選手をもかわしてトップに立ち、そのまま2戦連続でトップチェッカーを受けたのだが……。レース後の裁定は、なんと改造規定違反による失格。これで大森選手が繰り上がって今季初優勝を挙げ、2位は松原選手、3位は神谷選手という予選どおりの順番に。
「ラッキーです。次のSUGOは得意なので2勝目を狙います」と優勝を喜ぶ大森選手。なお、混走のCVTクラスでは飯田裕選手が優勝。2位の柚木宏一郎選手とはコンマ075秒差での辛勝だった。コンソレーションレースでは小川翼選手が優勝した。
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TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupのクラブマンシリーズには50台がエントリー。こちらは残念ながら5台の予選落ちが出てしまった。その予選で頂点に立ったのは松井宏太選手で、勝木崇文選手と菱井将文選手を従えた。
「昨日の専有走行はトラブルもあって走れなかったんですが、路面は濡れていたのでウェットのセットはできていました。そのデータをもとに走ったという感じです。少し遅れて出ていって、本当に最初の1周だけ完全なクリアラップが取れました」と松井選手。
その一方で「ドライではまだ煮詰めきれていないので」と語っていた決勝レースでは、スタートを決めた松井選手が後続の激しい攻防を尻目にオープニングラップだけで1秒半のリードを築き上げ、そのまま逃げる展開としていた。逆に勝木選手と菱井選手は、何度も2番手を入れ替える。ようやく決着がついたのが最終ラップの最終コーナー。インを差して、勝木選手が菱井選手の前に。
トップの松井選手は安泰で、4秒半の差をつけて新生クラブマンシリーズの初代ウィナーに輝くこととなった。その松井選手は「前半勝負だと思って、仕掛けていったのが良かったですね。後ろとの間隔を見ながらレースすることもできました。タイヤを前半のうちに使いすぎて、僕も後半苦しくなっちゃったんですが、それがないとギャップがつくれなかったので、結果的には良かったかなと。次のSUGOは得意なので、連勝できるよう組み立て方を考えます」とコメント。
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TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupのプロフェッショナルシリーズは、従来に増してオールスター状態となり、39台がエントリー。予選はトップから1秒以内に10台が並ぶ状況の中、ディフェンディングチャンピオンの菅波冬悟選手が長らく最速タイムを記録していたが、最後の1周でトップに立ったのが谷口信輝選手だった。
「確かに水は徐々に減っていたけど、とはいえ全然グリップしないので、少しでもグリップするところを探し続けていました。なるべく1周きれいにまとめて、本当に小さくつないで、アクセル踏みたいのを我慢して転がしていたらタイムが出ました。マージンなんてまったくない! 自分を信じて行っただけです。明日の決勝は、勢いのいいのが周りにいっぱいいるので、なんとか逃げ切りたいと思います」と谷口選手。実際、背後に並んだのは菅波選手、伊東黎明選手、元嶋佑弥選手ら若手ばかり。そこは谷口選手の老獪なドライビングが光った。
上空には晴れ間さえ広がるようになった決勝レースで、トップ3のドライバーはそれぞれスタートを決め、谷口選手、菅波選手、伊東選手の順で1コーナーに飛び込んでいく。一方、その後方は大渋滞。オープニングラップを終えると、予選5番手だった松井孝允選手が4番手、少し間隔をあけて予選9番手だった佐々木孝太選手が5番手につけていた。
3台でのトップ争いは最後まで続き、ラスト2周は松井選手も加わったが、谷口選手はしっかりガードを固めて逆転を一度も許さず。最後はコンマ2秒の僅差ながら、後続の振り切りに成功する。
「今風に言うとあおり運転! 背後から若いのが、右から左から。本当に取り締まってほしい(笑)。もちろんチギろうとは思ってもいなくて、ポイントだけ押さえながらタイヤのマネジメントをして走っていました。進入を抑えて立ち上がり重視。ずっと追われての10周、本当に長かったです、暑かったし。菅波選手がずっとクリーンなバトルをしてくれたから、安心して走ることできました。ああいうドライバーは先があると思います」と谷口選手。
最後まで菅波選手、伊東選手、松井選手、佐々木選手の順位は保たれ、そしてラスト1周の激しい攻防戦の末に、予選12番手からスタートしていた中山雄一選手が6位を得ていた。
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■WAKO'S スーパーカートカップ第5戦/富士シリーズ第3戦
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フォト/石原康、吉見幸夫 レポート/はた☆なおゆき、JAFスポーツ編集部
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