「FIAガールズ・オン・トラック - ライジングスターズ」に全日本カートの松井沙麗選手が挑戦!
2022年7月27日
FIAウィメン・イン・モータースポーツ委員会が推進する「FIAガールズ・オン・トラック - ライジングスターズ」に、ついに日本人がノミネートされた。全日本カート選手権を戦う松井沙麗選手がこの14名に選ばれ、これからトレーニングに挑むことになった。
「FIAガールズ・オン・トラック - ライジングスターズ」は、世界の女性レーシングドライバーの才能を発掘かつ育成し、モータースポーツのプロフェッショナルとして、高いレベルに引き上げることを目標とした育成プロジェクトとして知られている。
2020年から本格的にスタートしたこのプロジェクトは、スクーデリア・フェラーリとフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)との共同で運営されており、4年間のプログラムを経て最終的に2名のドライバーが選出され、FDAの元でFIA-F4選手権に参加するというステップアップ・プログラムとなっている。
このプログラムは12歳から16歳までの女性を対象としており、第3弾となる今回は、今年の5月に、FIAのASNであるJAFから募集が告知され、2022年に有効なJAF発給の国際カートドライバーライセンス所持者で、生年月日が2006年1月1日から2010年12月31日であり、かつ英語が堪能であることを条件とし、JAFの選考を経てFIAに申請された。
この結果、FIAによれば、12の国と地域から6名の”シニアドライバー”(2006年1月1日から2008年3月31日生まれを対象)と、8名の”ジュニアドライバー”(2008年3月31日から2010年12月31日生まれを対象)がノミネートされることになり、欧州や中南米、オセアニアから12名、インドから1名、そして日本からは、松井沙麗選手がノミネートされることになった。
松井選手は2019年にジュニアカート選手権FP-Jr Cadets部門の東地域でJAF選手権にデビューしたカートドライバー。2020年は東地域で2勝を挙げ、2021年は開幕戦から勝利をつかみ、以降は表彰台を外さない走りでタイトル争いを展開した。東地域では首位で東西統一競技会に挑んだものの、2021年のFP-Jr Cadets部門をシリーズ3位で終えている。 そして2022年はFP-Jr部門にステップアップ。東地域の開幕戦もてぎ北大会ではブッちぎりの優勝を果たしている。
今回のチャンスをつかんだ松井選手は、「昨年から”GIRLS ON TRACK”の事は知っていましたが、まさか、まったく海外のレース経験がない私が参加できることになるなんて、本当に夢のようです! これも本当にJAF様の推薦のおかげだと思っています。世界中から集まる女性ドライバーと会えることと、自分がどこまで通用するのか? を今からスゴく楽しみにしています! 今ある自分の力をすべて出せるよう、精一杯頑張ってきます!! 応援よろしくお願いします!」と意気込みを寄せてくれた。
今回のプロジェクトは、8月中旬にフランスのポールリカール・サーキットにあるウィンフィールド・レーシングスクールでのトレーニングキャンプからシュートアウトされ、その後のワークショップを経て、11月にはFDAカート/F4スカウティングキャンプに参加するための選考が行われる。これらのプロセスを経て最終選考された2名のドライバーには、FDAの支援を受けて国際シリーズを追う育成プログラムが待っている。
このプログラムでは、すでに1stエディション最終選考者のMaya Weug選手がFDA初の女性育成ドライバーとしてフォーミュラ・トレーニングの後にイタリアF4選手権を戦っており、2ndエディション最終選考者であるスペイン人のLaura Camps Torras選手が現在FDAでF4トレーニングを受けている。3rdエディションとなる今回で、彼女らに続く3人目が選考されることになる。孤軍奮闘となる松井選手の挑戦に期待したい。
PHOTO/長谷川拓司[Takuji HASEGAWA] REPORT/JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] COOPERATIONS/JAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会[JAF WOMEN IN MOTORSPORT]