JG10クラスの山野哲也選手、JG8クラスの小林規敏選手、JG7クラスの若林隼人選手、JG6クラスのユウ選手がチャンピオン確定!

レポート ジムカーナ

2022年7月28日

全日本ジムカーナ選手権 第6戦「全日本ジムカーナ in 岡山国際サーキット」が、7月23~24日に岡山県美作市の岡山国際サーキットで開催された。同コースで全日本ジムカーナ選手権が開催されるのは、2016年以来6年ぶりとなる。

2022年JAF全日本ジムカーナ選手権 第6戦「全日本ジムカーナ in 岡山国際サーキット」
開催日:2022年7月23~24日
開催地:岡山国際サーキット ジムカーナコース(岡山県美作市)
主催:ORANGE、株式会社岡山国際サーキット、AC

 岡山国際サーキットのホームストレートのピットロード出口からスタートする決勝コースは、スタートして第1コーナーを曲がり、その先のウイリアムズコーナーの手前に設けられているモーターサイクルシケインを周回し、ショートカットを抜けてリボルバーコーナーの手前に設けられたパイロンを180度ターン。その後はパイパーコーナー、レッドマンコーナーからホッブスコーナーに抜けるダブルヘアピンを経て、高速コーナーのマイクナイトコーナー、最終コーナーを経てホームストレートへと戻ってくるレイアウト。

 ホームストレートには高速スラロームと8の字ターンや270度ターンが置かれたパイロンセクションが設けられており、AT車両のJG10クラスはゴール手前のターンが緩やかに設定され、他のクラスとはゴールラインが異なる。パイロンセクションが設けられてはいるものの、コース全体は3速や4速が主体となり、国際格式サーキットの特徴を活かした無類のハイスピードコースがレイアウトされた。

 第6戦を迎え、シリーズは後半戦へと突入。全8戦が組まれている今シーズンの全日本ジムカーナ選手権は、シリーズの有効得点戦数がベスト6戦ということもあり、この第6戦で獲得した得点がそのまま有効得点に加算される。クラスによってはシリーズチャンピオン獲得に王手をかけている選手もおり、ライバル選手にとってはこの第6戦が反撃のラストチャンスとなる。

 また、タイトルの行方が混沌としている状態のクラスにとっても、獲得得点がそのまま有効得点に加算されるこの第6戦は、残り2戦を有利に戦う上でも重要な1戦となる。各陣営の思惑が複雑に絡み合う中、超ハイスピードコースで決戦の火蓋が切られた。

第6戦の舞台となった岡山国際サーキットでの全日本ジムカーナ選手権開催は6年ぶり。熱中症予防を考慮して慣熟歩行では動力なしの自転車の使用も認められた。
シケインを通過しながらもレーシングコースに沿って走行し、後半ではストレート上に並んだパイロンをスラローム&ターンでクリアするハイスピードなレイアウト。

 シーズン4勝を挙げているアルピーヌA110Sの山野哲也選手が、通算22回目となるシリーズチャンピオンに王手をかけているJG10クラス。第1ヒートは、その山野選手がポルシェ911 GT3RSを駆る古谷知久選手に約5秒差をつけて抑え、トップタイムをマークする。3番手はスズキ・スイフトスポーツの安木美徳選手、4番手はポルシェ・ケイマンの段上泰之選手、5番手がスズキ・スイフトスポーツの織田拓也選手と、サーキットを舞台にポルシェ勢も躍進してきた。

 第2ヒートは、路面温度が55度を超えるまで上昇したこともあり、各車とも軒並みタイムダウン。第1ヒートのタイムで逃げ切った山野選手が今季5勝目を挙げ、シリーズ2番手の安木選手が3位となったことにより、この第6戦で山野選手の通算22回目となるシリーズチャンピオンが確定した。

JG10クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY 12D A110S)。
JG10クラスの表彰式。左から4位の段上泰之選手、2位の古谷知久選手、1位の山野選手、3位の安木美徳選手、5位の織田拓也選手。また山野選手がチャンピオンを確定させた。

 マツダ・ロードスターのワンメイク状態となっているJG8クラスは、1分41秒台に5台が並ぶ激戦となったが、第1ヒートでクラス唯一となる1分40秒台のタイムをたたき出した小林規敏選手が今季5勝目を獲得。

 逆転チャンピオンの可能性があったシリーズ2番手の箕輪雄介選手が6位、同3番手の小林キュウテン選手が3位、同4番手の川北忠選手が8位、同5番手の斉藤邦夫選手が5位となったため、この第6戦で小林規敏選手の自身初となる全日本チャンピオン獲得が確定した。

JG8クラス優勝は小林規敏選手(BSエナX★ADSロードスター)
JG8クラスの表彰式。左から4位のSHUN選手、2位の小野圭一選手、1位の小林規敏選手、3位の小林キュウテン選手、5位の斉藤邦夫選手、6位の箕輪雄介選手。また小林規敏選手がチャンピオンを確定させた。

 今シーズンからアバルト124スパイダーに乗り換えた若林隼人選手が開幕5連勝を挙げているJG7クラス。若林選手はライバル選手の順位に関係なく、このラウンドで9位以上に入賞すれば、シリーズチャンピオンが確定する。そんな注目の第1ヒートは、第4戦からGR86に乗り換えてきた西野洋平選手がベストタイムをマーク。2番手には同じくGR86に乗る奥井優介選手が続き、若林選手は3番手で第1ヒートを終える。

 第2ヒートは、西野選手と奥井選手がわずかにタイムダウンする中、若林選手が0.508秒のタイムアップに成功するが、第1ヒートトップの西野選手には届かず2位。西野選手が今季初優勝を飾るとともに、2位に入賞した若林選手のシリーズチャンピオンが確定した。

JG7クラス優勝は西野洋平選手(BSカローラ栃木GR宇都宮86)。
JG7クラスの表彰式。左から4位の山口克之選手、2位の若林隼人選手、1位の西野選手、3位の奥井優介選手、5位の松本敏選手、6位の天満清選手。また若林選手がチャンピオンを確定させた。

 JG7クラスの若林選手と同じく、ユウ選手が開幕5連勝を挙げているJG6クラス。ユウ選手もライバル選手の順位に関係なく、このラウンドで9位以上に入れば2年連続となるシリーズチャンピオンが確定する。ユウを追いかけるシリーズ2番手の野島孝宏選手は、第5戦スナガワに続きこのラウンドを欠場。シリーズ3番手の大多和健人選手は、残り3戦を全勝することでシリーズ逆転の可能性が出てくる。

 ユウ選手と大多和選手の戦いに注目が集まる中、第1ヒートのタイムで逃げ切ったユウ選手が開幕6連勝を達成。有効ポイントを120点に伸ばし、満点チャンピオンを獲得した。2位には大多和選手が入賞、大橋政哉選手が今シーズン最上位となる3位に入賞した。

JG6クラス優勝はユウ選手(BSitzzNTLロードスター)。
JG6クラスの表彰式。左から4位の片山賢一郎選手、2位の大多和健人選手、1位のユウ選手、3位の大橋政哉選手、5位の内田敦選手、6位の磯村良二選手。またユウ選手がチャンピオンを確定させた。

 JG5クラスは、折茂紀彦選手、朝山崇選手、上本昌彦選手が1分37秒台で並ぶ中、シリーズランキングトップの茅野成樹選手が、クラス唯一となる1分36秒台のタイムで今季3勝目を獲得。今季1勝ずつ挙げている上本選手が4位、朝山選手が3位となったことにより、茅野選手が2年連続となるJG5クラスチャンピオン獲得に王手をかける結果となった。

JG5クラス優勝は茅野成樹選手(EXEDY☆SCTAヤリスDL)。
JG5クラスの表彰式。左から2位の折茂紀彦選手、1位の茅野選手、3位の朝山崇選手。

 5戦を終えて4人のウィナーが誕生しているJG4クラスは、4人の中で唯一2勝を挙げている合田尚司選手が、第1ヒートのタイムで逃げ切り今季3勝目を獲得。第5戦を終えた時点で、合田選手と同点トップに立っていた田中康一選手は2位に終わり、タイトル争いは合田選手が一歩リードすることとなった。また、3位には今季1勝を挙げている島田昌典選手が入賞。混戦が続くこのクラスは、最終戦まで激しいタイトル争いが続く気配だ。

JG4クラス優勝は合田尚司選手(YH@CR-XATS速歩BPF)。
JG4クラスの表彰式。左から4位の坂本賢一郎選手、2位の田中康一選手、1位の合田選手、3位の島田昌典選手。

 JG3クラスは、スズキ・スイフトスポーツの高江淳選手が、第1ヒートのタイムで2020年以来2年ぶりとなる優勝を獲得。2位には若手の遠藤貴郁選手が入賞し、今回は4位に終わったシリーズランキングトップの西井将宏選手との差を12点差に縮めた。また、3位には今季1勝を挙げている神里義嗣選手が入賞し、沖縄勢ふたりが表彰台に並ぶ結果となった。

JG3クラス優勝は高江淳選手(DL城マッハZRスイフトBPF)。
JG3クラスの表彰式。左から4位の西井将宏選手、2位の遠藤貴郁選手、1位の高江選手、3位の神里義嗣選手、5位の佐野光之選手、6位の澤平直樹選手。

 JG2クラスは、第3戦から3連勝を達成している広瀬献選手が、第1ヒートのタイムで逃げ切り、4連勝を飾った。今季2勝を挙げている若林拳人選手は、第2ヒートで気迫溢れる走りを見せるものの、ゴール前のパイロン区間を攻めすぎ、正式なゴールラインを切れずミスコースという結果に。第2ヒートで藤井雅裕選手に逆転されて3位に終わった。この結果、広瀬選手が2年連続のチャンピオンに王手をかけることとなった。

JG2クラス優勝は広瀬献選手(マロヤトレーラーS二千亜舎YH)。
JG2クラスの表彰式。左から4位の葛西悠治選手、2位の藤井雅裕選手、1位の広瀬選手、3位の若林拳人選手。

 大橋渡選手と菱井将文選手が2勝、津川信次選手が1勝で迎えたJG1クラスは、レースにも参戦する菱井選手が「サーキットで負けるわけにはいかない」と、今季3勝目を獲得。大橋選手が2位に入賞し、シリーズランキングトップの座を死守するものの、有効ポイントでは2位以上でなければポイントが伸びない大橋選手に対し、菱井選手が第7戦でもポイントを大きく伸ばす可能性があり、3位の津川選手を含めて最終戦まで目の離せない展開が続きそうだ。

JG1クラス優勝は菱井将文選手(BSレイズ・クスコランサー)。
JG1クラスの表彰式。左から4位の野中信宏選手、2位の大橋渡選手、1位の菱井選手、3位の津川信次選手、5位の佐藤英樹選手、6位の飯坂忠司選手。
戦いの熱が冷めやらぬコース上で行われた、全日本ジムカーナ選手会によるパレードラン。抽選会で同乗の権利を得た子供たちを助手席に乗せてゆっくり走行。
閉会式ではギャラリーの皆さんと一緒に記念撮影が行われた。

フォト/CINQ、遠藤樹弥 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

※掲載内容に不十分さがあったため、修正して再公開しました。

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