チームメイト同士の死闘を制し、関口雄飛選手が3年ぶりのスーパーフォーミュラ勝利!

レポート レース

2022年8月31日

今シーズン2回目となる1大会2レース制で行われたモビリティリゾートもてぎでのスーパーフォーミュラ選手権。1レース目と打って変わって真夏らしい暑さの中で始まった第8戦の決勝レースは、早めのピットイン戦略が奏功した関口雄飛選手(carenex TEAM IMPUL)が、予選7番手からの逆転勝利を飾った。

2022年JAF全日本スーパーフォーミュラ選手権 第8戦
開催日:2022年8月21日
開催地:モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)
主催:M.O.S.C.、ホンダモビリティランド株式会社

 21日午前中に行われた第8戦予選は、前日同様に涼しいコンディション下で行われた。まずはQ1、A組では前日ポール・トゥ・ウィンを飾って勢いに乗っている山本尚貴選手(TCS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマーク。すると続くB組では、チームメイトの大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)が、A組よりも速いタイムでトップ通過。

「とにかく速さにこだわってきた」と後の記者会見で話した大湯選手は、Q2でも各セクターを全体ベストタイムでつなぎ、堂々のトップタイムを叩き出した。

 山本選手が大湯選手に続いて暫定2番手に入ったが、その後は続々とライバル勢がタイムを更新。最終的に、サッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)が2戦連続でフロントローグリッドを獲得し、ポイントリーダーの野尻智紀選手(TEAM MUGEN)が3番手に入った。

金曜のフリー走行では好調な走りを見せた大湯都史樹選手。第7戦は3番手スタートとなったが、第8戦ではポールポジションを獲得。

 予選を終えたころから少しずつ青空が広がり始め、決勝レースは夏らしいコンディションの下でスタートした。大湯選手が見事なロケットスタートを決めた一方、フェネストラズ選手はやや出遅れ、野尻選手が2番手に躍り出る。

 スタートダッシュには成功した大湯選手だったが、次第にペースダウンし、上位陣は大湯選手のペースに付き合う形で周回が進んで行った。そんな中、7番グリッドからスタートした関口選手はピットウィンドウがオープンして間もなくタイヤ交換へ。早めにピットインを済ませ、クリアスペースでタイムを稼ぐ作戦に出た。

 大湯選手のペースにつかまっていた上位陣との差はみるみると縮まっていく。野尻選手はその中でいち早くピットへ入ったが、コース復帰した時には関口選手の先行を許してしまう。さらに、こちらもすでにタイヤ交換を済ませていた5番手スタートの牧野任祐選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も、野尻選手をコース上でオーバーテイク。

 タイヤ交換を済ませた組では関口選手と牧野選手がトップ争いを形成。そして野尻選手がピットに入った翌周、大湯選手とフェネストラズ選手もピットインするが、関口選手と牧野選手の先行を許し、さらに野尻選手にもかわされて順位を落とすことになった。

 各車が続々とピットインしていく中、最後までステイアウトを選択したのが平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)だった。30周を終えたところでピットへ滑り込み、関口選手、牧野選手に続く3番手でコース復帰する。

 まだタイヤが温まっていなかったことから一旦は野尻選手にかわされる平川選手だったが、フレッシュタイヤを武器にペースアップして野尻選手と牧野選手をかわし、トップの関口選手まで一気に詰め寄っていった。

 残り3周はcarenex TEAM IMPULのチームメイト同士の激しいトップ争いに。最終ラップでは90度コーナーで平川選手が並びかけるも、攻めの姿勢を貫いた関口選手がポジションを譲らず。その後、平川選手はタイヤを縁石に乗せて挙動を乱してしまい、ここで勝負あり。関口選手は2019年の第2戦オートポリス大会以来となるトップチェッカーを受け、平川選手、牧野選手が表彰台を獲得した。

真夏のコンディションとなった第8戦、7番手スタートの関口雄飛選手が序盤からトップ集団に食らいつき、3年ぶりの優勝を果たした。
チームメイトの関口選手と拮抗した戦いでレースを繰り広げた平川亮選手。オーバーテイクシステムを使い切る力走で2位となった。
早い段階でタイヤ交換を行った牧野任祐選手が3位表彰台を獲得。第3戦の鈴鹿大会と合わせ、今シーズン2度目の表彰台登壇となった。
第8戦の表彰式。左から2位の平川選手、carenex TEAM IMPULの星野一樹監督代行と1位の関口選手、3位の牧野選手が登壇した。

フォト/石原康 レポート/浅見理美、JAFスポーツ編集部

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